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「群馬の森」朝鮮人追悼碑に集う人々に一条の光
2024年01月30日 | 日本の政治・社会と民主主義
   

 群馬県の山本一太知事は29日、県内外の多くの反対に背を向け、「群馬の森」にある朝鮮人追悼碑の撤去工事(代執行)を開始しました。

 その前日、碑の前には多くの市民が駆けつけました。朝日新聞のルポ(28日付デジタル)から抜粋します(写真も)。

<9:00 追悼碑の周りはひっそり。「記憶 反省 そして友好」と刻まれた追悼碑の銘板前に、折り鶴や花束がおかれていた。ハート形の紙に「話し合い」などのメッセージも。

10:30 報道で撤去されると知った近隣の男性(69)は碑に手をあわせた。碑の存在を知っていたが、実際に足を運んだのは初めて。「碑を残せるものなら、残した方がいい。友好の証しだし、結構、朝鮮の労働者の方が亡くなっていますよね」

10:50 碑を訪れた女性が「よく県も壊す気になるわね。誰にどれだけの迷惑をかけたのかねえ」と語る。

 近くにいた守る会のメンバー神垣ひろしさんは、病気で発声が難しいが、「悔しい。知事は何を考えているのか」と器具をつかって声を振り絞った。

11:30 碑の前で、前橋市の代田清さん(83)が「アリラン」をハーモニカで演奏。碑を建てる会の時代から関わる1人だった。「悔しい。撤去されたとしても、気持ちまで撤去される訳じゃない」。その後、「ふるさと」を伴奏し、居合わせた人々と合唱した。

13:10 高崎市内の女性(55)がモップなどを使って碑のまわりのほこりや落ち葉を片付けた。建てた人への敬意と犠牲者への追悼を込めたという。「本当に撤去されてしまうのだろうか」とまだ信じられないという。「碑は公園の片隅にあって、だれかの邪魔になるのかな。もともと県も一緒に建てたのに……」。

13:20 東京都世田谷区の会社員男性(55)が花束を持って碑の前に。撤去方針が伝えられる前後に、SNSで追悼碑の存在を知ったという。「歴史を知らなくて申し訳ない。碑がなくなったとしても、自分たちの責任で受け継がないといけないという気持ちを犠牲者に伝えました」

14:13 近くに前に住む40代の女性は、小学1年の長女(7)と一緒に碑の前で手を合わせた。「撤去されると知り、最後にこの目で見ようと思ってきた。これから大人になる娘にとって、近隣の国との歴史や関わり方を考える機会にしてほしいと思っている」

15:00 警察による厳戒態勢のなか、追悼碑の撤去に抗議する有志による集いが開かれ、約200人が碑のそばに。県内で生まれ育った松本浩美さんが「碑は植民地支配時代を追悼するもので、日本の良心だった。撤去はされても私たちの思いは消えません」。別の女性が「これで終わりじゃない。壊されたら、また碑を建てましょう」と力を込めると、拍手に包まれた。

15:00 高崎市の60代女性は、千羽鶴を碑に手向けていた。「最後まで撤去に反対だということを少しでも訴えたくて」。ニュースで29日に碑が撤去されると知り、いてもたってもいられなかった。「過去のこととしっかり向き合い続けることが大切なのに。碑をこの体でかばってでも守りたい気持ちです」

15:35 講談師の神田香織さんが碑の前でスピーチ。原爆の悲惨さを伝える漫画「はだしのゲン」が広島県の平和ノートから削除された件を引用し、「本当のことを伝える碑を撤去するのは、はだしのゲンと同じ。加害があったこと、被害があったこと、両方伝えるのが一番です」と話した(写真中)。

15:45 ひとりひとりの追悼式として、碑に花を手向ける人々の列ができた。それぞれの思いをつづったメモを碑にはりつける人も。

16:43 伊勢崎市の男性(76)は、「朝鮮人追悼碑 撤去するな!」というプラカードを持ち、午前11時から碑の近くに立ち続けていた。「隣国との関係や歴史を大切にするための碑だ。決して公益に反するものではない」

17:15 追悼碑の前で記念撮影する人の列ができた。「本当に悲しい。見納めだね」と在日の男性。

17:30 「速やかに退園をしてください」とのアナウンスとともに、閉園に。>

 碑の撤去は、確かに、安倍晋三元首相に代表される政府・自民党の歴史修正主義を象徴するものです(25日のブログ参照)。
 同時に、碑の前に集った人々の悲しみ、怒り、謝罪、そして「壊されたら、また碑を建てましょう」という決意に、“この国もまだ捨てたものではない”と一条の光を見る思いがします。




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