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「もう限界です。」若い看護師たちが組合結成!〜南青山の美容整形クリニック

動画(6分半)

 ことし6月はじめ、美容整形クリニックで働く看護師が東京の「下町ユニオン」に駆け込んだ。そして8人で組合「HAAB(ハーブ)ビューティークリニック分会」を結成した。みんな女性で平均年齢は20代後半だ。組合結成のきっかけは、会社が一方的に、7月から週休3日シフトを週休2日シフトに変えるとしたことだった。看護師たちは、休日が大幅に減らされ生活のリズムが壊されるだけでなく、夏のボーナスなし、昇給なし、を通告された。こうした経営の一方的なやり方に、看護師たちの怒りが沸騰した。

 美容医療の業界は急成長をつづけている。HAABビューティークリニック(一般社団法人千昇会/代表理事・梶千尋)は、全国に5院を展開している。今回、組合ができたのは、東京・南青山本院である。ここには、医者・看護師・カウンセラー・エステティシャンなど、約35人が働いている。自由診療で、美容整形、肌の治療、点滴などを行っている。

 6月18日に第一回の団体交渉が開かれ、そこで組合は7月からのシフト変更の撤回を求めた。しかし、会社の顧問弁護士は「月の所定労働時間は変わらず、給料も減額しないのだから不利益変更ではない」の一点張りで、7月にシフト変更を強行した。そして、その後は組合からの団交申し入れを事実上拒否したため、組合は東京都労働委員会にあっせん申請した。しかし、会社はそれも拒否している。

 そんな状況を打破しようと8月10日、下町ユニオンのメンバー約10人が、炎天下のなか「南青山本院」社前抗議行動を行った。要求はシンプルで「休日を減らすな、ボーナスを支払え、話し合いに応じろ」というもので、手に手にプラカードを持って、昼休みの時間帯にアピール行動を行った。このあたりは「伊藤忠本社ビル」があったり、オフィスと商業施設が混在するエリア。「南青山本院」はガラス張りの洒落たビルに入っていた。その目の前に「下町ユニオン」の赤いのぼり旗が翻り、通行人の目を引いた。マイクアピール、チラシ配布が30分ほど、行われた。

 この日の当該分会の参加は、分会長のAさん(写真左)一人だった。手にしたプラカードには「もう限界です。」と書いてあった。Aさんに話を聞くと「この仕事が好きで、勤続2年半になる。入社当時から週休3日ということでライフスタイルができていたのに、それが一方的に壊された。不利益変更である。それが許せない。従業員を無視しないとほしい」という。いっけん華やかな職場だが、実際は従業員がワンマン経営によって苦しめられていた。Aさんはマイクを握り、「不当労働行為を許さず、会社と正面から闘います」と堂々と決意を述べた。

 行動終了後、下町ユニオンの加瀬事務局長は記者にこう語った。「アメリカではZ世代の社会運動への登場が言われているが、日本でも若者が声を上げることに躊躇しなくなっている。労組への違和感もなくなっている。HAAB分会の看護師たちはとても元気で、権利を守るためストライキも辞さず、と言っている。美容業界でつくられたこのユニオンのたたかいにぜひ注目してほしい」と。(M)

→下町ユニオンホームページ https://shitamachi.jpn.org/smu/


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