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「残業代ゼロ」制度は許せない!〜上信ハイヤー乗務員67人が集団提訴

動画(9分半)

 タクシー業界の闇は深い。不明朗な賃金体系が横行し、残業代が払われないケースが多 発している。群馬県の大手タクシー会社「上信ハイヤー」(本社・高崎市)もそうだ。「 高崎駅前に以前は20台が並んでいたが、いまは数台。乗務員不足が常態化している。多く の高齢者ドライバーは我慢しているが、若い人はすぐ辞めてしまう。残業代がまともに払 われず、安心して働けないからだ」。危機感を募らせたタクシー乗務員67人が「残業代ゼ ロ」制度は許せないと、1月30日東京地裁に集団提訴した。請求総額で約1億4500万円、一 人あたり約220万円である。同日午後、厚労省で会見が行われた。


*提訴のため東京地裁に入る一行

 上信ハイヤー労働組合委員長の田端伸幸さん(51歳/写真下)は勤続12年のベテランだ。「私は 現在年収で400万円くらいだが、残業代未払いが50万円以上ある」。仕事は、一日10時間 拘束(2時間休憩)で、2万5千円の売り上げ目標だが、それを達成するには2〜3時間の 残業が必要だ。上信ハイヤーでは賃金は出来高払制で、売り上げの50%を支払原資として いるが、その中に「残業代の割増分」が含まれているとして、実質的に払わない方式にな っている。

 担当の指宿昭一弁護士は「こうした残業代ゼロの歩合給制度は、運輸・交通産業で多く 採用されていて社会的に強い批判を受けている。国際自動車事件、熊本総合運輸事件では 最高裁は割増賃金支払いを命じたが、本件訴訟もそれに連なるもの。このたたかいは業界 全体を変えていくものだ」と訴訟の意義を強調した。


*上信ハイヤー本社(高崎営業所)

 会社の多数派の組合がまとまって立ち上がったことも大きい。田端委員長は語る。「昔 から組合はあったが御用組合でした。おかしいことが多すぎた。私が委員長になってから 組合を変え、職場の改善を進めてきました。残業代支払いの交渉はずっと続けてきました が、らちがあかず今回の提訴に踏み切りました」。会社からは、「組合員への伝達のため の社内便を使わせない」などの嫌がらせがあるが、組合は負けていない。高崎から東京に 乗り込んできた3人の組合役員の表情には、なんとしても勝ちたいという意気込みに溢れ ていた。(M)

→上信ハイヤー労働組合 高崎市江本町118-2 027-322-1212


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