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イスラエルのAIによる爆撃ターゲットがガザに大量虐殺の "工場"を生み出した
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小倉利丸です。イスラエルの​+972 MagazineとLocal Callという二つのメディアの共同調査 レポートが話題になっています。このレポートはぜひ読んでみてください。とはいえこの レポートは長いので、以下ここには、Common Dreamに掲載された紹介記事の訳を掲載しま す。 レポートによると、あたかも無差別空爆のように見えているガザへのイスラエルの攻撃で すが、AIを駆使して民間人や子どもの犠牲もかなり正確に予測したうえでの確信犯として の行動だと指摘しています。このレポートでは情報源が秘匿されているので信憑性を疑いま したが、いくつかの他のメディアでも報じられていることでもあり、また、イスラエル国 防軍のAI利用についても国防軍のウエッブで確認できるので、かなり信憑性は高いのでは 、と思い紹介します。英国のガーディアンもイスラエルのAIの利用に注目した記事を掲載 しています。国防軍からのコメントとかはまだ目にしていません。 標的はAIによって作成されるようになったことで、標的を確定する情報処理能力が高度化 し、標的の数が一気に急増したといいます。無差別空爆以上に恐るべき事態だと思います 。AIのある種の機能は殺傷力のある兵器として扱わなければならないと思います。 リンクや図版などを含む訳文は下記 https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/view/CNx41YTMWO76Fy0FJY1aTHyO+8tKJoULcMWGJT8MvVU/ 原文(英語) https://www.commondreams.org/news/gaza-civilian-casualties-2666414736 +972 MagazineとLocal Callのレポートの訳 破壊を引き起こす口実「大量殺戮工場」: イスラエルの計算されたガザ空爆の内幕 https://cryptpad.fr/pad/#/2/pad/view/Sj3mKlJnR5-Y1TvT8BTz1CBPv7SakdWAhW8D-Gtw10g/ 原文 https://www.972mag.com/mass-assassination-factory-israel-calculated-bombing-gaza/ 以下Common Dreamの記事です。 ================================== イスラエルのAIによる爆撃ターゲットが、ガザに大量虐殺の " 工場 " を生み出した 「これは史上初のAIによる大量虐殺だ」とあるオブザーバーは言う。 ブレット・ウィルキンス 2023年12月01日 イスラエルが金曜日、1週間の中断を経てガザへの空爆を再開する中、イスラエルの進歩 的なメディア2社による共同調査は、イスラエル国防軍が人工知能を使ってターゲットを 選定して、ある元イスラエル情報将校が "大量殺戮ファクトリー" と呼んだ事態を実質的 に作り出しているということに新たな光を当てている。 イスラエルのサイト『+972 Magazine』と『Local Call』は、匿名を条件に、現在のガザ 戦争の参加者を含む7人の現・元イスラエル情報当局者にインタビューした。彼らの証言 は、イスラエル政府高官による公式声明、パレスチナ人へのインタビュー、包囲されたガ ザからの文書、そしてデータとともに、イスラエルの指導者たちが、どの攻撃でどれだけ のパレスチナ市民が殺される可能性があるかをおおよそ知っていること、そしてAIベース のシステムの使用が、国際人道法の下で民間人保護が成文化された現代よりも、第二次世 界大戦の無差別爆撃に似た非戦闘員の死傷率の加速度的な増加をもたらしていることを示 している。 「何ひとつ偶然に起こっていることはない」ともう一人の情報筋は強調する。「ガザの民 家で3歳の女の子が殺されるのは、軍の誰かが、彼女が殺されるのは大したことではない と判断したからであり、それは(別の)標的を攻撃するために支払うだけの価値のある代 償なのだ」 「我々はやみくもにロケット弾を発射しているハマスとはわけが違う」「すべては意図さ れてのことだ。我々は、どの家庭にどれだけの巻き添え被害があるかを正確に知っている 」と情報筋は付け加えた。 あるケースでは、ハマスの軍事司令官一人を暗殺するために、最大で数百人の市民を殺す ことになるとわかっている攻撃をイスラエル当局は承認したと、情報筋は語っている。10 月31日、人口密度の高いジャバリア難民キャンプに少なくとも2発の2000ポンド爆弾が投 下され、120人以上の市民が死亡した。 ある情報筋は、「これまでの作戦で、ハマース高官への攻撃の巻き添え被害として民間人 の死者数十人であれば許されていたのから、巻き添え被害数百人まで許されるようになっ た」と語った。 12月1日現在で15,000人以上、そのほとんどが女性と子どもである。この驚異的なパレス チナ市民の死者数の理由のひとつは、イスラエルがHabsora(「福音」)と呼ばれるプラ ットフォームを使用していることである。このプラットフォームは、その大半がAIで構築 されており、このレポートによれば、「これまでの能力をはるかに超える処理速度で、ほ ぼ自動的にターゲットを生成することができる」のだという。 このレポートの中でインタビューに答えた情報筋は、「過去にはガザで年間50の標的を作 り出すことがあった」が、AIを駆使したこのシステムでは、1日で100の標的を作り出すこ とも可能だという。 「本当に工場のようだ」と情報筋は言う。「我々は素早く作業することで、標的について 詳細に調査する時間はない。私たちは、どれだけ多くの標的を生み出せたかによって評価 されるということだ」と語った。 このレポートによると: ハブソラのようなAIベースのシステムを使うことで、軍隊は、ハマスの下級作戦 隊員であっても、ハマスのメンバーが一人でも住んでいれば住宅を大規模に攻撃すること ができる。しかし、ガザのパレスチナ人の証言によれば、10月7日以降、軍は、ハマスや 他の武装グループのメンバーが住んでいることが知られていないか、あるいは明らかにメ ンバーがいない個人宅も多数攻撃している。+972やLocal Callが情報筋に確認したところ によると、このような攻撃は、その過程で家族全員を故意に殺害することもあるという。 ある情報筋によると、10月7日以降、ある情報機関の幹部が部下に、「できるだけ多くの ハマスの作戦隊員を殺す」ことが目標であり、そのために「標的がどこにいるかを広範囲 にピンポイントで特定し、一般市民を殺しながら砲撃するケース」がある、と語ったとい う。 「これは、より正確なピンポイント爆撃をするためにもう少し手間をかける代わりに、時 間を節約するためにしばしば行われること」と情報筋は付け加えた。 別の情報筋は、「量に重点が置かれ、質には重点が置かれていない」と語った。人間は「 各攻撃の前に目標を確認するが、これは、多くの時間を費やさなにですむのだ」。 イスラエルのこの新しい政策の結果、現代史ではほとんど例がないほどの割合で、民間人 が殺され、傷つけられている。ハマス主導の攻撃でイスラエル南部で1,200人のイスラエ ル人らが死亡した10月7日以来、5万人近いパレスチナ人がイスラエル国防軍の攻撃で死亡 、負傷、行方不明になっている。300を超える家族が少なくとも10人のメンバーを失って おり、これは2014年の「Operation Protective Edge」時の15倍であると報告書は指摘し ているが、当時、イスラエル国防軍はガザへの最も致命的な攻撃で2,300人以上のパレス チナ市民を殺害している。 10 月7日の恐ろしい攻撃―イスラエルの指導者たちはその計画を知っていたがあまりにも 大胆だとして却下された、とニューヨーク・タイムズが新たに報じている―の結果の後、 イスラエル政府高官たちは、どのように報復するかを公言し、時には大量虐殺を意図する 言葉がはびこった。 イスラエル国防総省のダニエル・ハガリ報道官は10月9日、「正確さではなく、損害に重 点を置いている」と説明した。 イスラエル軍は、ホロコースト以来最悪のユダヤ人の大量殺戮に対して、1947-48年のナ クバ(大惨事)以来最悪のパレスチナ人の大量殺戮で答えたのだ。このナクバで、ユダヤ 人(その多くはホロコーストの生存者)は、現代のイスラエル国家を樹立する一方で、 15,000人のアラブ人を殺害し、75万人以上をパレスチナから民族浄化した。 イスラエル国防軍の爆弾と銃弾は、56日間でアメリカ主導の連合軍がアフガニスタンで20 年間に行ったのとほぼ同じ数の市民を殺害した。最初の2週間のイスラエルの猛攻撃で、 イスラエル軍によって投下された爆弾のほぼすべてが、アメリカ製の1000ポンド爆弾か 2000ポンド爆弾だった。今世紀、世界のどの軍隊よりも多くの外国民間人を殺害してきた イスラエル軍だが、民間人居住地域でこのような巨大な兵器を使用することは避けている 。 イスラエル軍当局者によれば、イスラエル国防軍は開戦から5日間だけで、総重量4,000ト ンの爆弾6,000発をガザに投下し、近隣地域全体を破壊したと述べた。 戦術目標や地下目標(多くの場合、民家やその他の民間建造物の地下にある)を爆撃する のに加え、イスラエル国防軍は、人口密度の高い都市の中心部にある高層ビルや住宅タワ ー、大学、銀行、官庁などの民間建造物を含む、いわゆる「パワー・ターゲット」を破壊 している。報告書の中で情報筋が語ったところによれば、その意図は、ガザを統治する政 治組織ハマスに対する「市民の圧力」を煽ることにある。 イスラエル国防軍は、ハマスやイスラム聖戦の関係者の家も標的にしているが、報告書の 中でインタビューに答えたパレスチナ人によれば、イスラエル軍の爆撃で死亡した家族の 中には、武装組織に所属しているメンバーはいなかったという。 「私たちは、ハマスのものと思われる高層ビルのフロア半分を探すように言われています 」とある情報筋は言う。「時には、武装集団のスポークスマンのオフィスであったり、作 戦隊員が集まる場所であったりする。私は、ガザで軍が多くの破壊を引き起こすことを可 能にする口実にこのフロアが利用されたのだと理解しました。彼らが私たちに語ったのは こうしたことです」。 「もし彼らが、10階にある(イスラム聖戦の)事務所は標的としては重要ではなく、その 存在は、テロ組織に圧力をかけることを狙って、そこに住む民間人の家族に圧力をかける 目的で、高層ビル全体を崩壊させることを正当化するための口実だ、ということを全世界 に言うとすれば、このこと自体がテロとみなされるでしょう。だから彼らはそうしたこと を口にしないのです」と情報筋は付け加えた。 私たちの著作物はクリエイティブ・コモンズ(CC BY-NC-ND 3.0)の下でライセンスされ ている。転載、共有は自由である。 ブレット・ウィルキンス ブレット・ウィルキンスはCommon Dreamsのスタッフライターである。 https://www.commondreams.org/news/gaza-civilian-casualties-2666414736 Toshimaru Ogura https://mastodon.social/@toshimaru rumatoshi@protonmail.com http://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/ https://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/hankanshi-info/

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