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LNJ Logo 竹信三恵子:キャバクラ労働条件調査と厚労省要請結果の報告
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みなさま

13日、キャバクラで働く当事者らによる「キャバ&バイユニオンOWLs」が、厚生労働省
に「水商売」で働く人たちへの労働条件アンケートの結果の説明と要請を行い、これに調
査協力者として同行しました。調査結果、調査についてのコメント、要請書を添付します。

調査は、情報が届きにくい業界の条件などが回答の壁になりましたが、初の当事者による
当事者の生の声の収集という点で大きな意味があったと思います。また要請では福島みず
ほ議員、石橋通宏議員、宮本徹議員の秘書の方といった超党派でのご同席のおかげもあり
かなりの成果を挙げることができました。

要請では、労働基準監督態勢の強化とともに、風営法の許可要件に労基法の遵守を盛り込
み、違反した場合は営業停止を行うなどの措置があれば、経営側の労基法への意識を大幅
に高めることができ、アンケートに表れたような無法状態を改善できる、と提案しました。

このような風営法改正の前段としてとりあえずは通知や指針などの形でキャバクラ業界に
労基法遵守を明確に求めてほしいというユニオンの要請に対し、厚労省側からは「検討し
て議員を通じてなんらかの回答をする」という答えがありました。また、要請の場には風
営法による規制を担当する警察庁も参加し、「業界にはあらゆる法令遵守が求められ、厚
労側から何らかの処分が出れば営業停止もある得る」としつつ、風営法は「善良の風俗と
清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する」ことが
目的であって、労基法遵守はこの目的に含まれるのか、という疑問が呈されました。これ
に対し、労基法遵守は「善良の風俗」に必須、とするユニオン・議員側と議論になりまし
た。とはいえ、「あくまでも個人的見解」としてではありましたが、業者の管理責任者の
研修会などで労基法の遵守を要請するといった案も考えられる、という意見も警察庁側か
ら述べられ、今後につながる一歩となったと思います。

ユニオン側の主張の支えとして竹信からは、女性の雇用の不安定化・低賃金労働化の中で
、生計費補填のための副業先としてもキャバクラでの労働に従事する層は広がっており、
そこでの労基法遵守は極めて重要であること、ILOの「インフォーマル経済の労働条件を
改善できるように労働基準監督制度の拡充」を求める動きにも見られるように世界的課題
でもあること、について補足しました。

報道も共同通信の配信によってさまざまな紙面に掲載されました。

https://www.sanspo.com/article/20231113-MTB7A5LZORKO5EJ6JXNBRY2IUQ/

https://jp.reuters.com/article/idJP2023111301001079

などです。

労働改革は、脆弱な女性非正規労働の労働権の保護から始まると考えてきましたが、その
一歩にはなったように思います。

ジャーナリスト・竹信三恵子

Created by staff01. Last modified on 2023-11-19 18:40:55 Copyright: Default

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