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圧倒的感動を呼んだ「日本人 オザワ」/レイバーフェスタ140人の聴衆を魅了
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圧倒的感動を呼んだ「日本人 オザワ」〜レイバーフェスタ140人の聴衆を魅了

動画(3時間半)(一部カット版)

 12月16日の「レイバーフェスタ2023」(港区産業振興センター大ホール)は、各種イベントの「集中日」にもかかわらず、140人が参加し終日にぎわいました。韓国KBSドキュメンタリー「日本人 オザワ」、音楽「いなのとひら・のとこば」、「川柳 佐高信」、「ジョリモーム路上コンサート」、「三分ビデオ一挙上映」など、豪華プログラムでした。とくに国際連帯を生身で描いた「日本人 オザワ」に感動が広がりました。

感想レポート(白石孝)

<日本人オザワ>
 パーフェクト!な作品でした。それは、日本でも社会的にはほとんど知られていない、日本企業が海外進出先韓国で起こした企業の無責任、犯罪的な解雇、市場撤退などに対して、当該労働者が日本への「遠征」、日本企業との交渉や追及行動に連帯する日本の労働者・市民の姿を描いている映像だ。
 この記録を韓国の「公共」的放送局が放映するという。韓国では倒産、解雇などに対して、労働者、労働組合が激しく闘うことは知られている。現在の尹錫悦大統領が労働運動や市民運動に激しい弾圧を加えていることからも分かるように、労働運動への評価は、民主・進歩支持と保守支持とでは真逆だが、それでも労働運動は社会的勢力の一翼を占めている。しかし、日本では闘う労働運動そのものがほとんど知られていない。連合会長が自民党政権や財界と仲良くしているイメージの方が強いほどだ。

  *上映後スピーチする尾澤夫妻
 日本側の連帯闘争をKBSは「日本の市民団体」と表現している。実際には墨田区、葛飾区など東京東部下町の地域で労働運動に関わっている人たち、そして全労協や全統一、東水労など官公労の労働者が参加しているが、「市民」との表現になっている。
 アメリカには「Jobs with justice」という「市民」が「労働運動」を支援、連帯する運動はあり、10万人以上が加入している。会員資格のひとつに「年間5回以上の連帯行動に参加」というのがあるそうだ。KBSはそういったイメージとして捉えているのだろうか。
 印象に残ったシーンは、2人の食事風景、韓国の工場内での歌と踊り」「スミダ闘争以降の当該労働者が当時を振り返って語るインタビュー」だった。
 そしてこのドキュメンタリーは、私たち日本の労働者、市民に対して、「国際連帯」「労働者同士の連帯」「運動に参加する」という行動の具体性を映像で示した。告発、暴露、抗議、啓発でなく、参加を身近に描いたのだと思う。
<他の企画>
「ジョリモーム路上コンサート」(写真下)は初めて見ましたが、すごい、圧倒されました。これが20年前とは思えないほど、今に通じる内容に驚きました。路上パフォーマンス、日本でも散見されますが、このレベルのものが出来ないでしょうか。韓国の集会もそうですが。歌や踊りが重要な構成要素になっています。演説ばかりの日本の集会を前から変えたいと思っていました。

●堀切さとみ
 よくぞこんなに来てくれたものだと思うほど、賑やかな会場になりました。「日本人 オザワ」すばらしかった。涙が止まらなかったです。手拍子や掛け声や笑いが起きて、高揚感が半端じゃなかった。韓国の運動はパワーが違う。そう思っていましたが、それを支えたのは日本人だったと。不安だらけの遠征闘争を闘えたのは、尾澤さん夫妻をはじめとする多くの日本人の支援のおかげで、死んでも忘れられないと。韓国KBSが尾澤さん、そして日本の運動をリスペクトしているかが伝わりました。敗れることも多いけど、人生は捨てたもんじゃない。本当に、たくさんの場所でみてほしいです。
 日韓連帯もそうだし、パレスチナ連帯も。国境を超えて思いを寄せあい、信頼関係を築くこと。これこそが「生きててよかった」と思えることなのではないかと、フェスタ全編を通して感じました。三分ビデオは、NPAアカデミーで三分ビデオ講座をやり、新しい人の作品が増えて、それもまたよかったと思います。当事者が作り手になるメディアとして、これからも続けていきたいです。帰宅して、朝日新聞の夕刊をみたら一面トップに「川柳熱心遊びは世代超え」という記事がありました。レイバーネットは時代の先端を行っているのかもしれません。フェスタがいつまでも続きますようにと願ってやみません。
川柳報告はこちら

●志真秀弘
 フェスタはオンライン参加でした。「日本人オザワ」には感動しました。〈国境を越えた たたかいと愛のドラマ〉です。川柳応募が爆発的に増え、3分ビデオが見事に2023の現実を捉えていたことなど、内容の充実には目を見張りました。ここにも変化の兆しがあらわれていると確信しました。

●Iさん
 尾澤夫妻の日韓連帯闘争の歴史は、1989年の韓国スミダの解雇撤回闘争から始まり、韓国山本、韓国シチズン、韓国サンケン、韓国ワイパーと、遠征闘争で来日した労組・労働者に寄り添いながら闘ってきたのでした。今、映像を観ても、会社への怒りがわいてきます。とにかく、尾澤孝司さんと邦子さんの若かりし頃に出会えたのが最高でした。私も、わずかですが、お二人とともに闘いに参加できたことを誇りに思います。

●長谷川澄
 配信のおかげで、モントリオールで、レイバーフェスタを見ることが出来ました。本当に良かったです。特に、尾澤さんご夫妻のドキュメンタリーに心打たれました。尾澤さんは、韓国語がお上手で良いな。どういう背景で学ばれたのだろうとずっと思っていたのですが、韓国の労 働運動を日本で支援するために、留学までして学ばれたのだと知り、驚きました。このようなドキュメンタリーを作ってくれるほど韓国の人々の心の中に入っての活動が出来ていることを多くの政治家に見せてやりたい。小澤さんの裁判を担当している裁判官たちに何とか見せる手段はないものかと思ってしまいました。川柳や3分ビデオもとても良かった です。2次会も楽しそうで、いつか参加したいなと思いました。松原明さんが陽気にしていらっしゃる様子を見て、とても嬉しかったです。木下昌明さんのお姿のないのだけが残念でした。(カナダ・モントリオール在住)

<写真レポート>

↓音楽コーナー

↓三分ビデオスピーチ


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