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LNJ Logo 尾澤裁判 : キムウニョンさんが証言/「公正と正義が生きていることを見せてください」
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●4.26第6回尾澤公判報告(尾澤邦子)

キムウニョンさんが証言〜「公正と正義が生きていることを見せてください」


*証言したキムウニョンさん

 雨降る4月26日朝8時半、さいたま地方裁判所前には韓国から、また北海道や大阪からも 傍聴者が駆けつけました。事前集会では大阪全労協や、元韓国サンケン労組のオ・ヘジン 支会長,日本資本と闘う韓国ワイパー労組のチェユンミ分会長などからあいさつがありま した。大法廷での公判を希望する511人の署名を刑事3部金子大作裁判長と、吉村真幸裁判 所長あてに4月19日に提出しました。韓国のKBSテレビの撮影もあり、もしやと思っていま したが、やはり一顧だにされませんでした。1時間前の傍聴整理券配布には73人、遅れて 到着した方もいましたので約80人が並んで傍聴を希望しましたが、中法廷(44人)での開 廷でした。

 午前10時から開廷した裁判の冒頭、裁判官二人が交代したこともあり、尾澤孝司さんか ら「更新意見陳述」が行われました。尾澤さんは、この裁判は社会的な関心も高く、傍聴 希望者も多いのに大法廷ではなく中法廷で行われていること、傍聴整理券の交付を1時間 前にしていること、傍聴人に対する酷い予断と偏見をもって訴訟指揮が行われていること などに対し、強く批判し是正を求めました。また逮捕起訴の不当性と、この件が労働争議 であり、正当な組合活動であることを主張しました。そして、公正公平に審理し、無罪判 決を宣告するよう求めました。


*署名を手にする尾澤孝司さん

 キム・ウニョンさんと法廷通訳二人が入廷し、宣誓しました。上野弁護士が主尋問に立 ち、まずウニョンさんが韓国サンケン労組の元解雇者復職闘争委員会議長であり、韓国の 130万人労働者を組織する民主労総の副委員長の立場で話すことを確認。第一次の日本遠 征闘争で尾澤さんと全面的に一体となって闘いに取り組んだこと、またその時のエピソー ドなどが語られました。そしてサンケン本社が依頼した韓国の弁護士が代理人となって組 合側と合意し、解雇された組合員の復職が認められたこと、合意書で、今後の雇用問題に ついては労働組合との合意が必要だとしたことが話されました。


*法廷のイラスト

 2020年7月9日、サンケン本社のHPで韓国サンケンの会社解散・全員解雇を知り、始まっ た第二次韓国サンケン闘争。日本の全労協や中小労組政策ネットワーク、サンケン本社の 労組が加盟するJCM労組などに支援要請し、「韓国サンケン労組を支援する会」が結成さ れたこと、コロナで日本に行くことができず、日本側の支援が必要だったことなどが語ら れました。支援要請で、活動に必要な全てのことを依頼したと言っていました。「支援す る会」の木曜行動では、12人の組合員がインターネットを通じて闘いの正当性、厳しさを 訴え、社長が話し合いに出てきてほしいと訴えたこと、支援する会とは、必要に応じて電 話やメール、フェイスブックなどで随時連絡を取り合い、お互いの活動状況を常に把握し ていたことも話しました。

 そして、「2021年5月6日に慶南地方労働委員会から『和解勧告』が出されたが、韓国サ ンケンの元社長は居所がわからず連絡できなかった。フェイスブックや地方の新聞報道で 状況を伝えた。5月10日の尾澤さん逮捕は、その直後に知った。尾澤さんがサンケン本社 に話し合いを求めたことはとてもありがたく思ったが、なぜ逮捕なのか驚いた。すぐに出 てくると聞いていたが、長くなり、抗議声明を発表したり、国会議員に嘆願書を書いても らったり、日本大使館前で抗議したりした」と話しました。


*報告集会

 第二次韓国サンケン闘争は、2022年7月6日に韓国サンケンが和解に応じました。そのこ とについて、「7か月半も勾留され、がん闘病中のお連れ合いの看病もできず、申し訳な く、裁判が続いているのに解決できない」と、この刑事事件について韓国サンケン側に嘆 願書を書いてもらったことを話しました。その内容は、「この事件は、韓国サンケン(株 )の清算過程で労使間に起こったことにより発生した」「尾澤孝司について法の許諾する 最大限の善処をお願いいたします」というものでした。

 「最後に述べておきたいことがあったら」と弁護士に促され、ウニョンさんは「尾澤さ んが勝手にやったことならば、130万人の労働者組織である民主労総が尾澤さん夫妻に感 謝の盾を贈ることはありません。尾澤さんは30年を超えて献身的に、貧しい労働者、不当 な扱いを受ける移住労働者のために闘ってきた人です。逮捕当日の映像を見ましたが、こ れが暴力というのかと思いました。法は万人にとって公平公正なものです。法の名をもっ て公正と正義が生きていることを見せてください。事実に真摯に目を向け、無罪判決を出 すよう求めます」と静かにまた力強く語り、感動的でした。


*報告集会

 浅野弁護士と荒木弁護士から補足質問があり、民主労総から尾澤夫妻に贈られた感謝の 盾は、民主労総の中央執行委員会と16の地域本部全ての会議で話され決定した公式のもの であること、また会社との合意には日本のサンケン本社が依頼した韓国の弁護士が出てき たことなどが明らかにされました。

 昼休みをはさみ、午後1時半から検察側の尋問がありました。検察官も今までの緒方と いう女性の検察官ではなく、男性の長谷川という人に交代していました。検察官からは、 「和解勧告があって和解できなかったのか」とか、「支援要請には被告人たちが代理人と してテーブルにつくことは書いてない、日本の社長と交渉してほしいという委任状は出し たのか」など「委任状」についてしつっこく聞いてきました。ウニョンさんは「支援要請 では、『その他必要な事項』として包括的な支援をお願いしていた。本社前でのオンライ ンでも直接交渉を要請していたし、1年近くにわたって主張していたので、わざわざ『委 任状』を出す必要がなかった。私たちの要求を『支援する会』の人たちはよくわかってい た」と話しました。

 また検察官は、韓国サンケン稼働時の労使協定を持ち出して、「団体交渉がこの通りに 行われていない」とか、「日本の労働委員会に解雇について不当だと提出したのか」など 、的外れな質問をしていました。

 弁護側からの補足質問でウニョンさんは、「日本のサンケン本社社長に何回かにわたっ て、解決に臨んでほしい、日本の支援者と話してほしい旨の手紙を書いた」ことなど話し ました。そして「韓国サンケンの社長から、会社解散は日本のサンケンが決定したことな ので抗うことはできない」と言われたことも明らかにしました。陪席裁判官からも、全労 協への要請や、被告人との出会いについてなど質問があり、ウニョン証人は、しっかり答 えていました。

 尾澤さんの意見陳述のあとや、ウニョンさんの証言に傍聴席から拍手がありましたが、 退廷者はありませんでした。KBSの取材があったためか、監視廷吏の数もいつもの半分で した。

●公判報告集会のレポート

裁判の流れが変わりつつある

 4月26日午前10時から、さいたま地裁で第6回尾澤公判が行われ、元韓国サンケン労組解雇者復職闘争委員会議長で、現在民主労総副委員長のキムウニョンさんが証言に立ちました。ウニョンさんは、韓国サンケン闘争の正当性と尾澤さんの無罪を明らかにしました。

 公判終了後、午後6時から浦和駅近くの埼玉会館にて報告集会が行われました。

 司会は韓国サンケン労組を支援する会の共同代表で東京全労協の中原純子さん。全労協議長の渡邊洋さんが主催者あいさつを行いました。渡邊さんは、キムウニョンさんが海を越えて裁判の証人として来てくれたことに感謝の意を述べました。そして「労働者・労働組合の正当な意思表示に対する不当な仕打ちに対して、決してひるまない闘いを全体で進めていく必要がある」と話しました。

 裁判報告は、支援する会の深沢さんが行いました。深沢さんは「検察は単純な暴力事件にしようとしたが、今回のキムウニョンさんの証人採用で裁判の流れが変わりつつある。次回5月17日の尾澤さんに対する被告人尋問で勝利に向かうことができると思った。今日のウニョンさんの証言で、尾澤さんは労働争議の一環として申し入れを行った。労使問題であることが明らかになった」と報告しました。

 尾澤裁判の証人として韓国から来てくれたキムウニョンさんから報告がありました。ウニョンさんは、2016年遠征闘争で日本に来た時から今までの、日本の支援者に対しての思いを感慨深く語りました。そして「私たちは家族のような関係で一緒に過ごしました。連帯闘争というのはこういうものだということを学びました。連帯・支援という関係を超えて私たちはひとつでした。このような関係のなかで『委任状』なんて必要でしょうか。裁判にあたりいろいろ考えました。どんな言葉を使えば私たちの真実を伝えられるのか、そして尾澤さんの無罪が勝ち取れるのかと。サンケン闘争は交渉で終わったわけではありません。尾澤さんの裁判が終わらなければ、この闘いは終わったとは言えません。私たちの闘いは続いています」「東北アジアの平和をつくるために闘っている労働者・市民を、抑え込もうとするのが日韓の政府側の狙いだと思います。日本と韓国の労働者は平和のために、そして真実のために、今後も連帯を深めていきましょう。日米韓軍事同盟に反対し、合同軍事演習に反対し、朝鮮戦争70周年を平和の70年にするために、力を合わせましょう。私たち労働者民衆が力を合わせればできると思います。その道に尾澤さんの無罪があると思います」など語りました。とても感動的なウニョンさんの話を久しぶりに聞いて感激しました。

 次いで、ノレの会とゆいの会のリードで「朝露(アッチミスル)」を韓国語で歌いました。


*韓国ワイパー労組チェユンミ分会長

 愛知県にある螢妊鵐宗嫉駛椶噺什瀑争中の、韓国ワイパー労組チェユンミ分会長が登壇しました。韓国から、「尾澤裁判を支援したい」と傍聴に駆けつけてくれました。ユンミさんは「今日尾澤さんの裁判を見て、不当な国家暴力のことや、私たちの職場で起きた警察による尹政権の弾圧についてなど考えました。闘う労働者民衆に対する弾圧は、日本も韓国も同じだと感じました。3月15日(注:尹大統領が来日して岸田首相と日韓首脳会談を行う前日)、私たちの工場の機械搬出をめぐって警察がなだれ込み、大勢の組合員がケガをしました。韓国ワイパーの問題と関連して螢妊鵐宗舎楴劼鳳鸚闘争を行ったことがありますが、その時日本のみなさんが見せてくれた闘いは、すばらしいものがありました。このように直にみなさんにお会いして、心を通わせ話し合い、闘うことがどういうことかわかりました」と話しました。  韓国ワイパーの問題も、韓国サンケン同様、労働組合との協約がありながら、一方的に日本の資本による勝手な工場処分・全員解雇が通告された問題です。現在の闘いについて報告がありました。解雇禁止の仮処分申請を行ったが、裁判所で労組の正当性が認められ、解雇するなとの判決が出たとのこと。ユンミさんは「日本のデンソーに対する遠征闘争の成果で、交渉にデンソーが出てくるようになった。4月15日には韓国の労働部が仲介に立ち、デンソーコリア、デンソーワイパーシステムズ、韓国ワイパーの会社側3社、労組と雇用労働部を含めて5者協議が行われた。会社側は慰労金でこの問題の幕引きを図ろうとしている。しかし解雇の問題については、親会社のデンソーに責任を取らせること、そして、金属労組ワイパー分会を維持するということを原則として解決したいと考えている。現在209人の組合員が会社に残って闘いを続けている。日韓連帯に恥ずかしくないよう、必ず勝つということを信じて最善を尽くすことを約束したい」と話しました。

 ユンミさんとウニョンさんへの質疑応答の後、尾澤孝司さんがあいさつしました。「今日の裁判で、韓国サンケン労組の闘いの正当性と、私の逮捕が不当であったことが明らかにされた。次回の被告人尋問では、地労委の勧告を伝えようとしたことは労働運動として正当な行為だということを明らかにしたい。あまりにひどい訴訟指揮・傍聴制限を打ち破りながら、無罪判決を勝ち取っていきたい。5月10日、逮捕2周年になる。この日を糾弾して裁判所への要請を4時から行い、5時から浦和駅頭で情宣行動を行う」と行動への呼びかけと決意の表明が行われました。

 最後に、韓国サンケン労組を支援する会共同代表で、韓国良心囚を支援する会全国会議代表の渡辺一夫さんから閉会の挨拶がありました。「逮捕、勾留、裁判は精神的にも肉体的にも大変な苦労だ。支援し、尾澤さんの無罪を勝ち取る運動をさらに強めていこう」と訴えました。

 韓国KBSテレビのイホギョンプロデューサーが、朝から丸一日取材をしていました。尾澤裁判を判決まで見届け、秋には、日韓の連帯闘争、韓国スミダ闘争から始まった日本遠征闘争についてのドキュメントを制作する予定とのこと。どんな番組ができるのか楽しみです。

<今後の尾澤裁判の日程>
第7回 5月17日(水)10:00〜17:00 被告人質問
第8回 6月20日(火)10:00〜12:00 論告求刑、最終弁論
第9回 判決(未定)


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