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トルコ大地震で避難してきたクルド人を助けて! 入管法改悪反対!

松本浩美

 3月21日、さいたま市の秋ヶ瀬公園では華やかなコスチュームに身を包んだ老若男女がダンスに興じていた。クルドの新年の祭りネブロスだ。毎年春分の日に開かれていたが、コロナ禍のため2020年から昨年(22年)まで中止。しかし、コロナも落ち着きを見せた今年は、4年ぶりの開催となった。待望していたお祭りとあって、たくさんのクルド人が集まった。おそらく1000人は超えていたのではないか?

 国を持たない最大の民族クルド人は、トルコ、シリア、イラン、イラクにかけて居住。各国でマイノリティとして扱われている。日本では、主に埼玉県川口市と蕨市を中心にトルコ国籍者約2000人が住む。トルコでの差別・迫害から逃れてきた人たちだ。

 しかし、来日するようになって約30年経つものの、難民認定されず、昨年になってようやく北海道に住む1人が認定され、話題になった(注)。

 難民として認められなければ、在留資格のないまま生きるしかない。働くこともできず、社会保障制度および公的支援からも排除され、苦しい生活を余儀なくされている。それでもどうにか助け合って暮らしてきたが、2020年に始まったコロナ禍はクルドコミュニティを直撃、生活困窮者が続出し、路上に放り出されるケースも出た。

トルコ大地震で日本へ避難。帰国できないクルド人

 そのクルドコミュニティがさらなる困難に直面している。

 1つは2月6日に起こったトルコ・シリア大地震である。被災地域はまさにトルコの東部、日本に住むクルド人の出身地である。

 在日クルド人によれば、トルコ政府によるクルド人集住地域への救助や支援は遅れていて期待できないという。甚大な被害と先の見えない不安から、日本にいる親せきや知人を頼ってトルコから避難するケースが増えているというのだ。

 そこで「日本クルド文化協会」「在日クルド人と共に HAVAL」ほか支援者は、募金活動をはじめとする現地への支援を行っている。さらに、難民問題に取り組む国会議員とともに、日本へ避難してきた人たちの救済、日本に留まっていられるよう特例措置として在留資格と就労を認めることを、政府(入管庁)に対して要請。合わせて、日本で長く暮らしているクルド人についても、同じように配慮することを求めている。

 2つ目は、今国会で予定されている入管法の改悪である。2021年3月名古屋入管収容施設で起こったスリランカ人女性・ウィシュマ・サンダマリさんの死亡事件や、市民の抗議により廃案になったものの、政府はしれっと再提出してきたのだ。

 内容は21年とほとんど変わらない。複数回難民申請すると、その後申請中であっても強制送還が可能になり、拒否すると刑事罰が科される。監理人という制度をつくり、仮放免者を監視させ、動向を報告させる。

 これまで誰一人として川口・蕨に住むクルド人は難民認定されていない。複数回難民申請するケースは多い。この法案が通ってしまったら、ただでさえ脆弱なクルドコミュニティは崩壊する恐れがある。

 日本でしか暮らせない難民を追い返し、犯罪者に仕立てあげようとする残酷な法案。この稀代の悪法に対して、すでに各地で反対運動が取り組まれている。粘り強く抗議の声を上げて、何としてでも廃案に追い込みたい。

 入管法改悪反対! 帰国できないすべての外国人に在留資格を! 
*2021年5月議員会館前で抗議のシットイン。マイクを持つクルド人男性デニズさんは、入管収容施設で職員から暴行を受け、国家賠償請求訴訟を闘っている


*2021年5月議員会館前

注:https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220809/7000049459.html


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