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ベトナム人元技能実習生リンさんの訴え:孤立死産事件で最高裁弁論

浅井健治(同氏のFBより)
ベトナム人元技能実習生レー ティ トゥイ リンさんが、死産した双子を遺棄したとして死体遺棄罪に問われている裁判できょう(2月24日)、最高裁判所の弁論が開かれました。一審・二審の有罪判決が見直される可能性大です。
以下は、午後6時から衆院第一議員会館で行われた「無罪判決を求める院内集会」でのリンさんの発言全文です。

−ここから−
きょうお集まりいただいた皆さん、私はレー ティ トゥイ リン、24歳です。
私は絶対に双子の子どもたちの体を傷つけたり、捨てたり、隠したりしていません。事件当日、2020年11月15日当時、精神的にも肉体的にも非常に苦しかったです。しかし、私は子どもたちのためにできる限りのことをしようとしていました。母親の愛情で、私は丁寧に茶色の箱に白いタオルを敷いて、二人の子どもを寝かせ、子どもに手紙を書きました。子どもたちが寒くないように、もう一つ白い箱を使って、棺のようにセロハンテープで止めました。そして、ドアの近くにある低い棚の上に安置しました。そこが部屋の中で一番ふさわしい場所でした。
私が2020年11月19日に警察に逮捕されてから2年3か月以上が経過し、ようやくこの日を迎えました。2022年12月9日に最高裁判所から弁論を開くという通知を受け取ったとき、これまで無罪と言い続けてきた私は、希望の光が見えたようで本当に心からうれしく思いました。

きょう最高裁の弁論を傍聴して、最高裁の裁判官には、弁護士の弁論に耳を傾け、無罪判決を言い渡してほしいと願っています。なぜなら、私は死産した双子の遺体を傷つけたり、放置したり、隠したりしていません。また、最高裁の判決が私のためだけでなく、私と同様に妊娠を誰にも言えずに苦しんでいる技能実習生や一人で子どもを出産せざるを得ないすべての女性のためにも、無罪判決が言い渡されることを願っています。

きょう集まられた支援者の皆さん、本当に心より感謝しています。私が逮捕され、犯罪者として大きく報道され、また、インターネット上でいろいろ嫌なことを書き込まれて、それらを見るたびに何度も心が苦しめられていたとき、私の無罪の主張を支持し、本当に心から支えていただきました。それまで何度も苦しくて折れかけた心がその支援によって慰められ、励まされて勇気をもらい、希望を見出すことができました。本当にありがとうございました。

きょう集まられた国会議員の皆さんへ、日本には私のように誰にも相談できず、苦しみ悩んでいる多くの技能実習生が働いています。日本に来ている私たち技能実習生は、監理団体や実習先を政府が指導し、保護されることを望んでいます。監理団体や実習先に妊娠を相談しても、中絶を求められることや帰国させられることのないようにしてください。そして、妊娠しても隠さないで相談でき、安心して出産し、再び日本で働くことのできるようにしてください。なぜなら、私や外国人技能実習生は、働くだけの機械ではなく人間であり、女性であるからです。

最後に、私と同様に、妊娠して悩んでいる外国人技能実習生や女性らの苦しみを理解して、このような女性を捕まえ、有罪として刑罰を加えるのではなく、相談でき、安心して出産できるような環境に保護される社会に変わってほしいと思います。まだ無罪判決を得ているわけではありませんが、私に無罪の判決が言い渡されることを期待するとともに、私の裁判をきっかけに、より良い国になることを期待します。ありがとうございます。今後とも、ご支援をよろしくお願いします。
−ここまで−

なお、この事件に関する週刊MDSの記事が以下にあります。
《ベトナム人実習生リンさんは無罪/裁かれるべきは技能実習制度だ/死産児“遺棄”事件 最高裁に署名提出/支援集会に200人超》

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