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戦争の危機を止めるために!〜高井弘之さん「憲法」講演会

尾澤邦子

 1月29日(日)午後2時から、東京・葛飾区のかつしかシンフォニーヒルズで「東アジアの平和 と日本国憲法〜だれが戦争をのぞんでいるのか〜」と題して、ノーモア沖縄戦・えひめの 会の高井弘之さんが講演しました。

 まず、今どういう状況になっているのかということで「東アジアでの戦争の危機」が話 されました。この数年間で、沖縄・琉球弧には次々と自衛隊の地対艦、地対空ミサイルの 部隊が配置されています。中国大陸に沿って、九州から馬毛島・種子島、奄美大島、沖縄 本島、宮古島、石垣島、与那国島。対中国の日米共同作戦計画は、島を戦場にして住民を 犠牲にするものです。

 2021年10月、沖縄南西の海空域で日本、米国、英国、オランダ、カナダ、ニュージーラ ンドの6か国の海軍艦艇計17隻が参加して、合同軍事訓練が行われました。このことに関 し琉球新報は社説で「沖縄周辺の海と空で、臨戦態勢と言えるほどの軍事行動が繰り広げ られている」と「南西海域の緊張高めるな」と書いています。しかし同じ日の朝日新聞の 社説は「・・・中国軍が戦闘機などの動きを活発化させている。台湾に近い空域にまで多 くの軍用機を侵入させ、不安を高めている」として「中国の脅威」を書いています。日本 に住むものにとっては、「中国が悪い」と刷り込まれてしまいます。

 高井さんは、その背景にあるアメリカの「国家安全保障戦略報告書」(2017年)と「米 国家の欲望」について話しました。そこには「中国とロシアはアメリカの力、影響力及び 利益に対抗し、アメリカの安全と繁栄を犯そうとしている」「米国が支配力を得るために は、米国の軍事的強さはこれまでも、これからも不可欠な要素である。統合軍は、米国の 決意と約束を行動で示し、我々の重大な利益の脅威となるあらゆる紛争に対して戦い、勝 利する能力を我々に提供する。米国は、勝ち続けなければならない」と書かれています。 「統合軍」とは、自衛隊やNATOと米軍との統合した軍隊のことです。日本は米軍にしっか り取り込まれています。中国に追い越されまいとするアメリカの欲望が、日本の防衛費増 大になるわけです。

 さらに、「国家の安全保障」対「民衆の安全保障」について、「国(の主権)を守る」 とはどういうことか、国を守るために市民が犠牲になっている現実、国家が市民・民衆の 安全を侵害している事実を話しました。「国家の安全保障」として社会保障が削られてい ます。高井さんは「平和的生存権、人々の生きる権利を保障するのが憲法であり、国家は その義務を負っている」と話していました。そして、「東アジアの平和は実現できる。日 本政府の対応を変えればいいのだ。アメリカにしがみつかない、NATOとは協力しないなど 。日本が関わらなければ戦争はできない。日本の150年の歴史は欧米とともにアジアを侵 略してきた。アジアの戦争推進勢力だった。困難でも、今の政府の方向を変えるために、 そして戦争の危機を止めるためにがんばりましょう」と話してくれました。

 聞きたいことをしっかりと話してくれたし、とても納得できる話でした。参加者は年配 者が多かったけど、もっと若い人たちに聞いてほしい内容だと思いました。これから近い 将来、起こりうる戦争を阻止するために、力を合わせたいと思います。


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