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〔週刊 本の発見〕『死者の恨(ハン)・生者の恥辱(ツゥルゥ)−私と死者との出会いー』 | ||||||
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侵略戦争の歴史を掘り起こす『死者の恨(ハン)・生者の恥辱(ツゥルゥ)−私と死者との出会いー』(講述・林伯耀/日中草の根交流会/300円/2021年8月刊) 評者:佐々木有美
林さんは、1939年に京都に生まれた。幼いころには「チャンコロ」と呼ばれ苛められた。支援活動を始めたのは戦後40年余りを過ぎた1987年。花岡事件の被害者との出会いがきっかけだった。戦時中、日本に強制連行された中国人は4万人。戦後ずっと置き去りにされてきた問題の一つだ。秋田県・花岡には986人が連行された。1945年6月、過酷な待遇に蜂起した中国人に対し、当局は官憲をもって弾圧し、419人が虐殺された。林さんは、この時の加害企業・鹿島建設に謝罪と賠償を求める原告を支え、2000年に和解を勝ち取った。この成果は、西松和解、三菱和解とつながり、強制連行問題解決の突破口となった。*写真=林伯耀さん
本書には「慰安婦」という言葉が使われていない。その理由を林さんは、彼女たち(中国人被害者)は、いわゆる日本軍の慰安所で被害を受けたのではないこと、もっと大事なのは、性暴力行為を「慰安」と呼ぶこと自体が女性の人格を否定することであり、尊厳を蹂躙することではないかと述べている。
「…だが、我らが郷土を軍靴で踏みにじり、二千万の不条理な死を強要したこの国は、この国の指導者は、今に至るもその事実を素直に認めようともしないし、謝罪もしない これでは異境に死んでいった貴方がたは永遠に目をつぶることもできない ナショナリティーを超え、一人の人間として過去と向き合う林さんの姿に胸を打たれる。戦後76年が過ぎようとしているいま、中国敵視政策がきわまっている。日本は中国、中国人に対して、朝鮮やアジアの人々に対して何をしてきたのか。その歴史上の事実さえ、歪められ忘れ去られようとしている。問われているのはわたしたちである。 ※本書の購入は、下記へ、郵便番号・住所・氏名・電話番号を明記の上、電話またはメールで申し込んでください。 <日中草の根交流会>電話:090−8829−2109(山内)メール:nanjingpeace@gmail.com *「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・志水博子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美・根岸恵子、黒鉄好、加藤直樹、ほかです。 Created by staff01. Last modified on 2022-01-27 11:12:06 Copyright: Default |