本文の先頭へ
LNJ Logo レイバーネットTV177号報告 : 目に余る司法の横暴 黙らない市民たち
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1207hokoku2
Status: published
View


目に余る司法の横暴 黙らない市民たち

東京オリンピックの談合など、お金にまつわる不正が暴かれてきた今、五輪に反対表明を しただけで、逮捕・有罪判決を受けた人がいる。政府の決めたことに反対表明をしてはい けないのか?本人の自主的な闘いとその裁判を支える人たちの訴えに、元気をもらったス タジオだった。      報告:笠原眞弓 ■レイバーネットTV・第177号放送  レイバーネットTV・第177号放送  2022年12月7日                     アーカイブ:https://www.youtube.com/watch?v=txIgw__ZHYw 企画・司会: 根岸恵子 ゲスト:黒岩大助(本人)、山本志都 (弁護士)、井上森(救援会) 東京オリンピックはまだお金をめぐる犯罪の火がくすぶり続けるなか、当時の市民に対す る弾圧については、たった1回コラム記事として報道されたのみで、ニュースとしての報 道はない。市民がオリンピックに反対することは、当然の権利なのに、それが弾圧された 事件を本人と共に検証する。 ◆爆竹を鳴らしたのはなぜ? 2021年7月に五輪聖火リレーセレモニーが行われた武蔵野競技場前で「五輪反対」と正当 に抗議して黒岩大助さんが小さな爆竹を鳴らした。誰も怪我せず、一般の人が驚くことも なかったが彼はその場で逮捕され、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。 黒岩さんの動機は、コロナバンデミックの中、多くの反対者がいるにもかかわらず強行 したこと、また競技場建設のため野宿仲間がねぐらを追い出されるという弾圧を受けたこ とに対する抗議だった。 ◆拘置所・留置所は人権無視の巣窟
逮捕後そのまま139日もの留置所(警察署内)・拘置所(起訴後)で過ごすが、それらは 不潔なところだったという。そこでの障がい者に対する処遇のひどさ(補聴器・歩行困難 などに対する無配慮)があり、本人も重大な人権侵害だという。逮捕者が自分のしたこと の否認、隠蔽の恐れなどがある場合は拘束期間が長くなるのだが、黒岩さんにはそれはな い。にも拘らず長期拘留したのは、人質司法の最たるものだと山本志都弁護士。 ◆「威力業務妨害」とは 山本さんは、続けて一般の人が「威力業務妨害」で逮捕されることはあり得ないこととい う。業務といえば、ほぼすべてのことは業務である。ところが、前々回のTV(175号サブ 企画)「韓国サンケン弾圧事件・尾澤孝司裁判」であったように、この法律は実害がなく ても成立するもので、権力者にとっては使い勝手のいい罪状とのこと。 山本さんは2004年に、自衛隊のイラク派遣に反対するビラまき事件の弁護団に加わってい て、その経験から次のように話す。住居侵入罪で起訴されたが、憲法学者の奥平康弘氏は、 このような使い勝手のよい法律で逮捕してはいけないと証言した。今回の「威力業務妨 害」は住居侵入よりさらに幅広く解釈できるものなので、それを使って人々の意見表明に 縛りをかけるのは憲法に保障されている表現の自由を侵すとの立場で闘っているという。
◆すり替えていく罪状 まず驚いたのは、黒岩大助さんの逮捕時の罪状は「セレモニー(五輪関係の行事)への威 力業務妨害」だったが、起訴された時は整理誘導にあたっていた「イベント会社員への業 務妨害」になっていて「五輪反対」というこの事件の本質を見えなくしていたこと。罪状 によって審議は進むので、法廷の場にオリンピックの関係者はだれ一人出てこなかったの には、不服だと黒岩さん。明らかな見せしめ逮捕で彼の行動の本意がないがしろにされて いる。 ◆爆竹とメッセージ内容とは不可分 五輪反対のメッセージを伝える場合、爆竹は安価で入手しやすく、周りの人を傷つけない 。会場内で鳴らすことで、反対していると簡単に表明できるし、世界中で使われている。 また音が大きいのに非暴力であるなどの点で使い勝手がいい。それを取り上げることはど うなのかと山本さん。 ◆市民の意見を封じる判決に抗議する 50年前、沖縄返還の闘争があり、国会の中で爆竹を鳴らし、横断幕を垂らしたという事件 があった。その判決が、懲役8カ月だったことから、自分への判決は重いと黒岩さん。 救援会の井上さんは、1年間の精神的プレッシャーは行なった行為に見合うものではない。 今の日本は、爆竹で意見表明をすると1年刑務所に入るという国になっていることに敏 感でなければならないという。 ◆直ちに控訴
行政は市民の活動から、取り締まり方法を研究している。だから我々も経験を蓄積してい かなければならないと救援会は、政府への意見表明活動の横のつながりを提唱する。 救援会は、判決後ただちに控訴した。闘いは続く!一審では、多くの支援金が集まって、 弁護士にも謝礼が出せたと感謝の表明。そして、今後の裁判活動も支援してほしいと呼び 掛ける。 ◆川柳コーナー 五輪反対それが罪だと罰せられ    乱鬼龍         招致など承知しないぞ五輪ノー    芒野(札幌五輪) ※カンパ送り先(ブログ:武蔵野五輪弾圧救援会):郵便振替 00150-8-66752 口座名:三多摩労働者法律センター(通信欄に「7・16弾圧救援カンパ」と明記) 次回レイバーネットTVは、12月14日19時30分〜 『映画と本で振りかえる2022年』

Created by staff01. Last modified on 2022-12-11 08:23:03 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について