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さまざまな人との出会い〜荒川河川敷での韓国・朝鮮人犠牲者追悼式

笠原眞弓

 9月3日、関東大震災99周年韓国・朝鮮人犠牲者追悼式が、荒川の木根川橋下手の河川敷であった。 この場で追悼式をするようになって40年ということだが、韓国の民俗芸能、プンムルで参 加するようになって、ほぼ毎年行っている。もう何年になるだろう。手足の指を全部動員 するくらいか、あるいは不足かもしれない。

 今年の追悼式で印象的だったのは、20代と思われる方の挨拶だった。そのお1人は「1世 、2世、3世、そして私たち4世では、感じ方も想いも違う」という。言われてみれば、そ の通りだと。でも言われるまで、意識してそのことを考えていなかったと思った。終わっ てから彼女とそのことについて話をした。こんな話ができるのも、とてもうれしい。

 必ずお会いする方がいらした。私より年配である。ところが、昨年はいらしていなかった 。その前年は、車いすだった。いつもプンムルが始まると、一緒に楽しそうに踊ってくだ さった。韓国独特の「어깨춤(オッケチュム)をちゃんと踊ってくださる。今年もお見掛 けしないなと思っていたら、簡便な車付きの椅子で参加していらして、目が合ったとたん に二人で涙を流して抱き合ってしまった。そしてプンムルが始まったら、椅子から立ち上 がって、一緒に踊ってくださったのだ!! あゝ、こんなにさわやかに、うれしく鉦や太鼓 の音を聞いたことがあっただろうか。今日の最もうれしいことだった。

 もうおひとり、高 校生の時にオートバイ事故で下半身が不自由になった青年も、だんだん回復していたが、 ここ数年見かけなくなっていた。帰り際にそんな話を長年の仲間にすると、終わるころ見 かけたという。「エッー、会いたかった。でもちゃんと元気なのが分かってうれしい。ま た来年まで会えないのかなぁ」と、私。本当によかった。こうして年に1回、ここだけで お目にかかる方も何人かいらっしゃる。今年は、これまでと違う私の若い知り合いに、何 人にも声を掛けられた。あゝ、参加者の層に変化が起きているのかもしれない。このこと に関心を持つ人たちに広がりが出てきたのかもしれないと思った。追悼式は、そんな場で もある。追悼式の始まる前と後に追悼碑に手を合わせて、さまざまなことを一瞬に込めて 殺された彼らと会話した。

 そよ風の全く吹かない場である。そのことを小さな声でつぶやくと、聞きつけた方が、 あの風は、警察官がいないと吹かないと。お巡りさんに守られないと風も吹かせられない のだとか。ホントかな?(2022.9.3)


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