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非正規差別是正に一石を投じる!〜オートバックス裁判で画期的な勝利和解

動画(田島報告/4分40秒)

 「理不尽でひどい非正規差別は許せない」とオートバックスの接客労働者・田島才文さんが、2019年に東京地裁に提訴してから約3年。このたび和解が成立し、6月13日厚労省で会見があった。田島さんが裁判で訴えたのは、「1年更新の不安定な身分、時給1300円という低賃金、諸手当での差別、休職保障なし」という非正規差別の是正。そして会社のハラスメントが原因で「不安障害」を発症し休職・解雇されたことへの謝罪・保障で、総額約500万円の損害賠償を請求していた。

 6月7日に和解が成立したが、内容については「口外禁止条項」が付いたため、詳しい報告はなかったが、弁護団は以下のようにコメントした。「原告のたたかいにより、被告は、原告が訴訟で主張した不合理な格差について真摯に検討し、新パート・有期法8条の趣旨に従って『基本給』『賞与』『各種手当』その他の待遇について対応・是正することを約束した。被告が勤務するすべての非正規労働者の待遇改善につながる画期的な勝利和解であると考えている」と。

 原告の田島才史さんは「この3年間の中で、コロナ禍もあり心身共に負けそうになる場面もあったが、一緒に声を上げてくれる人に支えられた」「巨大な象には勝てなかったが、最終的に象は蟻に感謝と謝罪と多少のお詫びをくれた。これを励みに、これからも自分の尊厳を大切にして、自分らしく生いきたい」とコメント文を読み上げた。

 そのコメント文には「訴訟提起したとたん、身内、友人に関わらず様々な人が私の周りから離れていきました」とのくだりがあった。記者はその点について「もう少し詳しく聞きたい」と質問した。田島さんはこう答えた。「提訴当初、友人に拡散依頼したが、わかったと返事をした人がすぐにブロックしてきた。面倒くさいことに関わりたくない、巻き込まれたくないという反応だった。一人ひとりに気持ちの余裕がなく、人と分けあうことができない世相を強く感じた」と。

 世の中に蔓延するこうした世相が、社会が変わっていかない「重し」になっているのかもしれない。それでも田島さんの頑張りは、オートバックスという大企業を動かし、「非正規差別是正」に一石を投じたことは間違いないだろう。(M)

*注)提訴先企業は、オートバックスフランチャイズ企業(株式会社ファナス)で、田島さんは、オートバックス加平インター店に13年以上勤務してきた。問題解決のため、田島さんは「首都圏青年ユニオン」に加入し、裁判をたたかってきた。

2019年提訴時のレイバーネット記事


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