
●渡部通信(8・22)明けない夜はない(73)<大阪、久保校長への「文書訓告」の本質
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8月20日、大阪市教委は、
「大阪市教育行政への提言 豊かな学校文化を取り戻し、
学び合う学校にするために」を市長及び教育委員会に提出した
木川南小学校の久保敬校長に対し、 「文書訓告」を出した。
この久保校長の件は広く知られている。
大阪の新聞はほとんどこの件を報道したようである。
インターネット上で検索しても出てくる。
文書訓告の「事案概要」には次のように述べてある。
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市長及び教育長にあてた提言において、
他校の状況等を斟酌することなく、独自の意見に基づき、
本市の学校現場全体でお粗末な状況が露呈し、混乱を極め、
子どもの安心・安全が保障されない状況を作り出していると断じ、
子どもの安心・安全に関する教育委員会の対応に懸念を生じさせた。
以上のような記述を含む提言を、
知人らに提供したことなどにより拡散させた。
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この問題が表面化した時、萩生田文科大臣は
久保校長と松井市長のやりとりについて、
5月21日、次のようなことを述べていた。
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「現場の先生が首長に意見をおっしゃることは
決して悪いことだと思いません。
ただ、大阪市は考えた上での結果だと思う。
やってみて不具合があったという報告だとすれば、
耳を傾けて改善したらどうですかね」
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しかし、松井大阪市長と市教委は、
話し合いに応じることはなく、
市教委は一方的に「文書訓告」を出してきた。
これに対し8月21日、「子どもに教育への権利を!大阪教育研究会」は
以下の教育研ブログに市教委に提出した抗議文を掲載している。
→ http://eduosk.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-2cf7b8.html
ところで、今年7月18日に東京で開かれた
「第11回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会」
の<集会決議>にはこの問題に触れ、
次のように述べられていた。
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昨年7月、大阪で開かれた「第10回全国学習交流集会」では、
コロナ禍に乗じて進められつつある<GIGAスクール構想>
に対する問題点が指摘された。それは一言でいえば、
教育機関のすべてで子どもたちを「人材」として管理し、
ICT技術を駆使して幼児期からの「個別学習計画」を策定し、
蓄積した情報で個々の人生を政府と財界で管理する
「人材カタログ」作りに他ならない。
もはや教育は「人格の完成」でもなければ、
「真理と平和を希求する人間の育成」でもなくなっている。
しかし、その先頭を走る大阪市で、それに危機感を抱く小学校校長が、
5月に「豊かな学校文化を取り戻し、学び合う学校にするために」という
「提言」を大阪市に出した。その中で彼は
「学校は、グローバル経済を支える人材という『商品』を
作り出す工場と化している」と述べている。
「GIGAスクール構想」への根本的な批判が起きてきたのである。
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今回の「文書訓告」は、いろいろ述べているが、
結局のところ、こうした根本的な批判をおそれ、
抑え込むためのものであると言える。
しかし、新自由主義に基づく「GIGAスクール構想」は、
個々の人生を政府と財界で管理する「人材カタログ」作りに他ならず、
「人格の完成」でもなければ、
「真理と平和を希求する人間の育成」でもなくなっている。
大阪は異常な「日の丸・君が代」強制を行っているが、
これと「GIGAスクール構想」が結びつけば、
<現代版小国民育成>ということになろう。
今回の「文書訓告」はそうしたことに対する
根本的な批判に対しておそれ、それを抑えつけるためのものである。
現場からの批判、あるいは内部告発は許さないという事である。
ここには、人権も、言論の自由も、民主主義もない。
行き着く先は戦線同様の専制社会である。
したがって、私たちはこの一見小さな
「文書訓告」の持つ意味を理解し、
あくまでも久保校長の提言を支持し、
強く大阪市教委と松井市長を批判し、
「文書訓告」の撤回を求めることが重要であろう。
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【僕、国歌歌わないもん】(石原慎太郎)
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東京五輪に【国旗も国歌も必要ない】(ビートたけし)
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