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LNJ Logo サンケン木曜行動(2/25)報告 : 日帝植民地時代と変わらぬ韓国労働者への搾取と弾圧を許さない!
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●韓国サンケン労組を支援する会・2月25日第23回木曜行動報告

日帝植民地時代と変わらぬ韓国労働者への搾取と弾圧を許さない!

2月25日第23回木曜行動。天気快晴、朝はまだ底冷えがする。新座市内のサンケン電気本社前から志木駅南口、池袋・東京事務所ビル前の抗議宣伝行動に、延べ約80人の仲間が参加した。

投資ファンド「エフィッシモ」の株式公開買い付けに対するサンケン電気の「意見表明」が、2月24日にHPに掲載された。結論は公開買い付けに、「賛同」もしないし「反対」もしないという、どっちつかずの「中立の立場」の表明だ。11頁にもわたる文書からは、和田社長ら経営陣の、経営権を脅かされることへの恐怖心が滲み出ている。和田社長は、韓国サンケンの争議解決をいたずらに引き延ばしている余裕はないはずだ。

見過ごせないのは「中立の立場」表明の理由が、「当社従業員や取引先の不安をいたずらに煽りたくない」とされていることだ。和田社長に問いたい。「当社従業員や取引先の不安」は気になるが、正当な理由もなく路上に放り出された100%子会社の韓国サンケン労働者と家族の不安には思いを致さないのか?サンケン電気の韓国労働者に対する仕打ちは、キム・ウニョンさんが鋭く告発している通り、日本帝国主義の植民地時代の労働者に対する搾取と人権蹂躙と変わらないではないか!21世紀のグローバル企業として、恥ずかしくはないのか!

≪2月25日朝7時過ぎ サンケン電気本社前「韓国労働者への搾取と弾圧は日帝植民地時代と同じだ!」≫

郵政ユニオンの仲間の発言から木曜行動スタート。「韓国でも日本でも、様々な動きがあり、申し入れも行われているが、サンケン電気は話し合いに応じようとしない。黙っていても何も解決しない!サンケン電気は争議を抱えている場合ではない。ハゲタカ・ファンドの狙いは株価を釣り上げて売り抜けること。和田社長は争議を解決し、ファンドに食い荒らされないように、経営をまともに考えるべき時ではないか!」

韓国サンケン労組のキム・ヒョンガン事務長からオンライン・アピール。「1月20日に解散を強行し16人を全員不当解雇した。膨大な赤字を解散の理由としたが、この4年間、韓国サンケンの正常化のために本社は何をしたか。設備投資もしなかったではないか!設備がない工場でどうして生産できるのか?4年前に現場復帰した時に、工場正常化を約束したが、一つも実行しなかった。設備投資しないで赤字を解消するとは、つじつまが合わない。これは材料無しに美味しい食べものができるのを待ち続けるのと同じだ。ひたすら韓国サンケンのために働いてきた労働者に、こんな仕打ちはあり得ない!法律に違反し、人道にもとるやり方だ。一体これで正常な企業と言えるのか?和田社長に強く問いたい。少なくとも解散する前に話し合いをして、私たちに説明すべきではなかったか。解雇で家族も大きな打撃を受ける。夕餉を家族一緒に囲むことができずに、子どもと一緒にテントに座り込む父親、母親の気持ちがわかるか?しかし私たちは負けない。零下10度を下回る厳寒の中でも、切迫した気持ちで、職場に必ず戻る、という熱い気持ちを抱いて闘い続けている。支援のみなさん、体に気をつけて!闘争!」

ペ・ウンジュさんが続ける。「韓国サンケンに20年間働いてきたが、とても短く感じる。それはなぜか?当時、韓国サンケンはSMPS(スウィッチング電源)の生産に集中していた。私が入社した当時の先輩方は、90年代の工場の様子を語っていたが、私には実感がなかなかわかなかった。他人事のように感じられた。当時の動画を見て、驚いた。管理職が女性労働者に暴行する場面、組合弾圧の映像を見て先輩たちの闘いを知った。先輩たちの闘いのおかげで入社できたことを知った。たくさんの若い労働者が入社し、様々な勤務形態で生産に追われ、働いた。その時に会社は莫大な利益を得たが、その後の過剰投資で損失を被った。その経営悪化の責任が労働者に押しつけられ、多くの労働者が職場を去った。2009年には退職金が切り下げられ、それに対して闘った。2016年の指名解雇には日本遠征闘争を展開して撤回させた。その時に工場正常化の約束をしたが、会社は約束を守ろうとしなかった。経営が厳しいからと3年間賃金凍結、劣悪な職場環境も我慢した。2015年に組合事務所の火事があったが、『会社が移転するかもしれない』という理由をつけて会社は組合事務所を補修しなかった。その裏で、2017年には別会社で生産を始めていた。いろいろ考えると、会社は着々と韓国サンケンの解散を準備していた。莫大な利益は韓国の労働者に還元されることはなかった。韓国サンケンの社長は『利益が本社に回ったことはない』と言っていたが、それはウソだった。『韓国サンケンは5人でいい。組合はいらない』という和田社長の発言も韓国サンケンの社長から聞いた。結局、労組を嫌悪し約束を守らない、労働者のことを何も考えない会社、それがサンケン電気という会社だ。これ以上会社のイメージを落とさないためには、解散を撤回して工場を正常化するしかない!」。

埼玉市民の会の仲間が発言。「韓国サンケンの労働者に対するヒドイやり方は、サンケン電気本社による韓国労働者に対する差別の表れではないか。韓国で得た利益を、この新座市内の本社の工場拡張に回しているのではないか。そんなことは許されない!」

オ・ヘジン支会長から発言。「サンケン電気は悪徳企業であり、破廉恥な企業だ。48年間にわたって制度上の恩恵を受けながら、莫大な利益を得てきた。企業が利益をあげるのは当然だが、利益だけを考えて労働者を人間扱いしないとなれば、非難されて当然だ。そんなサンケン電気が、企業倫理やルールを守らずに韓国で利益を上げている。利益のみを考えて、企業倫理を考えずに、労組弾圧を進める。それがサンケン電気だ。ウソとペテンで韓国サンケンを破綻させ、解散に追い込んだ。労組破壊を企んだやり方は絶対に許せない。いくら弾圧しても、私たちは絶対に引き下がらない!」

キム・ウニョン副支会長(写真)が続ける。「5年前の2016年、生産労働者34人が不当解雇され、何回も訪日し、本社に抗議した。その時の大きな問題は、日本滞在中の宿泊先の確保だった。日本の仲間の協力で、闘い続けることができた。当時、日本の仲間から多くのカンパが寄せられた。当時は韓国内でも『とても勝つ見込みのない闘い』と言われたが、私たちは勝利を信じて闘い続けた。私を含めて何人かは剃髪し、団結を固めた。勝利しなければ韓国に帰国できない、髪も延ばせない、そんな切迫した気持ちで厳しい闘いを闘い抜いた。そして勝利し、工場の正常化と労使協議の約束を勝ち取ったが、会社は守ろうとしなかった。工場への設備投資も、事業展開もなかった。今回の会社解散の事前協議も、一切なかった。日本帝国主義の植民地支配の時代と同じように、日本の企業が労働者民衆を搾取し弾圧している。あの侵略戦争と植民地支配を進めた日本帝国主義が、アジアの民衆を搾取し、蹂躙していったのと同じことをサンケン電気はしている。日本帝国主義と日本の資本は、植民地支配と搾取・収奪について謝罪も補償もしていない。サンケン電気がしていることは、それと同じだ。時代の流れ、変化に適応する企業だけが生き残ることができる。労組を憎むような時代に逆行するやり方は、通用しない。韓国の地で別会社を買収して生産し、あるいは財閥企業のLGグループと組んで事業展開する。まさにその時に、投資ファンドが株式の公開買い付けでサンケン電気資本を食い荒らそうとしている。投機資本が4年前から準備し30%の株を買い付けようとしている時、和田社長、あなたは何をしているのか!1万人以上の社員、株主、労働組合、韓国の労働者を安心させる行動を起こすべきではないか!一日も早く労組弾圧を止めて、韓国サンケンの工場を正常化させるべきだ。昨日、旭硝子の労組に対して、闘い7年目で初めて会社が提案をした。『支会長以外の労働者の現職復帰、一人500万円の慰労金』という内容だ。旭硝子労組は全員一致でこれを拒否した!サンケン電気よ!この旭硝子の労組の闘いを見よ!これが韓国の労働者の闘いだ!最後まで闘う姿をしっかりと胸に刻むべきだ。韓国サンケン労組は25年以上闘ってきた労組と労働者だ!絶対にあきらめない。日本の支援のみなさん、共に勝利を勝ち取りましょう!闘争!」

明大生協労組の仲間の発言。「地域のみなさん、4年前に解雇を撤回させ工場正常化と重要事項の労使協議を約束させた、その約束をサンケン電気が破った。このことが今回の問題の本質にある。このことを知っていただきたい、ご理解願いたい!」。最後に参加者全員で、門前で本社に向かってシュプレヒコールで本社前行動締めくくる。

≪2月25日9時 志木駅南口「48年間も優遇されながら韓国労働者の切り捨ては許されない!」≫

最初に埼玉市民の会の仲間が韓国サンケン労組を支援する自作の歌を熱唱。大きな拍手。 キム・ウニョン副支会長からオンライン・アピール。「1973年にサンケン電気は韓国馬山の自由貿易地域に100%子会社の韓国サンケンを設立した。税制などの優遇措置を受け、莫大な利益を得た。その利益を全て日本の本社に回収した。70年代は名も知られていない企業だったが、それから48年、サンケン電気は業界8位の売り上げを誇る大きな企業に成長した。名もない企業がなぜここまで成長できたのか?その背景には韓国労働者の血と汗の結晶が、今日のグローバル企業・サンケン電気だ。そのサンケン電気が、労組があるという理由だけで25年間にわたり労組弾圧を繰り返し、インドネシアに移転しようとしたが反対闘争で撤回した。その後もリストラで多くの労働者が工場からたたき出され、そして4年前の指名解雇があり、今回の廃業がある。これまで労組を潰せなかったので、今回は工場そのものを無くし、労働者を路上に放り出した。子会社を廃業し無くしてしまうことを、労組との合意を無視して実行した。しかしサンケン電気が韓国で事業展開しないということではない。LGグループの子会社を買収し、生産してきた。コロナが全世界で吹き荒れている時期に、労働者とその家族にとって解雇がどのようなことを意味するか!何の説明もなく、労使協議もない。絶対に許すことはできない。コロナ事態の中で、莫大な利益を上げているサンケン電気が、なぜ韓国の労働者を路上に放り出すのか。労働者の生きる権利を奪おうとするサンケン電気に、抗議の声を寄せてください!48年間も優遇され成長しながら、韓国の労働者と家族を切り捨てる。このようなことは許されない。韓国与党の国会議員、道知事、市長、議会、そしてマスコミもサンケン電気のやり方を批判している。今回の事態は一企業の問題でなく、日本と韓国の国際問題に発展している。サンケン電気の行為は、日本の国のイメージ、日本人のイメージを地に落としている。こんなことでいいのか?私たちは黙って見過ごすことはできない。必ず工場に戻る。必ず勝利をもぎ取る。現職復帰するときに、新座市民のみなさんの支援を忘れない。最後まで闘い勝利しよう!闘争!」

オ・ヘジン支会長が続く。「4年前の指名解雇撤回闘争では、労働委員会で勝利命令を勝ち取り、解雇を撤回させた。しかし戻った工場は、設備もない、ガランとした職場だった。時間がかかるだろうと判断し、正常稼働を待っていたが、会社は廃業の準備を進めていた。別の工場を買収して生産までしていた。さらにLGグループと合弁会社まで作って生産しようとしていた。そしてコロナ事態の中で、廃業・解雇を強行してきた。仁義に悖り、労組との約束も守らない、そんな企業だ。絶対に許すことはできない!」

郵政ユニオンの仲間から連帯発言。「利益を上げるためには何でもやるという風潮は、安倍政権から菅政権までまかり通り、企業でもそうなっている!これでいいのか?」 キム・ヒュンガン事務長のアピール。「会社は赤字が廃業の理由と説明している。雪だるまのように膨れ上がった赤字を、本社は放置してきた。経営の責任は経営にあるはずなのに、労働者に責任があるというのは、つじつまが合わない。今考えてみると、4年前の職場復帰は完全な復帰ではなかった。会社の横暴なやり方そのものだった。労組の存在が会社解散の理由などあり得ない。ましてや解雇の理由にはなりえない。韓国サンケンは生産工場であり、設備がないのに生産できない。材料がないのに美味しい料理を食べようとするのと同じ。本社は話し合いの姿勢が全くない。約束を守らないサンケン電気に批判の声を!」

この時、志木駅南口に市長選候補の宣伝カーが現れ、私たちに向かって「サンケン電気労組のみなさん頑張ってください!」の激励が飛んだ!?

ペ・ウンジュさんからアピール。「暦上は春を迎えている。闘争を始めてから228日になる。気候上はだいぶ暖かくなったが、私たちの心は冷え冷えしている。解雇通知はショックで、信じたくない気持ちだった。4年前の解雇の心の傷が癒える前にまた同じような事態になるのかと思った。前回の解雇がどんなにつらかったか、その私たちに対する支援がどれだけあったか、はっきり覚えている。支援には感謝しかない。寒い中で、韓国国会、LGグループ、ソウル・サンケン、社長宅などに行動を展開し、解散・解雇の経緯を訴えている。以前は、デモをしても誰も耳を傾けない状態だったが、今は私たちの争議の状況を注視しているように感じている。私たちは解散・解雇の撤回を求めている。会社は労使合意を一方的に破っている。労働部の仲介で話しても、一方的な説明ばかりしている。出してくる資料も表面的なものばかりで、私たちの詳細資料の請求は無視して出してこない。1月20日以降は、解雇通知と、テント撤去通知が二度も来ている。会社は誠実さが全くない。日本本社の指示に逆らうことができないと言うばかりだ。これらは今回の解散が全く理に適ったものでないことを示している。2009年の大規模なリストラ以降、会社側は私たちの要求には何も答えなかった。私たちは会社解散の理由が赤字でないことをよく知っている。労組の存在が解散の唯一の理由だ。私たちは最後まで闘い、勝利する!」。

最後に支援する会のメンバーが発言して池袋に移動した。

≪池袋・東京事務所前、昼休み集会「私たちは不条理・不正義に負けない!」≫

今回も池袋・藤久ビル7階の東京事務所を訪問。I氏が対応、オ・ヘジン支会長がオンラインで本社と労組の話し合いの必要性を迫るも、いつもの通りI氏は誠意ない対応に終始。オ・ヘジン支会長は、I氏に「何ができるか自分で考えること」「責任ある本社の人間を連れてくること」の2点を最後に強く申し入れた。

正午過ぎから藤久ビル前の歩道で昼休み行動。最初に所沢労音の仲間がアリランを唄う。続いて埼玉市民の会、全労働者組合、三多摩合同労組、連帯労働組合武蔵学園の仲間がリレートークで連帯アピール。

オ・ヘジン支会長がオンライン・アピール。「支援に駆けつけていただいたみなさん、ありがとうございます!春めいて来ました。韓国も花の蕾に気がつきます。蕾を見ると、勇気が湧いて、頑張ろうという気持ちになる。韓国でも日本でも会社のやることは同じだ。会社の標語は、人間中心、持続可能な自然を求める、などだが、サンケン電気は全くそのような企業倫理が無い。7か月間も話し合いを求めてきたが、本社には関係ないという態度だ。生産ラインで働いてきた労働者を全員解雇した。韓国で48年間も様々な恩恵を受け利益を上げながら、『本社は関係ない』と話し合いを拒否する。労使の約束も拒否する。それがサンケン電気という会社だ。グローバル企業には企業倫理が必要だ。しかしサンケン電気はHPに高い企業倫理を唄いながら、労組との話し合いを拒否する。本当に腹が立つ。案山子のような韓国人社長を前に立てて、赤字を膨らませ、陰でコソコソ別会社に生産させる。労組を嫌悪し労組潰しを狙う。本社が作った赤字の責任を労働者に回して、労組潰しのために会社を廃業する。しかし私たちはこのような不条理、不正義に負けない。私たちには弾圧を跳ね返し勝利してきた輝かしい歴史を持っている。だから今回も勝利する確信がある。共に闘う労組の組合員の仲間がいて、それを支える労組と地域の仲間がいて、日本の仲間がいる。だから必ず勝つと確信している。団結した労働者は必ず勝つ!そのことを今回も私たちが証明する!韓国国会で、サンケン電気のような外資企業を規制する法律の制定をめざす。勝利の日まで共に頑張る!」

最後にサンケン電気東京事務所に向かってシュプレヒコール浴びせ、第23回木曜行動を締め括った。


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