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吉田晴美さん当選!これはゴールではなく始まりだ〜東京8区からの私的報告

永田浩三(政治をかえる 8区の会 よびかけ人共同代表)


*当選を喜ぶ吉田晴美候補(10月31日・撮影=永田)

 東京8区は杉並区の大部分。今回ついに悲願を達成できた。立憲民主党公認で、市民と野党の統一候補の吉田晴美さんが当選したのだ。これまで8回にわたって石原伸晃元自民党幹事長が連続当選を続けてきた。石原軍団が勢揃いし、華やかな選挙戦に人だかりができた。だが、彼は政治家として問題がありすぎないか。原発事故の被害者に対して「金目でしょ」と言ったり、生活保護を受けているひとを「ナマポ」と言ってさげすんだり・・。

 わたしを含め杉並区民の有志は、6年前から、石原氏の打倒を目標に準備を進めてきた。秘密保護法・集団的自衛権の問題だけでなく、沖縄の辺野古の新基地建設反対や原水爆禁止運動について、地域の小さな勉強会を繰り返した。

 杉並区は1954年のビキニ事件のとき、日本だけでなく世界に広がった水爆反対署名の起点となったところ。原発反対の高円寺の乱もその延長上にあった。


 前回、2017年の総選挙では、対抗馬の候補者一本化はかなわなかった。立憲・共産・希望・無所属などが乱立。にもかかわらず、立憲の吉田晴美候補は石原氏を二万票あまりの差まで追い詰めた。今度がんばれば、ひょっとして石原氏を倒せるかもしれない。区民の話し合いの場は「@杉並」から始まり、「政治をかえる8区の会」にリニューアルした。

 そして今回の総選挙。立憲の吉田さん、共産の上保さん、れいわの辻村さんという3人の候補者と区民が共通政策を作っていくという地道な作業が繰り返された。われわれは、決して乱暴な一本化はしてはならないと考えていた。ひとりひとりにリスペクトを持ち、時期が熟せば、結果的に結論が出るに違いない・・・。だが簡単ではなかった。

 そんななか思いもかけないことが起きる。10月8日、れいわ新選組代表の山本太郎氏が東京8区から野党統一候補として立候補することを表明したのだ。そんなことは聞いていない。地域の有志から山本代表に対して、「吉田晴美さんですでに一本化していたのに」という質問をぶつけたが、これは正確ではない。東京8区はどうなるのか。全国の注目が集まった。


*筆者=左

 だが3日後、山本代表は立候補の断念を表明。これを機に、結果的に候補者一本化が一気に進むことになった。一本化とは2人の候補が降りること。「政治をかえる8区の会」主催の集まりに吉田・上保・辻村の3人の候補者がそろい、そこで吉田晴美さんへの一本化が実現した。候補者の素晴らしさに対して、異論は出なかった。それでも一本化は痛ましいものでもあった。

 混乱はどこから来たのか。主な理由は、立憲民主党東京都連にあると、わたしは想像するが、正確なところが明らかになるまで、すこし時間がかかるだろう。吉田さん、山本代表どちらも、混乱の直接の原因ではない。

 さて、選挙戦である。8日からはほんとうに嵐のようだったが、政党、地域の活動との連携は見事だった。前候補者の上保さんは最終日まで吉田さんの応援に貼り付いた。前川喜平さん、宇都宮健児さん、神田香織さんも応援に駆けつけて下さった。

 わたしも何度か演説をさせてもらったが、吉田さんの周りにはどんどんひとが増えていった。こんなに楽しい選挙活動はなかった。道行くゆくひとの多くが、「がんばれ」と声をかけてくれた。開票中継のなかの分析では、無党派層の7割以上が吉田さんを支持したようだ。地滑り的な勝利。みんな怒っていたんだ。政治を変えたかったんだ。

 だが、総選挙全体で見るとどうだろう。甘利自民党幹事長は選挙区では負けたが、立憲野党の大物も次々に落選した。

 そうしたなかで、吉田晴美さんというひとを国会に送り出す意味は大きい。これはゴールではなく始まりだ。これからも地域からの民主主義を大事に育てていきたい。これは私的な報告だ。行き届いていないところが多々あることをお許しいただきたい。


Created by staff01. Last modified on 2021-11-01 11:41:18 Copyright: Default

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