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卑劣な脅迫許さない!〜「私たちの『表現の不自由展・その後』」再開を名古屋市に申し入れ

高橋良平(「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会)

 7月6日(月)、「私たちの『表現の不自由展・その後』」展再開のための申し入れ書を内容証明にて名古屋市に送付し、名古屋市役所前にて宣伝行動を行い、その後記者会見を開催しました。

 名古屋市にて7月6日から7月11日までの6日間開催予定だった「私たちの『表現の不自由展・その後』」は開催3日目の7月8日に、名古屋市によって突如一方的に中止させられてしまいました(中止に至る経過報告はこちらをご参照ください。https://bit.ly/3zR3zyp)。

 今回の申し入れ書は7月12日(月)に私たちが名古屋市に提出した再開のための協議の申し入れに対し、名古屋市が何らの返答もしないために行われたものです。7月8日に起きた不審な郵便物の破裂という事態は、公共施設における「表現の自由」を脅迫する決して許されない行為であることは言うまでもありません。しかし、名古屋市に求められているのは脅迫に屈することでなく、公共施設における「表現の自由」を守ることです。そして、4日間の失われた市民の表現する権利を、「私たちの『表現の不自由展・その後』」展を再開させることです。

 今回の申し入れ書では、〆導のための協議を10月6日までに設定すること、回答を9月21日まで書面にて行うこと、を求めています。多くのみなさんに注目を訴えます。

・記者会見の様子はこちら↓
https://youtu.be/hT4bmjZLWEg

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「私たちの『表現の不自由展・その後』」展 再開申入書 2021年9月6日

名古屋市市長 河村たかし 殿

公益財団法人名古屋市文化振興事業団 御中

「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会

共同代表 久野綾子 磯貝治良 池住義憲 長峯信彦

「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会 弁護団

弁護団長 弁護士 中谷雄二 外弁護団員13名

「『表現の不自由展・その後』をつなげる愛知の会」(以下「つなげる会」とい います。)は、名古屋市長及び公益財団法人名古屋市文化振興事業団(以下「名古 屋市文化振興事業団」といいます。)に対し、下記のとおり申し入れします。 記

1 申入れの趣旨

(1)「つなげる会」は、名古屋市長及び名古屋市文化振興事業団に対し、名古屋市が、2021年7月8日、同日から同月11日まで市民ギャラリー栄を臨時 休館し、同ギャラリーの指定管理者である名古屋市文化振興事業団をして同期 間中の展示室の使用停止処分をさせたことにより展示中止を強いられた、「つなげる会」主催の「私たちの『表現の不自由展・その後』」展(以下「本展示」といいます。)について、4日分の展示再開のため、同一期間の施設の供 用を求めます。

(2)「つなげる会」は、名古屋市に対し、本書面到達後1ヶ月以内の日取りにて、上記(1)の展示再開のための協議日時を設定するよう求めます。

2 申入れの理由

(1)臨時休館決定・使用停止処分、及び、休館・使用停止継続が最高裁判例に 違反すること

名古屋市は、2021年7月8日、本展示の開催3日目の「郵便物破裂事 案」発生を理由に、「施設の安全管理の観点から鑑みて、対象者が多く、警察 の警備等によってもなお混乱を防止することができないと想定される」として、名古屋市民ギャラリー条例施行細則第3条第2項に基づき、同日から本展示の会期末である同月11日までギャラリーを休館とし、同条例第7条第5号 に基づき使用を停止するよう指定管理者に対し指示しました。

「つなげる会」は、かかる休館決定・使用停止処分後、名古屋市及び名古屋 市文化振興事業団に対し、連日、事情説明を求めるととともに、開館及び展示再開を要請しましたが、名古屋市は、「実際の実力行使があり、今、警察がそ の事案の捜査に全力を注いでいるが事案が解決していない現状で、かつ、警察が最上級の警備体制を継続している」こと、及び「これ以上の体制の強化は困難である」こと等を理由として(同月11日付FAX送信票添付の「本市の考え」より。)、休館・使用停止を継続させました。

しかしながら、公権力による公の施設の利用制限が許されるには、「明らか な差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要」です(最判199 5年3月7日民集49−3−687)。また、施設利用を不許可とする場合の

施設管理上の支障は、「許可権者の主観により予測されるだけでなく、客観的 な事実に照らして具体的に明らかに予測される」ことが必要であり、「主催者 が集会を平穏に行おうとしているのに、その集会の目的や主催者の思想、信条 等に反対する者らが、これを実力で阻止し、妨害しようとして紛争を起こすおそれがあることを理由に公の施設の利用を拒むことができるのは」「公の施設の利用関係の性質に照らせば、警察の警備等によってもなお混乱を防止することができないなど特別の事情がある場合に限られ」ます(最判1996年3月 15日民集50−3−54 9)。

この点、名古屋市は、事情説明を求める「つなげる会」に対し、「起きた事 案の内容を具体的に把握しておらず、危険性の程度も評価できていない」と繰り返し説明されましたので、実際には上記最高裁判例の規範における「危険」 を判断するための根拠事実を有していなかったといえます。そのような状況で の施設の安全管理上の支障は、最高裁判例の禁止する「許可権者の主観による予測」の域を出ないものに他なりません。

また、名古屋市は「展示を継続・再開するための具体的方策は検討していない」と述べ、休館決定後に警察に対して再開のための警備要請も一切されませ んでしたので、上記最高裁判例の規範である「警察の警備等によってもなお混乱を防止することができない特別の事情がある」かどうかも実際には検討されていません。

以上のとおり、名古屋市が、客観的事実に基づいて危険性の内容・程度の評価も行わないまま休館及び利用停止処分をし、本展示の会期中の使用停止を継続したことは、上記最高裁判決に照らし憲法21条1項に違反することは明らかです。

(2)名古屋市は表現の自由への卑劣な脅迫行為に荷担している状態にあること

さらに、名古屋市が強調する「実際の実力行使」という「市民ギャラリー栄 内での郵便物破裂」は、警察に立会を求めるほど届いたときから不審であった 郵便物を、安全が確保された他の場所に移動させることなく、ギャラリーの展 示室内で、警察官ではなく施設職員に敢えて開封させたことにより、本件の施設内での郵便物「破裂」という事態が将来されたものです。平穏に開催されている展示会を妨害する目的で破裂する郵便物を会場に送りつけること自体、民主主義の根幹である表現の自由に対する卑劣な脅迫行為であって断じて許され ないものであることは言うまでもありませんが、本件の施設内での郵便物「破裂」は通常の注意を払えば容易に避けることができたものです。それにもかかわらず、漫然と作出された「危険な実力行使」を名古屋市が過大に評価することは、本展示を辞めさせたい勢力による脅迫行為に公権力が加担することに他なりません。

(3)奪われた表現の自由を回復させる措置を求めること

名古屋市は、同年8月2日、名古屋市文化振興事業団を通じて、「つなげる会」に対し、「名古屋市民ギャラリー栄の臨時休館に伴う利用料金還付について」と題する書面を送付し、使用停止期間に係る利用料金の還付手続に「速やかに」応じるよう求めていま す。

しかし、名古屋市の休館決定・使用停止処分により侵害された「表現の自由」は、利用料の還付によって回復されるはずもありません。 そこで、「つなげる会」は、名古屋市に対し、名古屋市の処分によって奪われた4日間と同一期間の施設の供用を求めます。

なお、展示再開にあたっては、上記最高裁判例に基づき、今度こそ、具体的警備体制についての協議等が必要となると思料されるため、本書面到達から1か月以内の日取りで、協議日時を設定していただくよう、お願い致します。

3 本申入書に対する回答期限と連絡先

本申し入れに対するご回答は、2021年9月21日までに、「つなげる会」 弁護団の下記連絡先までいただけますようお願い致します。

【連絡先】 〒460−0002 名古屋市中区丸の内二丁目18番22号 三博ビル5階 名古屋第一法律事務所


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