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在日ベラルーシ人らが「東京オリンピック選手村」前で激励行動

ー弾圧に屈しなかった7人のアスリートー

7月23日、東京・晴海にある「東京オリンピック選手村」前において、ベラルー シ選手団への激励行動が実施されました。炎天下、「在日本ベラルーシ人の会」のメンバ ーとその家族、日本人支援者ら約20名が結集。開会式前の約1時間、来日した選手を激励 すると同時に、周囲にベラルーシの現状を訴えました。

ルカシェンコが6選を決めた昨年8月の大統領選後、不正を主張する市民の抗議デモを治 安当局が弾圧。スポ ーツ選手2150名が抗議の公開書簡に署名しました。政権側は署名撤回を求め、拒否した選 手らを弾圧。拘束されたり、練習環境を奪われたりして、出場を逃した選手もいます。し かし、7人は署名を撤回しないまま、代表として来日。独裁的なルカシェンコ政権に反対 の立場を取りながらも、東京オリンピック選手団に加わっています。

全体としては、来日したベラルーシ五輪選手団108名中、7名が抗議書簡に署名し、42名 が政府支持の書簡に署名し、残り59名がどちらの書簡にも署名していません。しかし、政 治的信条でスポーツ選手を差別する、ルカシェンコ政権にこそ問題があります。実際、国 際五輪委(IOC)は、ベラルーシ五輪委会長でもあるA・ルカシェンコや、息子で同副会長の V・ルカシェンコらに制裁を課しています。

そこで、在日ベラルーシ人らは、反ルカシェンコのシンボとなった「白-赤-白」旗を掲 げ、特に弾圧に屈しなかった7名を中心に激励しました。オリンピック開催じたいに反対 する人も少なからずいましたが、闘うアスリートに罪はないと考え、連帯の意思をとどけ ました。本国のメディアも報じたようです。

<「在日本ベラルーシ人の会」アピール(要旨)> 

昨年8月9日に行われたベラルーシの大統領選挙で、ルカシェンコ政権は、明らかに不 正な選挙結果を発表しました。その直後から人々は、平和的な反対運動のために街に繰り 出しました。政権側は、この武器を持たない市民に対して銃を向け、常軌を逸した暴力を 振るい、さらには男女の区別なく性的な拷問を行い、数千人を不当に逮捕いたしました。 国連は証拠のある拷問のケースだけでも、400件にのぼるとしています。

この国家による暴力に対して、多くの国民が反対しました。とくにアスリートによる抵 抗運動は国民の支えとなり、大きな役割を果たしました。トップレベルのアスリートたち は、暴力と政治的な抑圧を見過ごすことが出来ないという公開書簡を作成し、これまで21 50人のアスリートが署名いたしました。しかし、ベラルーシのスポーツ省はこれに猛反発 し、署名したスポーツ選手や署名の取り消しを拒否した選手に対して弾圧を行っています。

独裁政権下のベラルーシ共和国の歴史のなかで、これまで権力の言いなりにならざるを 得なかったアスリートたちが、その呪縛のなかから、初めて国民と仲間に連帯を表明し、 独裁者に反発し、お互いを支える組織をつくりました。アスリートたちが始めたこの運動 は、大きなうねりとなりました。市民は、「ベラルーシ国民はアスリートとともに」とい うスローガンを掲げてデモに参加しました。

アスリートたちも、他の国民と同様に、政権の攻撃にさらされたり、追放されたりしま した。ほかの市民たちと同じく、人生を滅茶滅茶にされました。政権への反対運動を行っ た国民は、自分の大事なものを失いかねないというリスクがることを知っています。仕事 を失い、家族を逮捕され、また生き残るために、家族全員で亡命を余儀なくされた人たち がいます。アスリートたちは、日常生活だけではなく、彼らの最大の目標であるオリンピ ックへの出場という夢を奪われるリスクもあります。

それでも誠意あるアスリートたちは、このリスクを負う覚悟ができています。オリンピ ックに来られなかった選手も大勢います。刑務所では意図的にコロナウイルスに感染させ られて、十分な練習時間を確保できなかったり、あるいは練習の環境を奪われたりして、 出場できなかった選手も少なくありません。ある選手は家族とともにロシアへ行きました が、そこで「政治亡命」が認められず逮捕されました。

幸いなことに、暴力と政治的な抑圧を見過ごすことができないという、この公開書簡に サインしたアスリートのなかで、東京オリンピックに来ることができた7人がいます。彼 らは想像を絶する過酷な1年を過ごしたにもかかわらず、オリンピックへの出場権を獲得 しました。ウォルハ・マズロナク(女子マラソン)、エルビラ・ヘルマン(女子短距離ハー ドル)、ダリヤ・バリセビッチ(女子中距離)、ジミトリ・アサナウ(男子ボクシングスーパ ーライト級)、ヤウヘン・ツルキン(男子水泳バタフライ・自由形)、カリ−ナ・カズロウ スカヤ(女子アーチェリー)、

マリア・ジョジク(女子走り高跳び)です。ベラルーシ選手団108名のなかに、彼らも含ま れています。

ただ一つ、残念なことがあります。それは、ルカシェンコ大統領が主導して決めたソ連 風の国旗の下に、ベラルーシ選手団が出場せざるを得ないことです。しかし、そのルカシ ェンコは、国際社会から制裁を受けています。国際五輪委(IOC)も昨年10月、「政治的信 条を理由に差別や迫害を受けた」とする選手側からの直訴を受け、ベラルーシ五輪委会長 でもあるA・ルカシェンコや、息子で同副会長のV・ルカシェンコらに、制裁を課しました 。そこで私たちは、今や反ルカシェンコのシンボルとなった、「白-赤-白」旗を振って応 援したいと思います。

頑張ろう、オリンピック! ベラルーシ、勝利をめざせ! 信じる・出来る・勝つ!

【参加報告】佐藤和之(佼成学園教職員組合)


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