本文の先頭へ
LNJ Logo 「声上げたら解雇」は許せない!/「多摩労務管理事務所」に仮処分守れと申し入れ
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 0426hatioji
Status: published
View


「声上げたら解雇」は許せない!〜「多摩労務管理事務所」に仮処分守れと申し入れ


*不当解雇撤回を訴える坂根さん(左)と田中さん(右)

動画(12分半)

 社労士事務所なのに労基法も労働法も守らず、不当解雇を連発している会社が東京・八王子にあった。「多摩労務管理事務所」(高橋邦名所長)である。20数名の社員を抱え、社労士事務所としては八王子で二番目の規模で業界での影響力も大きい。そこでいま争議が起きている。

 田中理雄(みちお)さんは、ここで社労士として仕事していたが、職場内に横行するパワハラに我慢ならず、2017年に「労働組合 UNION No.6」を一人で立ち上げた。すると会社は田中さんに対して、10数台の監視カメラで日常的に監視する異常な労務管理を強め、「上司に反抗」「業務上のミス」「職務能力不足」などを理由に2020年1月10日に解雇を強行した。加えて、共に組合に加入して会社に異議を申し立てていた同僚の坂根操さんも、同年12月に同様の理由で解雇された。

 その後、裁判闘争になったが、3月24日に東京地裁立川支部が「田中さんの解雇無効」と判断し、「毎月の賃金を支払え」の仮処分を決定した。会社が証拠としてあげた86項目の主張をことごとく退けたもので、いかにこの事件がデッチあげで「組合を敵視した違法な解雇」であることが明確にされたのだ。

 4月26日昼、府中緊急派遣村労組などでつくる支援共闘会議メンバー約30人は、「仮処分決定」を守らせるために会社への申し入れ行動を起こした。田中さんを先頭に「多摩労務管理事務所」を訪ねると、出てきたのは副所長。スマホを片手に抗議の人たちを撮影しながらの異常な対応だった(写真下)。田中さんが申し入れ書を読もうとすると「その必要ない」と、申し入れ書をひったくるようにつかんで、1分足らずで建物の中に消えていった。建物の入口にも2か所、監視カメラがにらみを利かせていた。

 抗議の人たちは、建物の向かい側の歩道から約40分にわたって「仮処分決定に従え」とマイクで次々に訴えた。田中さんは「解雇は生活の糧を奪うもので死刑と同じ。一方的な無謀な行為は許せない」と語気を強めた。坂根さんは職場のベテランだった。「なにより許せないのは、法律を守るべき社労士事務所がこんなことをやっていること。あなたが勤める会社と顧問契約をしているかもしれません。ぜひ実態を知ってください」と通行人に呼びかけていた。

 エネルギッシュな38歳の田中さん。「当事者が若い人なので驚いた」と記者が声をかけると、田中さんは「私ももうすぐ40です。でももっと若い20代・30代の人たちに労働組合の大切さ、必要性を訴えていきたい。広げていきたい」と抱負を述べていた。(M)

【付記】田中さんは「UNION No.6」をつくった後、府中緊急派遣村労働組合に加入しました。最初、職場内は1人でしたが、派遣村労働組合員など外部メンバーが組合員として結成され、その後職場の坂根さんが加入しました。また2017年より労働委員会に不当労働行為の救済申し立てをして審理中でしたが、会社は、解雇を強行しました。

【関連情報】■5月18日火曜 裁判、第4回口頭弁論 15;30東京地裁立川支部404号法廷 ■5月29日土曜 支援共闘会議報告集会 13:30 クリエイトホール11階第7会議室JR八王子駅北口大通りヨドバシカメラ北側


Created by staff01. Last modified on 2021-04-29 21:46:46 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について