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レイバーブッククラブ読書会 : 『海をあげる』をめぐって
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志真秀弘です。

レイバーブッククラブ読書会の報告をします。

1月30日(土)午後2時からオンラインで、レイバーブッククラブ第26回読書会が開かれま
した。テキストは『海をあげる』(上間陽子、筑摩書房)。参加者は
13人で、新しい方が4人加わり、熱のこもった発言が続きました。
本書は「週刊本の発見」128回(1/28・佐々木有美)↓でも取り上げられています。

冒頭に、「欠席するが、この本と出会えてよかった」との浅井健治
さんからのメッセージも伝えられ、参加者一同、同感した。
著者の静かだが深い語り口は、みんなに届いていて、問いかけの重さに
たじろいだとの声もあった。前作『裸足で逃げるー沖縄の夜の街の少女たち』の刊行から
本作に至る年月のなかに、「聞く力」を含め研究者である著者自身が試されていく過程が
あっただろうし、そこに著者の本領があるのではないか。話を聞いた少女の手術に立ち会
い、精神科医の診察に同行し、それこそ伴走するような著者の努力・生き方に聞くことの
重さが感じられる。沖縄戦の歴史と沖縄に生きることは暴力と向き合うことに他ならない
現実が、浮き彫りにされる。さらに本書の内容を体現するような装丁、表現に適した余白
を充分とった組み方などにも話は及んだ。本書
推薦者の植松青児さんは「ここなら、この本を受け止めてもらえると予感した」が、それ
は当たったと語ったが、時間いっぱい全員が感想を述べあい、充実した時間を創ることが
できた。

●次回27回は、やはりオンラインで2月27日(土)2
時開始です。取り上げる本は『3・11後の社会運動−8万人のデータからわかったこと』
(樋口直人・松谷満、筑摩書房、1650円、2020
年6月刊)。3・11後、各地に広がった反原発運動、さらに安保法制反対運動もこれをひ
きつぐように広がりをみせた。そこに立ち上がったのはどのような人たちだったか、その
動機は何かを読みとく。これからを考えることのできる本です。ぜひご参加ください。

●『週刊本の発見』128回 http://www.labornetjp.org/news/2021/hon189

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