大阪府 : チャレンジテストの正体が露わになった | |
[MenuOn] Home | ニュース | イベント | ビデオ | キャンペーン | 韓国 | コラム | About | Help [login ] | |
大阪の志水博子です。 昨日(6月19日)大阪府教育委員会会議で、中3チャレンジテスト中止を受けての来年度入 試の調査書評定の「確認方法」が決定しました。 添付の画像をご覧ください。 「確認」とは実に欺瞞的ですが、実際は、中2時のチャレンジテストの各学校ごとの平均 点を用いてそれぞれ学校の「評定平均の目安」を決定し、 それに±0.5(通常より幅は大きい)したものを「評定平均の範囲」とし、事実上、中学に その範囲に収めるように指示するものです。 ある意味、これでチャレンジテストの正体が露わになったと言えます。 学力向上を掲げながらも、実のところは、中学のランク付けがその一番の目的であったわ けです。 そうでなければ、目的も性格も異なる中2チャレンジテストを利用することなど道理的に 許されるはずがありません。 何が何でも、内申(調査書)をつける上で中学の格付けを必要とするからこそ、このよう な筋違いの方法を決定したわけです。 そもそもチャレンジテストは、全国で唯一大阪だけにある教員の評価権に直接的に侵害す るものです。 このような制度は子どもを分断し分別するのみならず、教員をも愚弄し、その仕事を奪う ものです。 また、これは、政治が仕組んだ意図的な教員信用失墜行為だと言っても過言ではありませ ん。 かつて“学テあって教育なし”と言われましたが、まさに“チャレンジテストあるところ 教育なし”です。 市民の会や組合を通して、なんとしても維新の目玉施策である本制度の廃止に向け、これ まで以上にともに力を尽くしていきたいと思います。 下記はフェイスブックに投稿したものですが、できましたらお読みください。 https://www.facebook.com/groups/1519664045019565/permalink/2599957826990176/ 維新政治の教育施策は、競争と格差を利用し、子どもたちを分断し分別するものと言って よいが、 2017年度公立高校入試より、利用している「チャレンジテスト 」制度はその最たるもの だ。 何しろ、教員の重要な仕事である生徒の「評価」について行政が直接条件をつけるわけで あるのだから。 こんな制度があるのは全国で大阪だけである。 今年、長引く休校により大阪府教育委員会は中3チャレンジテストは中止した。 これで行政の内申への介入はなくなる、とも思ったが、 昨日(6月19日)の大阪府教育委員会は、中2チャレンジテスト結果を利用して各校の内申 に条件をつけることを決定した。 呆れ果てて開いた口が塞がらない。教員の仕事そのものを愚弄し精神的に疲弊させる。 そして、学校・地域の経済的格差により子どもを差別する。これがチャレンジテストの正 体だ。 ここでは、中2チャレンジテストを利用してよいのかという道理的な問題はひとまずおき 、 一体これでどういうことが起こるのか、現場の中学教員から情報を得たので、検証してみ たいと思う。 ーーーーーー ある中学教員の報告 来年度の入試に向けて現中3生の評定。2年のチャレンジの結果を使うと、うちの学校の 評定平均値は4.35であるから、 今回微調整として±0.5にすると指示が出ているが、上限は、なんと4.85となる。 ざっくり説明すると5段階の評定で三分の二が5、あとは4となる。 職員室ではなんのために自分たちは成績つけているのかと、みんなカンカンに怒ってい る。 ーーーーーー これはチャレンジテストの点数が高かった中学の事例。 これとは逆に点数の低かった中学では、5や4が少数の生徒にしかつかなくなる。 教員にとって「評価する」というのは、最大の難関、つまり非常に難しい問題である。評 価などしなければ良い、そもそも評価自体が問題だーー そういった考え方があることも承知だが、ここでは現実的に教員がどのように評価を行っ ているか確認しておこう。 教員は個々の生徒の中間テスト・期末テスト、そして平常点、現在は観点別評価を経て、 5段階の絶対評価を個々の生徒にくだすわけだが、 悩みながらもできるだけ公平にそして生徒や保護者に説明できるよう最終決定を行う。教 員にしかできない重要な仕事のひとつである。 それが、チャレンジテスト制度では、教育委員会から評定平均の目安という数字が各学校 に示される。 今回は、画像にあるように、それに±0.5したものが評定平均の範囲となる。 先の報告があった中学では、それが4.35±0.5すなわち3.85〜4.85である。この数字が絶 対的となる。 9教科がそれぞれ絶対評価をしてそこに収まるかどうかはわからない。ではどうするかと いうと、最初から9教科ともその数字に収まるよう評定をつけることになる。 結果、体育や音楽など、チャレンジテストとは無関係の教科もそれで評価する。さしずめ 5・4のバブル状態となる。 仮に、公立高校入試の合格率を高めようとすると、上限の4.85に近い評定平均をつけるこ とになる。すると、この中学の生徒は公立高校入試に圧倒的に有利になる。 その逆にチャレンジテストの平均点が低い中学ではどうなるか。もうお分かりだろうと思 う。 これが高校入試の公平な内申と言えるだろうか。そんなわけがない。経済的に恵まれたい わゆる文教地区の中学に通う生徒は有利となるが、 その反対に、経済的に恵まれていない中学の生徒が不利になることは自明である。大阪で は、2016年度からこのような制度のもと生徒を分断し分別し差別しているのである。 Created by staff01. Last modified on 2020-06-20 17:47:25 Copyright: Default |