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「福島第一原発事故によるタンク貯蔵汚染水の陸上保管を求める共同声明」への団体賛同
のお願い

福島原発事故から9年。未だに原子力緊急事態宣言は解除されていません。
いま、事故によるタンク貯蔵汚染水の海洋放出方針決定への動きが急展開しています。
本年2月の経産省のALPS小委員会による海洋放出報告書を受けて、3月10日、安倍首相は「
意思決定まで時間をかけるいとまはそれほどなく、できる限り速やかに処分方針を決定し
たい」と発言しました。
その後、経済産業省が県内関係自治体や15市町村議会、4月6日からは「関係者の御意見を
伺う場」をコロナ禍を理由に傍聴なしで強行開催していますが、福島県漁連と福島県森林
組合が明確に海洋放出反対を表明しました。また、福島民報社が3月「時間切れ許さない
」という社説を出し、同17日には浪江町議会が海洋放出反対決議を行いました。依然とし
て、福島県民世論の多数は、海洋放出に反対の立場です。

わたくしたちは、一昨年の説明公聴会で圧倒的多数を占めた陸上保管を求める声を、一顧
だにしない政府の強硬姿勢を許すわけにはいきません。かけがえのない海をこれ以上汚す
な!漁業者を孤立させるな!と訴えてきました。
わたくしたちは、この夏にも、海洋放出方針を決定しようとする安倍首相らに対し、全国
の皆様と共同で声明を出し、国内外の市民の皆様に訴え、トリチウム等タンク貯蔵汚染水
の海洋放出をやめさせ、陸上保管を実現するよう求めます。

共同声明文は、下記または添付のファイルを参照してください。

どうぞ、この共同声明に団体賛同してくださるよう、お願い致します。
また、心を寄せるみなさまにこの訴えが届きますよう、新型コロナウィルス感染症の拡大
で、大変な折ではございますが、下記の通り、緊急かつ短時間の拡散をお願い致します。

●ご賛同いただける団体は、以下のフォームにご記入ください。
https://forms.gle/NQRuTqabW3QPd3vj7 <https://forms.gle/NQRuTqabW3QPd3vj7>

●第1次集約:4月18日(土)
●共同記者会見:4月20日21日(火)福島県庁
●第1次提出:4月23日(木)内閣総理大臣、経済産業大臣、復興大臣、環境大臣
●最終集約:5月16日(土)

呼びかけ
これ以上海を汚すな市民会議 
         共同代表 織田千代、佐藤和良

福島第一原発事故による
タンク貯蔵汚染水の陸上保管を求める共同声明
 
未曾有の被害をもたらした、東京電力福島第一原発事故は、未だ、政府の原子力緊急事態
宣言も解除されておらず、多くの住民が避難生活を強いられ、放射能汚染による長期的な
低線量被曝にさらされています。
 
 福島第一原発事故により発生しているトリチウム等タンク貯蔵汚染水の処理については
、経済産業省資源エネルギー庁に汚染水処理対策委員会「トリチウム水タスクフォース」
を2013年12月に設置し、「希釈後海洋放出」が最も短期間・低コストで処分できるとの処
分方法報告書を2016年6月に公表しました。
 
これに基づき、同年11月「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」が設置さ
れ、「風評被害などの社会的な観点」「被ばく評価に基づく影響」など観点から協議し、
2018年8月「広く国民の皆様に処分方法や処分した際の懸念等に関する意見を伺う」「説
明・公聴会」を開催しました。公聴会では、「海洋放出されれば、福島県漁業が壊滅的打
撃を受ける」という漁業者をはじめとする多数の人たちが海洋放出に反対し、敷地内での
タンク貯蔵を継続する等の陸上保管の意見を出しました。これらの声を切り捨て、敷地不
足を理由に陸上保管の継続に難色を示す東京電力の説明のまま、「地元の生活を犠牲にし
て廃炉を進めるのは論理が破綻している」「風評に大きな影響を与えないと判断される時
期までの貯蔵が必要ではないか」「敷地拡大が可能なのではないか」等の委員の意見も無
視し、本年2月、「はじめに結論ありき」のごとく、「海洋放出の方がより確実に実施で
きる」とする報告書が提出されました。
 
 これを受け、本年3月、東京電力は「検討素案」として処分方法を公表し、「トリチウ
ム以外の放射性物質の量を可能な限り低減(二次処理の実施)、トリチウムの濃度を可能
な限り低く」「地下水バイパス及びサブドレンの運用基準1ℓ当り1,500ベクレルを参考
に検討」して、福島県沖への海洋放出を年間22兆から100兆ベクレルで最長30年かけ放出
する拡散シミュレーションを示しました。

そもそも、タンク貯蔵汚染水は、液体放射性廃棄物です。1月時点で総量860兆ベクレルと
されるタンク貯蔵トリチウムは、原子炉内の燃料棒が溶融したために発生した核燃料由来
のトリチウムです。事故前の運転で年間2.2兆ベクレル海洋放出していたとされるトリチ
ウムは、核燃料由来のものではなく、核燃料を冷やす一次冷却水の中にできたトリチウム
が二次冷却水=温排水から放出されたものです。原子力施設から排出されたトリチウムは
、生物濃縮や健康影響の懸念が払拭されていません。

翻って、タンク貯蔵汚染水は、東京電力福島第一原発事故に発生原因があります。液体放
射性廃棄物であるタンク貯蔵汚染水は、東京電力が発生者責任の原則のもと、厳重に管理
し処理しなければなりません。国・原子力規制委員会は、東京電力福島第一原発について
、原子炉等規制法により特定原子力施設に指定している以上、関係諸法令に基づき、液体
放射性廃棄物を適切な方法により安全管理を講じさせなければならない義務があり、国民
の生命・財産を守るため、高度な注意義務を果たすことが求められています。仮にも液体
放射性廃棄物の処理によって健康影響や社会的被害を起こしてはならないのです。

事故後の港湾内外への放射性核種毎の放射能の総放出量や貯蔵タンク内の核種毎の放射能
総量などの情報公開もなく、放出に関する環境アセスと総量規制も実施しないままに液体
放射性廃棄物の海洋放出することは、許されるものではありません。タンク貯蔵汚染水=
液体放射性廃棄物は、予防原則に立って、タンク保管や固化保管等安全な陸上保管を進め
ることが現実的であり、国民の生命・財産を守るための懸命な選択です。

コストを優先してタンク貯蔵汚染水=液体放射性廃棄物を海洋放出することは、東日本大
震災と原発事故から再生途上にある漁業者に打撃を与え、水産業はじめ地域の社会経済へ
の影響は甚大です。これは、「人間の復興」に逆行する行為で許されるものではありませ
ん。

本年3月、安倍首相は「意思決定まで時間をかけるいとまはそれほどなく、できる限り速
やかに処分方針を決定したい」と発言し、本年夏までの海洋放出の政府決定に向けて走り
出しています。経済産業省が福島県内関係自治体や15市町村議会、関係者のヒアリングを
開始していますが、地元福島県の報道機関は「時間切れ許さない」という社説を出し、浪
江町議会が海洋放出反対決議を行っています。

4月6日に開催された「関係者の意見を伺う場」で福島県漁連の野崎会長は、「われわれ
としては、なんでこのようなことが起きたんだ、ということに立ち返えってしまう。やは
り原子力災害だ。われわれ福島県の漁業者は、地元の海を利用して、その海洋に育まれた
魚介類を漁獲することを生業としてきた。震災後、地元で土着しながら生活を再建すると
いうことを第一に考えている。その観点から海洋放出を反対するものという考えに至らざ
るを得ない。国の廃炉に向けて進めてきた汚染水の総量を減らすため、地下水バイパス、
サブドレンの排出に苦渋の想いで協力してきた。トリチウムを含んだ水については、関係
者の理解なしに、いかなる処分も行わない、というご回答をいただいている。それ抜きに
信頼関係は成り立たない。沿岸漁業では、1魚種1検体の抽出検査を行い、試験操業を実
施していきている。令和元年度の漁獲高は、震災前の14%。本年2月に出荷制限が解除さ
れ、今後、増産に向けて舵を切ろうとしている。9年で若い漁業者の参入が進んだ。今後
彼らに将来を約束していくためにも、海洋放出に反対する。また、海洋に県境はない。意
図的に海洋にトリチウムを放出することは、福島県の漁業者だけで判断することはできな
い。全漁業者の意見をきいてもらいたい。」と訴えました。これまで、福島県漁連は「海
洋放出には断固反対する」、全漁連も「全国の漁業者・国民に対する裏切り行為であり、
極めて遺憾である」と海洋放出を絶対に行わないよう強く求めてきました。

 
わたくしたちは、一昨年の説明公聴会で圧倒的多数を占めた陸上保管を求める声を、一顧
だにしない政府の強硬姿勢を認めるわけにはいきません。国は、全漁業者はじめ、福島県
内各自治体、全国各地で公開の公聴会を開き国民の声を聞くべきです。

 
 わたくしたちは、かけがえのない海をこれ以上汚すな!漁業者を孤立させるな!と訴え
てまいりました。あらためて、心を寄せるみなさまとともに、政府に対しトリチウム等タ
ンク貯蔵汚染水の海洋放出をやめ、陸上保管による恒久的対策を確立することを求めます。

2020年4月


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