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LNJ Logo 解散撤回に広がる支援の輪/韓国サンケン労組を支援する会 第6回木曜行動報告
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●韓国サンケン労組を支援する会・10月15日第6回木曜行動 報告

解散撤回に広がる支援の輪

<多彩な顔ぶれ、本社前で発言>

 後ろめたさからか、何が怖いのか、本社前の警備員が6人。7時15分から始まったサンケン電気本社前行動は、東京全労協の寺島さんの挨拶で始まった。サンケン電気だけでなくコロナの状況で一挙に噴き出した新自由主義の矛盾、企業は内部留保を労働者に回すべきだと力強く訴えた。出勤の社員や工事の人、チラシを受け取る人が増えている。ネットをつないでの韓国サンケン労組はキム・ヒョンガン、パク・チョンピル、オ・ヘジン、キム・ウニョンさんが発言。

 今回の韓国サンケンの会社清算の本質は組合潰しにあると不当性を訴え、最後まで闘う決意を述べた。4年前の闘いで韓国サンケン労組の組合員にお菓子を差し入れてくれた元新座市議、前日に最高裁の不当判決を受け「負けたとは思っていない」と言い切るメトロコマースの仲間も駆け付けてマイクを握った。21年も闘い続ける旭ダイヤ争議の仲間からは「人にやさしくない企業に明日はない」。参加者約30人。

<志木駅前で広まるサンケン電気の不当性>

 チラシを受け取る市民が増えている。「ああ、サンケン電気ね、働く人を大事にしない会社はダメよね」。地域でサンケン電気の「悪名」は広まりつつある。駅前では後から来た人も含め参加者約35人。

 争団連からの発言から始まり、埼玉市民の会の会員や所沢労音のメンバーがサンケン電気の卑劣なやり方に怒りをぶつけた。ネットから発言した韓国サンケン労組の仲間は「また志木駅前で、ご通行中の皆さんに話すとは思わなかった」としながら、「私たちの要求は単純。職場で働き続けたいだけ。会社は組合と話し合い清算を直ちに撤回すべきだ」と訴えた。

<韓国でも広がる地域の支援>

 韓国サンケンの工場がある慶尚南道は韓国の最南端だが、「輸出貿易地区」は海沿いのため風が強く体感気温が低くなり、早朝行動は辛くなってくる。地域の仲間が「地域対策委員会」を立ち上げ、ユーチューブやSNS用のカードニュース(下部の写真)を作成、行動にも駆け付けている。ユーチューブには「韓国の法律もOECD多国籍企業ガイドラインも守らない日本のサンケン電気を糾弾する」、写真の横断幕には「韓国の労働者に死をもたらす清算決定を撤回しろ!」と書かれている。

開かずの扉がほんの少し開いた

<池袋・東京事務所要請行動>

 池袋・東京事務所では、韓国サンケンの解散の問題について話し合いたい旨伝えると、何ですか、と閉じこもり作戦で開かずの扉だった東京事務所の扉が開いて出てきたのはA氏。 3年前庶務課長として、東京営業所で対応した人だ。

 10月から前任の不当要求対策係のB氏に代わって着任したという。総務課長だという。A氏は廊下では迷惑がかかるので中に入ってくれ、但し人数は3人で。時間は15分〜20分にしてくれと言う。通訳も必要だから5人ということで押切り、時間については初めてのことだからその程度でよいとして、他の人は一階の外で待機ということになり、部屋の中に入った。その場は、4畳半の位のソファーの長椅子が一つ置いてあるだけの部屋で、本当の事務室に入るには更にドアがある。

 早速、こちらから韓国サンケンの解散が、いかに問題であり、不当なものかを話し、テレビ電話で韓国サンケン労組と直接話してほしいといって韓国とネット電話をつないだ。キムウニョン副支会長が、会社解散がいかに違法不当なものかを話したが、A氏は、会社はきちんとやっていると思うという。こちらが本社は昨年11月に事業の選択と集中をするということで「戦略的見直し」を発表したようだが、今韓国で行われていることは、そんな高尚なものではない、ただ組合が憎い、組合をつぶしたいというだけのものだと強く批判した。

 韓国に別の会社を買収したことを知っているかとキムウニョンさんが聞いても、知らないといい、ここは交渉する所や窓口でなく、営業部門なので交渉できる立場の人はいない、責任ある上司や経営陣に伝えてほしいということについても、できないというばかりで、対応の内容は前任者と変わらない。

 キムウニョンさんは私たちの求めているのは工場に戻って働きたいということだけだ、と単純明快に要求した。今回は初めてあったので、この程度でよしとして、韓国サンケンの状況はよく勉強してきてくれということ、今日の話は必ず上層部や経営陣に伝えてほしいと求め、来週もまた来ると告げて退出した。

 これまで5回東京事務所への要請行動を行ってきたが、これまでは閉じこもり作戦で、ドア越しの対応で全く出てこなかったが、今回、3年前に出てきた総務課長が対応に出てきて面談をした。理由はわからないが、やはりあきらめずに抗議要請行動を続け、東京事務所前で昼休み抗議宣伝活動を続けてきた一つの成果だと思う。しかし対応内容は、前任者と変わらない、交渉はしない、窓口ではない、上部には伝えないという全く無責任なものなので、今後闘いを更に強めていかなければならないだろう。

<池袋・東京事務所前昼休み集会>

 小雨が急に振り出す中で昼休み集会が始まった。始めに、埼玉市民の会の方の発言をはじめ、経産省前反原発座り込みに参加している方、解雇攻撃と闘っている連帯労組武蔵学園、非正規職の組合である東京労組メトロセルビス分会など多くの市民、労組、争議団の方々の韓国サンケンの解散撤回を求める発言が続いた。そして最後に韓国から支会長のオヘジンさんと副支会長のキムウニョンさんがネットを通して熱い決意と連帯の情がこもった発言があり、シュプレヒコールで締めくくった。

<オヘジン支会長の発言(要旨)>

 この95日間の闘いの間、本社との交渉を求めてきたが、本社は無しの礫の状態だ。サンケン電気の任命したサンケン電気の社長は、生産向上させるとか発展させるとかには関心を傾けず、もっぱら労組員を弾圧することに熱中している。サンンケン電気本社は、そのような無責任な韓国サンケンの社長を任命して、突然工場の閉鎖を持ちだしてきた。私たちは韓国サンケンの閉鎖を撤回して稼働を継続していく、また新たな資本を投下して、会社を回すことを要求している。サンケン電気の経営者はこの違法なやり口をいい加減で工場閉鎖方針を撤回しなければならない。
 サンケン電気本社は世界各地に出かけていって世界各地の社会の発展に寄与するとホームページで宣言した。社会各地の人々と話し合い各地の法律を尊重し、社会的な価値を高めていくとサンケン電気の本社はHPで述べている。サンケン電気は自らが宣言し自ら定めた方向、大義、道義を、自ら尊重するよう要求する。日本のサンケン電気がグローバル企業としての社会的責任を果たすよう期待する。現在の韓国サンケンの問題を解決するまでは、私たちは最後の最後まで闘い続けるだろう。

<キムウニョン副支会長の発言(要旨)>

 サンケン電気の韓国における100%子会社サンケン電気は、税金免除など47年間に亘って優遇措置を受けてきた。しかし民主労組ができると30年間にわたって労働弾圧をかけてきた。韓国から撤収という脅しをかけてきた。4年前労働組合員だけを整理解雇してきた。これに対して日本遠征闘争までした。中労委では、整理解雇は違法不当だと判定を下し、解雇は撤回された。今度は、労働組合員を追い出すために工場そのものを無くしてしまおうとしている。
 しかしそれは韓国の法律に違反するものだ。労働者はまじめに働いているにも関わらず、生産すればするほど、会社は赤字になった、それは赤字になるしかないほどの量しか本社が韓国サンケンに発注しないためだ。赤字は裏で計画的に、人工的に作られたものだ。
 サンケン電気は労働組合を嫌ったに過ぎない。サンケン電気は、違法を重ねながら撤退するチャンスを狙っていた。コロナが流行し、日本が入国を禁止した機会を狙って、韓国サンケンの廃止を実現しようとしている。しかしそれは、労使やOECDの合意文に違反している。
 労組があることは会社の廃止の理由にはならない。労組活動をしていることを工場閉鎖する法的理由にはならない。コロナが流行しているが、労働者を解雇してもよい理由にはならない。コロナを隠れ蓑に労働者を殺していく企業には鉄槌を下していかなければならない。
 韓国でも日本でも会社解散・清算を撤回させるための連帯が大きく広がっている。私たちは友情で結ばれた美しい活動家たちだ。正義にみちた闘いをして最後には勝利する。会社解散を撤回させるまで最後まで闘うことを誓う。


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