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「声をあげろ、というより感じろ」/福島映像祭で出会った作品群 | ||||||
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「声をあげろ、というより感じろ」〜福島映像祭で出会った作品群堀切さとみ2013年から開催されている「福島映像祭」。福島原発事故を伝える新作が今年も目白押しで、私は9月21日に「私が伝える福島」というイベントに参加した。コロナで上映会も取材も停滞し、福島とどう向き合えばいいのか、考えあぐねていた私にとって、忘れがたい日になった。二つの作品について感想を記したい。(会場は東京・中野のポレポレ座)。 『それでも種をまく2011』『それでも種をまく 2019』
『フィーネ 2-2-A-219』(中筋純・作) 10分間のこの作品を観たら、よくある解体現場の風景がまったく違うものにみえてくるだろう。思い出が詰まった家はただの解体番号となり、ピアノも大黒柱も袋に詰められる。浜通りでは何百何千という家が、このような悲鳴をあげているのだ。想像力を掻き立てられる、圧巻の作品だった。
この作品はyouTubeにもアップされているが、登壇した中筋純さんと堀川さん夫婦から語られたエピソードで、いっそう胸が締め付けられた。 解体作業を撮影していた中筋さんは、大黒柱が倒れるとき「オレの最後をみろよ」と言われてる気がしたという。堀川さん夫婦は、解体現場に一度も足を運ぶことができなかったが、妻の貴子さんは完成した作品をみたとき、「自分の気持ちが完全に乗り移った」と語る。ショパンのエチュード『別れ』も、最後に流れる詩も、堀川さんそのものだった。 Created by staff01. Last modified on 2020-09-24 11:03:37 Copyright: Default | ||||||