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布施祐仁さん「対米従属の源流」を語る〜9.17日朝ピョンヤン宣言18周年集会

動画(2時間)

 「いまだに首都圏の空は米軍に占領されている。アメリカとの異常な関係、それがどこからきているのか。朝鮮戦争だと言える」というお話しから始まったジャーナリスト布施祐仁さんの講演。コロナ禍により講演は軒並み中止となったり、オンラインでリモート出演したりと、大勢の前で話すのは何カ月ぶりかと言っていました。

 9月17日午後6時半から東京の文京区民センター3A会議室でおこなわれた集会。いつもなら300〜400人は入る会場が、定員100人と制限され、2階の2A会議室も借りて3階の様子を映像で見てもらいました。参加者は3A約100人、2A約50人でした。

 布施さんは「対米従属の源流=朝鮮戦争と日米安保」と題して講演しました(写真)。今年は朝鮮戦争開戦70年。開戦日の6月25日、産経新聞を除き、日本の新聞のどこも取り上げていなかったとのこと。朝鮮戦争が今も続く休戦状態であること、日米安保体制が、「朝鮮戦争の最中にアメリカが日本の国土や国民・自衛隊、経済などをアメリカの世界戦略とそれを支える軍事行動(戦争)のために『丸ごと利用する』ものとしてつくられた」ものであることを、私たちはもっと意識しなければならないと感じました。米軍は日本を拠点に朝鮮戦争をおこないました。「国連軍」とは、米軍が指揮する多国籍軍のこと。朝鮮国連軍の司令部は日本に置かれ、日本全土が国連軍の「後方基地」になりました。「特別掃海隊」を派遣して機雷を除去したり、輸送船の運行のため民間人船員も数千人動員されたとのことです。現在も7つの米軍基地(キャンプ座間、横須賀海軍施設、佐世保海軍施設、横田飛行場、嘉手納飛行場、普天間飛行場、ホワイトビーチ地区)が朝鮮国連軍の基地に指定されています。

 「敵基地攻撃能力保有」問題については「北朝鮮による日本へのミサイル攻撃があるとするならば、米朝戦争が開戦し北朝鮮にとっての『敵基地』(攻撃の策源地)がある日本を攻撃するケース。だが、移動式発射台のミサイルを発射前に叩くのは不可能に近い。北朝鮮のミサイルの『脅威』から国民を守るのであれば『米朝戦争』を起こさせないことが一番」と話していました。また「在日米軍は日本を守るためにいるのではない。アメリカが北朝鮮、中国と戦争を始めれば、日本は確実に巻き込まれる。日本がやるべきは、アメリカと一体となった『戦争準備』ではなく、戦争を起こさせない外交だ。2002年の日朝ピョンヤン宣言に立ち返って、拉致、核、ミサイル、戦後補償などの問題を包括的に解決していく交渉が必要。核兵器禁止条約に参加し、朝鮮半島の非核化だけでなく、『北東アジア非核兵器地帯』へ、敵視する『軍事同盟』から協調的安全保障へ」と話しました。とてもわかりやすく、すっきりしていて、このようなことをしっかり意識しながら、日韓・日朝連帯の活動や平和運動を進めていくことが必要だと思いました。

 韓国からは「安倍糾弾市民行動」からビデオメッセージがありました。「8.15民族自主大会」の様子や、全国各地で「自主統一」や「アメリカの言いなりになるな」と、闘っている様子が伝わってきました。大会の公演で「ノレペ・ウリナラ」や「ヒマンセ」が歌っている場面もあり、コロナで韓国に行けなかったことを、とても残念に思いました。

 特別報告として、在日本朝鮮人人権協会の朴金ウギさんが「生み出され続ける朝鮮学校差別2010‐2020」と題して話しました。ウギさんは「『朝鮮』につながる者を排除しようとする日本の継続する植民地主義。その根底にある日本の植民地支配責任・戦争責任の回避、朝鮮半島の分断、朝鮮と米国の戦争構造。朝鮮学校差別と向き合うことは、こうした構造を克服することにつながる。歴史の不正義を見過ごさず、共に声を上げてほしい」と訴えました。

 また、憲法、沖縄、強制動員・過去清算、日本軍「慰安婦」の各問題に取り組み、再先頭で活動されている方々からアピールがありました。とても充実した集会でした。2階の大画面での集会参加もよかったとのことでした。(尾澤邦子)


Created by staff01. Last modified on 2020-09-22 09:25:48 Copyright: Default

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