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報告:「9.11経産省前テントひろば10年目大集会」

笠原真弓

「9.11経産省前テントひろば10年目大集会」が、経産省の正門前で300人の人を集めて行われた。まだまだ日差しのきつい、暑さの厳しい4時半過ぎ、地下鉄を上ると歌声が響いてくる。脱原発テントひろばができて10年目である。経産省正面には人が集まり出していて、知っているお顔があっちにも、こっちにも見える。

ことしは、コロナ自粛で福島からの仲間たちは遠慮したようだ。なんと本部の机には、淵上さん、正清さんらもう会えない仲間の写真が並ぶ。まるで一緒に経産省に抗議をしているようだった。中には、私の中高生時代の同窓生もいる。

歌の後、主催者挨拶に三上治さんが立つ。10年目という持久戦の中で、目に見えないテントは、みんなの心の中に深く沈んでいると語る。次にステージに上がったのは、講談師の神田香織さん。この後舞台稽古があるという多忙な中、駆けつけたのだ。「アベと共に原発よ去れ!スガも去れ!」と通る声でコールした。福島みずほさんの後は、福島の双葉町からの避難者亀屋幸子さん。「悪いことをしていないのに、なんでこんなに苦しまなければならないの?」と悲痛な声を上げる。そして「お願いしたいことは、東海第2原発を再稼働させないでください。私たちは、電話で話をしていたも、いつも帰りたいといっています。ふるさとなんですから。もし東海第2が稼働して事故が起きたら、私たちと同じ思いをする人が、大勢生まれます。そうならないために…」と。

月曜から日曜までの各曜日の座り込み当番の方の報告が続く。通りがかりの人にねぎらわれたり、経産省に入っていく人に激励されたりのエピソードも披露された。ほぼ毎日いらしている脱原発一筋の斉藤美智子さんも、92歳とは思えない声で「経産省は不経済省です」と経産省の窓に向かって訴えた。

続いて原発事故当時首相だった菅直人さんが、原発反対ということを日を経るにつれ強く思うという。引き続いてテント訴訟の弁護士河合弘之さんは、いつも世論をかきまわし続けること。忘れられてないように、テントは経産省ののど元に匕首を突き付けているようなものだ。「原発は安全だ」という雰囲気を作ろうとしているが、そうなる前、5年以内に必ず止めると約束した。

鎌田慧さんは、公務員は大企業の利益のために働いている。もっとプライドを持って仕事をしてほしい。原発は世界的に破綻した技術とされているのに、日本だけがしがみついている。東海第2原発もこれから動くことはないだろう再処理工場もしかり。それなのにお金をつぎ込んでいると、その理不尽さを指摘した。

落合恵子さんも駆けつけ、安倍が病気で辞任すると言えば、数%も支持率が上がる国って何でしょうと「総選挙で答えを出しましょう。野党は何やってるんだ。日本が崩される前に新しい政府を作っていこう。疲れたら休んでもいいから、闘い続けていこう」と呼びかけた。

たんぽぽ舎の共同代表に加わった山崎久隆さんは「トリチウム入りの汚染水を海に捨てろという声がやまない。原子力学会が、30〜40年で海洋投棄は不可能で、その倍以上の年月がかかるといっているのに、もっと早く処理するようにという声が弱まらないと嘆いた。

福島から、武藤類子さん、黒田節子さんからメッセージが寄せられた。最後に、高橋織丸による「フクイチ一人語り」の講談が披露された。さらに経産省に向かってのシュプレヒコールの後、歌が次々披露され、参会者も声を合わせた歌声が明かりのともる経産省の窓に吸い込まれていった。


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