

*レイバーネットMLから
堀切@シネクラブです。
緊急事態宣言が解除となったものの、まだまだ先がみえないコロナ情勢。そんな中で六月
六日、郵政共同センターで、久しぶりにシネクラブを開催しました。
12人が参加し、男性は三名(Kさん、Mさん、Rさん)といういつもの顔ぶれ。あと
は「久しぶりに映画が観れると思って楽しみだった」という初参加者を含む女性たち。
いつにも増して、華やいだ上映会となりました。
・・とはいうものの、映画の後の第一声は「疲れた〜!!」「ビール飲みたい!」・・で
した。
今回の上映作品『コンティジョン』(写真・2011年/アメリカ)の意味はズバリ「接触感染」。
2011年と言えば東日本大震災と福島第一原発事故で、感染症などまったく人々の関心では
なかったのですが、公開当時に劇場で観たという人が三人いました。。「好きな監督の作
品だったから」(Оさん)、「マット・デイモンが出ていたから」(Kさん)というのが
観た理由で、木下昌明さんに至っては「その時は全然面白くなかった」とケンモホロロ。
そんな映画が2020年の今日、こんなにリアルに迫ってくるとは!
WHOやCDC(疫病予防管理センター)やブロガーなど、いろいろな人たちが登場し、場面は
世界中をかけめぐる。テンポが速くてついていけなかったという意見もありましたが(私
も一回観ただけではわからないことが多く、三回観返しました)、よくぞ9年前にこれほ
どリアルな映画が作られたものだと驚く声が多かったです。
劇中、どのようにして最初の感染者が出たのか、CDC職員が監視カメラを探索するシーン
が出てきます。日本では「最初の感染者になることは恥ずべき事」になっていますが、「
感染者が謝らなければならない社会こそおかしい。謝るべきでなく助けるべき存在だ」と
いう意見が出ました。そんな討論を通じて、もし同じタイトルの映画を日本で作ったら、
まったく違う作品になるのではと思いました。
日本は幸いなことに感染者も死者も少ないですが、コロナによってではなく政治によって
殺される人が増えています。アメリカの人種差別反対デモにみられるように、次のステー
ジに来ているのは明らかです。「命と経済、どっちをとるか」といった図式を超えて、討
論では多岐にわたる意見が出ました。ワクチンさえ開発されればOKなのか。動物認知学
において「ソーシャルディスタンス」がどのような意味をもつのか等々、感染症が人間社
会にどのような影響を及ぼすのか。日本のコロナ報道からは見えてこない視点ばかりで、
とても刺激になりました。疲れる映画でしたが、みんなで観て話してよかった!
とはいうものの「次回はぜひ感動モノを」という声もあり、さっそく推薦作品が寄せられ
ています。皆さんもぜひ!
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staff01.
Last modified on 2020-06-10 09:56:30
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