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外資系企業に日本の労働法はないのか?〜「マカフィー」で退職強要事件


*会見で話すAさん

 セキュリティソフトで有名な「マカフィー」で驚くべき事件が起きていた。日本法人の営業職で働く都内在住40代の女性Aさんに対する「退職強要事件」である。5月13日、Aさんは「退職無効」求める労働審判を東京地裁に申し立てた。いったい何があったのか?

 Aさんが突然、個人面談として上司から会議室に呼ばれたのは2019年9月24日夕方で、人事部長も在席し3人対1人だった。Aさんはその時の様子を13日の厚労省会見でこう語った。「担当部署をクローズするとか言われ、2時間53分にわたって高圧的で、退職確認書にサインしないと解雇する、と何度も言われた。回答を翌日まで待ってほしいと私が何度いっても、“待てない、この場でサインしろ”の繰り返し。本当に怖かった。“外資系にいる以上、ぼくらはプロ”と言うのを聞いたときに、外資系では日本の法律が守られていないんだと思った。解雇になるとレッテルが貼られ、転職が不利になる。回答しないと部屋から出してもらえない。考える余裕もなくサインしてしまった。その後、会社と交渉もしたがあまりに不誠実なので今回申し立てることにした。同じ目にあっている人もいると聞く。こんな目にある人をこれ以上、増やしたくない」と。


 その日、Aさんは不本意ながら書類に署名をし、会社支給のパソコン、スマートフォン及び社員証を返却させられて退勤した。その際、上司はAさんを20階のエレベーターに乗るまで同行して確認した。そのためAさんは20階にあるトイレに行くこともできなかったという。Aさんに対してはこれまで上司によるパワハラが行われており、その流れが今回の「退職強要」につながったようだ。

 担当の指宿昭一弁護士は、「いま外資系企業では、このような強引な退職強要が頻繁に行われている。本人に考える時間を与えず、外部に電話をかけたり弁護士と相談する時間を与えない悪質な手口が特徴だ。Aさんの署名は、労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとは言えない。よって退職合意は成立していない」と日本の法律を適用すれば勝てる案件との認識を示した。(M)


*マカフィー米国本社


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