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シアトル市議クシャマ・サワントさんが「家賃と職場のストライキ」を呼びかけ
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情報提供 : 愛知連帯ユニオン

 今、米国中でコロナウイルスストが進行しているという。フィアット・クライスラーで、ジェネラル・ダイナミックス社の鉄工造船所で、アマゾンの倉庫で、下水部門で、鶏肉処理工場で、チムスターの支部で、労働者が仕事の放棄や山猫ストをはじめている。
以下は、アメリカ国籍の組合員からのメーデーの取り組みの紹介です。
 シアトル市議会議員のクシャマ・サワントさん(写真中央)のコロナ危機に対する全国的な「家賃と職場のストライキ」の呼びかけを掲載します。この呼びかけは、アメリカで女子高生に一番人気があるファッション雑誌 Teen Vogue(ティーンヴォーグ)を継承したWEBサイトに掲載されています。若者に大きな反響があります。

https://www.teenvogue.com/story/rent-work-strike-may-1-kshama-sawant

5月1日、全国の主催者が家賃と職場のストライキを実施します

2020年4月16日 クシャマ・サワント

COVID-19によって引き起こされたこの人間の惨状は、アメリカ人の意識に強く、いつまでも消えずに残ることでしょう。アメリカでは、パンデミックはこのようになるはずではなかったという認識が高まり、その意識は広まっています。トランプ政権の過失は、米国民の死と感染の規模に直接的な責任があります。同時に、資本主義システム自体がこの悲惨さの根幹にあります。なぜなら資本主義である限り、常に一般の人々の生活とニーズよりも利益を優先するからです。

危機が高まる中、労働者が危険な状況に直面し、検査や医療を受けることができず、そして記録的なレベルの失業に直面している一方で、アメリカ史上最大の企業救済が行われています。そして今、解雇された1600万人の多くは、5月1日に家賃を払うか、それとも十分に食べるかという選択を強いられることになります。これに続き、アメリカの賃借人のほぼ3分の1の人々は、4月の最初の週に家賃を払えませんでした。

労働者と若者は、大規模な闘いのために組織化される必要があります。私たちは、第一線で働く人々の犠牲、勇気、連帯を決して忘れてはなりません。そして、このパンデミックに不可欠だったのは、億万長者やCEOではなく、一般の労働者であることを常に覚えておく必要があります。資本主義が表面上は良く見えていても実際は非常に問題がある制度だと、この危機は容赦なく暴露しました。カール・マルクスが「資本主義の経済では、利益を生み出すのは労働者階級であり、その利益を資本家たちは搾取する。」と説いた事は正しいです。

アマゾンやインスタカートの労働者や、バスの運転手やごみ収集作業員まで、一般の人々はストライキや職場で勇気ある行動を起こしています。これらのアクションは次々と伝播し、もうすでに私たちの勝利を見ているかのようです。

私たちはこの運動の高まりと互いの繋がりを強固にし、そして努力を重ね、5月1日の全国アクションを実施します。

家賃不払いストライキ!

(1929年の)世界大恐慌のような失業という状況の中で、300万人がジョシュア・コリンズ氏(https://www.joshua2020.com/)と「レントストライキ2020」が始めたオンライン請願書に署名しました。その請願書は、すべての住宅ローンや家賃、電気代・ガス代、借金債務の不払いとペナルティーの免除を要求するものです。

この請願に大勢の人々が非常に早い段階で署名したということは、一般の人々が直面している状況が、いかに悲惨かということを表しています。そして、私たちが組織化し団結することで、大手銀行や地主、裁判所が数百万人を立ち退かせることは簡単にはいかなくなります。

そのために私は「レントストライキ2020」、「社会主義オルタナティブ」に共同で、5月1日の全国的なレントストライキの実施を呼びかけています。

「払えない、払わない」というスローガンのもと、可能な限り幅広い不払い運動を築こうとしています。私たちが地方および全国的に組織化された場合、さまざまな都市や州にまたがる家賃、住宅ローンの支払いを一時停止する立法措置を実施できると考えています。しかし、一人の個人が支払いをしないだけではもちろん勝てません。建物ごとにそして近隣レベルで組織を成立させ、立ち退きを阻止するために団体交渉をする必要があります。

 彼らが私たちを立ち退かせることができないように、どうかこのストライキに参加してください。

労働者のアクションとストライキ

 トランプ氏は、経済活動の再開をイースターまでにと表明していましたが、5月上旬へと時期を変更しました。この計画が前進した場合、それは大勢の人々の命がウイルスの危険にさらされる可能性があります。

 5月1日は国際労働者の日です。私たちはその歴史を労働者階級の力の日として、そしてこのパンデミックで起こっていることに対して今行動を起こす時として見るべきです。

5月1日の組織化された大規模な行動は、企業の利益のために労働者を犠牲にするという億万長者階級に抵抗する上で極めて重要でしょう。成功するために、私たちには今更なる努力が必要です。

労働者ができることは、例えばストライキ運動を組織する、1時間以上放棄する、仕事に戻ることを集団で拒否する、意図的に仕事を「スローダウン」するなどの行動が考えられます。また5月1日に組織的な「病欠ストライキ」をするというのも見込みのある行動です。パンデミックの中でも安全に結集する方法を考案したニューヨークとカリフォルニアの医療従事者、ボストンの食料雑貨労働者、彼らに続いて私たちは全国の職場で、社会的距離を保ちながら抗議活動を組織することができます。また、この運動は、仕事に従事していない人々でも誰でも店の前で抗議することができます。

報復が心配される組合のない職場では、労働者は経営陣に知られないように要求について同僚と話し合い、しっかりとした支援基盤が構築された後、公共キャンペーンを開始する必要があります。

 労働組合は、私たちに死を送り込もうとしている億万長者や政治家に対し強く抵抗するために準備し、私たちを助けなければなりません。そして、労働組合員と非労働組合員を同様に導いてください。そうすることで今日の非労働組合員は明日の労働運動の主要な力になります。現在の組合指導者が闘いたくない場合は、新しい指導者を選出するか、新しい組合を結成してください。

労働組合は、すでに全国で提起されている強い要求を取り上げるべきです。これには、適切な個人用保護具(PPE)の要求、すべての労働者に1.5倍の危険手当の支給、病気の時の有給取得、職場での清掃手順、職場の安全と民主主義、および労働組合権の擁護が含まれます 。さらに、米国のすべての世帯に対して月額2000ドルの支給を求めるバーニーサンダース上院議員の呼びかけを支持しましょう。

この危機では、営利目的の医療業界の失敗が露呈し、メディケア・フォー・オール(国民健康保険制度)を支持する人が急増しています。私たちはメディケア・フォー・オールのために闘う必要があります。医療、製薬業界、病院を、企業の利益ではなく、人命のために労働者が運営する民主的な国有化された組織でなければなりません。

「普通」では十分ではない

 何百万もの人々が連帯の行動を通して、人間の深い思いやりを示しています。今後は、ごく少数の人間の欲望のための社会ではなく、多くの人々の協力に基づく社会を築き上げる必要があります。

そのために私たちは5月1日の行動の日までに連帯意識を高め、来るべき闘争に備えます。

私たちは、すべての人々のためのメディケアを獲得する運動と主要なグリーンジョブプログラム(環境の維持、修復に関わる職業)の運動の基礎を作ります。私たちは、レントストライキ2020を通じて団結し、家賃のコントロールと公営住宅の大幅な拡大を勝ち取るための住宅正義運動を実施します。私たちは、右翼からの人種差別主義、性差別主義、排外主義の攻撃に対して深く団結する基礎を作ります。大企業の独裁ではなく、労働者階級が主導する社会主義社会が必要です。この地球のすべての人々の健康と安全、そして人類の未来を確保するための民主的な計画が必要です。

 5月1日に労働者階級の力を集結し、最強のデモを作りましょう。私たちには勝つべき世界があります。

Created by staff01. Last modified on 2020-04-24 08:59:49 Copyright: Default

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