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みなさま

VAWW RACは、〈平和の少女像〉展示中止の暴挙に抗議して
今日、大村知事、津田監督宛に以下の抗議文を提出します。
拡散歓迎します。よろしくお願いします。

********************
愛知県知事 大村秀章さま

あいちトリエンナーレ2019 芸術監督 津田大介 さま

〈平和の少女像〉展示中止に抗議し、展示の継続を求めます!

〈平和の少女像〉(正式名称「平和の碑」、以下〈少女像〉)が、8月1日からはじまった
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」で展示さ
れました。これが報道されるや、抗議の電話が殺到したとされ、河村たかし名古屋市長が
〈少女像〉の展示を「日本国民の心を踏みにじる行為」として展示中止を求めました。ま
た、菅義偉官房長官も展示に関して補助金交付差し止めを示唆しました。8月3日、大村
秀章愛知県知事と津田大介芸術監督がテロ予告や脅迫電話・メールが来たとして、〈少女
像〉を含む企画展「表現の不自由展・その後」を一方的に中止すると通告しました。

以上のように、公然と「表現の自由」への政治介入が行われたのであり、憲法21条で禁止
された「検閲」にほかなりません。まさに歴史的な暴挙です。また、卑劣なテロ予告や脅
迫で展示中止になったとすれば、歴史修正主義者によって民主主義の根幹である「表現の
自由」が奪われたことを意味します。

しかし、そもそも〈平和の少女像〉は、民衆芸術家であるキム夫妻によって、2011年に「
「慰安婦」被害者の人権と名誉を回復するために在韓日本大使館前で20年間続いてきた水
曜デモ1000回を記念し、当事者の意志と人権の闘いを称え継承する追悼碑として市民団体
が構想し建てられた」もので、今や「戦争と性暴力をなくすための「記憶闘争」のシンボ
ル」になりました(「平和の不自由展・その後」の説明から)。

つまり、〈平和の少女像〉は、戦争と性暴力被害のない、女性の人権が実現される平和な
世界を願ってつくられた芸術作品です。これはジェンダー平等を核心的なテーマとする「
あいちトリエンナーレ2019」の精神に合致するものです。

また、〈平和の少女像〉は、美術館のなかに芸術作品として展示されているのであって、
日本政府の言うウィーン条約違反にもあたりません。河村市長の言う「日本国民の心を踏
みにじる」という発言もお門違いです。河村市長が踏みにじったのは、被害女性の人権で
あり、表現の自由です。

日本に「表現の自由」があるのかを問い直す「表現の不自由展」で、行政の「検閲」その
ものである〈少女像〉を含む芸術作品の展示中止を許してはならないと考えます。戦争と
性暴力のない女性の人権が実現される平和な世界、そして「表現の自由」を求める私たち
は、〈少女像〉と「表現の不自由展」展示の継続を求めます。

2019年8月4日

「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター

(VAWW RAC)運営委員一同 

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