本文の先頭へ
LNJ Logo 「徴用工問題」に対する日韓市民共同声明
Home 検索
 


情報提供 : 高井弘之

【「徴用工問題」に対する日韓市民共同声明】

先日、強制「徴用」被害者遺族の方々の「記者会見」の様子と、それを放送したNHK松山放送局の映像などを投稿しました。その後、6月1日に愛媛で行った「証言会」の最後に、私たちは、『共同声明』を共同発表しました。

長いものですが、それを、以下に貼り付けます。

昨秋の「韓国大法院判決」後の、日本の政府・マスコミ・社会の、「この問題を解決する責任は韓国の側にあり、間違っているのも韓国だ」というような、加害国側としてあり得ない、まさに転倒した、「逆切れ」的な状況は、何としても変える必要があります。

この、「日本は正しくて、間違っているのは韓国・朝鮮」という植民地主義的認識・感情は、いまや、一部の右翼・保守勢力だけでなく、「反安倍政権」の人びとや野党も含めた挙国一致的なものにまで、ほぼ到っているように見えます。

それだからこそ、この状況を克服し変えることは、焦眉かつ必須の課題だと思います。

そのためには、まずは、
【「徴用工問題」を含む日本の植民地支配による被害への賠償は「日韓請求権協定で解決済み」】という政府やマスコミの主張が全く虚偽であることを、その根拠・証拠と共に多くの人たちに伝え、その〈事実〉を広く知ってもらう必要があります。

そのためにも、この『声明』を、シェア・転送・転載などで広めていただければと思います。

『声明』における私たちの主張の裏付けー根拠・証拠についても、『添付資料』としてまとめ、作成しています。こちらは、さらに長いので貼り付けできませんが、言っていただければ、メッセージやメールへの添付の形でお送りすることができます。活用していただければと思います。

それではよろしくお願いします。

///////////////////////////////////////////////////////////////

「徴用工問題」に対する日韓市民共同声明 ―日本の政府・メディア・社会に向けて―

【はじめに―「愛媛・日本」と「平澤・韓国」の市民交流―】

 私たち「愛媛―日本」と「平澤―韓国」の市民は、相互理解と友好の関係をめざして十数年間にわたる交流を続け、さまざまな共同の取り組みを行って来ている。
 私たちは、その交流活動の中心に、「日韓市民共同歴史シンポジウム」の定期的開催を据えている。日韓の市民がほんとうの友好関係を結び、友情を育んでいくためには、「歴史認識の共有」が必要であるとの考えからである。私たちがそのようにした背景には、近代日本の侵略・植民地支配を正当化する「歴史歪曲教科書」の登場を中心とする日本における排他的・自国中心的ナショナリズムの高まりがあった。
 周知のように、愛媛―日本の市民は、朝鮮への植民地支配―加害を行った国の国民であり、いまなお、その被害に対する責任を政府にとらせることができていない日本国民である。一方、平澤―韓国の市民は、日本による植民地支配の被害国の国民であり、いまなお、植民地支配の非を認めぬ言動を続ける日本政府によって、「二次的被害」とでも呼ぶべき被害と苦痛を受け続けている韓国国民である。
 このように、私たちは、日本の植民地支配―「強制徴用工問題」に対して、その責任の有無や自らが立っている位置は、それぞれ明確に異なる。しかし私たちは、この問題に対する認識―「歴史認識」を共有している。以下、私たちの共有する「認識」を発表したい。

【私たち日韓市民が共有する「徴用工問題」に対する認識】

一 日本政府及びほとんどのマスメディアによる、「『徴用工問題』は『日韓請求権協定』で解決済み」という主張は完全な虚偽である。その理由並びに根拠は以下のとおりである。

� 嵜¬叡六拉曚蝋臻 �正当だった」が日本政府の立場である

 日本による朝鮮の植民地化(「併合」)は、強く反対・抵抗する大韓帝国国王・政府及び民衆に対して武力でもって暴力的に「既成事実化」したもので、当時の国際法によっても違法なものであった。 
 しかし日本政府は、朝鮮に対する植民地支配は違法・不当ではなく合法・正当なものであり、自らの非はなかったという立場で『日韓基本条約・請求権協定』(1965年)を結んだ。このことからの必然として、日本の植民地支配による被害への賠償などいっさい行っていない。
 「日本による朝鮮統治」は合法で正しかったというのが政府の認識―立場だったのだから、その非と責任を認めることを意味する補償・賠償など、立場上・論理上、在り得なかったのである。〔資料―注� �

�◆崟禅畍�協定」によって行われたことは賠償ではなく「経済協力」である

 日本政府が、韓国への賠償は「日韓請求権協定で、完全かつ最終的に解決済み」と主張するところの当『協定』で行ったことは、賠償ではなく「経済協力」であった。当時の外相・椎名悦三郎は当『条約・協定』調印後の批准に向けた国会で次のように答弁している。

「経済協力というのは純然たる経済協力ではなくて、これは賠償の意味を持っておるものだというように解釈する人があるのでありますが、法律上は、何らこの間に関係はございません。あくまで有償・無償5億ドルのこの経済協力は、経済協力でありまして〔以下略〕」(参議院本会議/1965年11月19日)

 上に明らかなように、日本政府が行ったことは、賠償とはいっさい関係ないところの「経済協力」だったのである。〔資料―注�◆�

�� その「経済協力」金は日本企業に渡された

 この「経済協力」は、お金(無償3億ドル、有償〔利子付の貸し付け〕2億ドル)を直接、韓国政府に渡す形ではなく、「日本国の生産物及び日本人の役務」で代替する形だった。したがって、そのお金はその「生産物・役務」(商品や労働・サービスなど)を提供した日本の企業や商社に渡された。「経済協力金」を何に使うかについては、韓国政府がその「実施計画」を作成し、日本政府と「協議」し「決定」された。  
 つまり、それは、韓国政府が自由に使えたわけではなく、日本政府の承認が必要であり、かつ、その「使い先」は日本企業であった。「経済協力方式」は、日本―日本企業に利益を与え、かつ、それを土台―踏み台にして韓国での企業活動―利益追求活動を始められるようになることを意図して行われたものだったのである。〔資料―注��〕

 以上、日本政府は、日本の植民地支配の不当・不法を認めず、かつ、その違法な植民地支配で受けた韓国の人びとの被害等に対する賠償はいっさい行っていない。本来すべきこれらのことをせず、ただ、上のような、日本企業に利益をもたらす内容・性格の「経済協力」を行っただけだったのである。

二 韓国大法院「徴用工判決」とは何か

 上記のように、日本政府は、『日韓基本条約―請求権協定』を、日本による植民地支配は合法で正当なものだったという立場から締結している。一方、韓国大法院における同『判決』は、「日本政府の朝鮮半島に対する不法な植民地支配および侵略戦争の遂行に直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権」は、『請求権協定』の適用対象に含まれていないとする。つまり、日本の違法な植民地支配下での「日本企業の反人道的な不法行為」による被害は賠償されなければならないとしている。
 したがって、日本政府が『韓国大法院判決』を声高に批判・否定し続ける現在の状況の核心に存在しているものは、日本の植民地支配に対する両者の正反対の認識である。つまり日本政府は、いま、自らの植民地支配の不当・不法を認めるか否かを問われているのである。

【日本政府に対する私たち日韓市民の要求】

 私たち日韓市民は、「強制徴用工問題」について共有する以上の「認識」に基づき、日本政府及び当該企業に対して、以下のことを要求する。

一 被告・当該日本企業は、『韓国大法院判決』内容を履行し、日本政府はそれを妨害しないこと。

二 日本政府は、「三権分立」制度下の韓国司法機関の判決に対して、行政機関たる韓国政府にその是正を要求し、「問題解決」の責任を押しつける等の、恥ずべき「反民主主義行為」を行わないこと。

三 日本政府は、朝鮮に対する植民地支配が不当・違法であったとする認識に基づいて、その被害者への賠償及び植民地支配「清算」を行うこと。そして、その実行に基づく新たな日韓友好関係の構築に努めること。

―― 韓国「平澤―愛媛市民交流会」・日本「平澤―愛媛市民交流会」一同 ――


Created by staff01. Last modified on 2019-06-06 14:52:24 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について