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安倍政権の差別分断攻撃・メディアは死に瀕している

2019年02月10日 | 安倍政権とメディア

     

「日曜日記」はやめて通常の「アリの一言」を書きます。

  日本のメディア・報道界は死に瀕している―。

 いわゆる「官邸による質問制限」問題。9日付琉球新報の山田健太専修大教授(言論法)の「メディア時評」で事態の深刻さを再認識しました。これはたんなる「質問制限」問題ではありません。

  山田氏の論稿と新聞労連の「抗議声明」(5日)から、事実経過を確認しておきます。

  昨年12月26日、菅義偉官房長官会見で、東京新聞の望月衣塑子記者が政府の辺野古埋立強行に対し、「現場では赤土が広がっている」「埋立が適法か確認できていない」などと質問(まったく正当な質問)。これに対し菅氏はまともに答弁せず。

  2日後の12月28日、官邸報道室長(上村秀紀)名で内閣記者会(記者クラブ)に対し、望月記者の質問を「事実誤認」「極めて遺憾」としたうえで、「度重なる問題行為は深刻と捉えており、貴記者会に対し問題意識の共有をお願いしたい」と文書(写真中=山田氏の論稿記事より)で申し入れ。

  これに対し新聞労連(南彰委員長)は2月5日、「首相官邸の質問制限に抗議する」と題する「抗議声明」を発表。
 「官邸の意に沿わない記者を排除するような今回の申し入れは、明らかに記者の質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭めるもので、決して容認することはできない。厳重に抗議する」
 「政府との間に圧倒的な情報量の差があるなか、国民を代表する記者が事実関係を一つも間違えることなく質問することは不可能」
 「官邸側の答弁の正確性や説明姿勢こそが問われている」
 「事実をねじ曲げ、記者を選別する記者会見の対応が、悪しき前例として日本各地に広まることも危惧する。首相官邸はただちに不公正な記者会見のあり方を改めるよう、強く求める」

  山田氏は論稿で、「『異論』を封じ込めるような姿勢は現政権のメディア戦略の大きな特徴」としたうえで、とくに今回の記者クラブへの申し入れの特徴として、‘団蠅竜者の質問を封じ込めるかの強圧的対応は、事実上の取材妨害であって、国民の知る権利を阻害する行為である記者の集合体である記者クラブに対して申し入れをすることで、報道界全体を威圧するとともに、間接的には政権への忠誠を尽くすよう求めた―との2点を指摘しています。

  新聞労連の「声明」や山田氏の指摘はまったくその通りです。さらに強調しなければならないのは、これはたんに「質問制限」「知る権利の阻害」「報道界への威圧」という言葉では済まされない問題だということです。

 なぜなら、今回の政府の「申し入れ」は、国家権力を厳しく追及する記者をフレームアップして攻撃し、それを記者クラブに「共有」させて報道界全体を従属させようとしていることが特徴であり、国家権力の常とう手段である差別・分断支配にほかならないからです。

  それは戦前・戦中、天皇制国家権力に抗して「戦争反対」を唱えた人々を「非国民」と規定し、村八分にし、「国民」全体を侵略戦争に駆り立てた手法と本質的になんら変わるところはありません。

  深刻なのは、この安倍政権の差別・分断攻撃に対し、報道界が反撃していないことです。新聞労連の「抗議声明」も政府の「申し入れ」から40日後でした。日本新聞協会はいまだに沈黙を続けています。

  「こうした場合、報道界側は一致して跳ね返す必要があるが、今回は公表されることなく、1カ月以上が経過していた。新聞労連声明などがなかったら、そのまま埋もれ既成事実化することになっていた」(山田氏、前掲論稿)

  国家権力の弾圧に抗議しない(沈黙する)のは、屈服することです。

 安倍政権は今度は米軍や自衛隊施設の上空をドローンで取材することを禁止すると言い始めました。さすがにこれには新聞協会も反対の意見書を提出しましたが(8日)、政権の相次ぐメディア攻撃は、昨年の内閣記者会への「申し入れ」に対して新聞協会が沈黙していることと無関係ではないでしょう。

 新聞労連の「声明」によれば、労連は1月の臨時大会で、「いまこそ、ジャーナリストの横の連帯を強化し、為政者のメディア選別にさらされることがない『公の取材機会』である記者会見などの充実・強化に努め、公文書公開の充実に向けた取り組みを強化しよう」という方針を決定しました。

 まさにいま必要なのは「ジャーナリストの横の連帯」であり、それを支持する市民(読者・視聴者)の連帯・支援です。

 報道への弾圧、差別・分断支配は戦争前夜の特徴です。軍事施設への取材規制はそれと呼応しています。この攻撃に対し、新聞協会はじめ報道界は死に瀕しています。このまま死なせるわけにはいきません。


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