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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(12月12日)/都教委「職員表彰」のねらいは?
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●根津公子の都教委傍聴記(2019年12月12日)

都教委「職員表彰」のねらいは?

 公開議題は議案「学校設置条例の一部を改正する条例の立案依頼外1件について」と報告「都教育委員会職員表彰について」。非公開議題は議案が「都指定文化財の指定等の諮問について」「校長の任命について」「教員の懲戒処分等について」「職員の懲戒処分について」と報告「懲戒処分者数等の推移及び服務事故防止に向けた主な取組について。

 「懲戒処分者数等の推移及び服務事故防止に向けた主な取組について」は個人情報を出さなくても公開はできるはず。なぜ公開しないのか。服務遵守月間を設け研修を課しても、懲戒処分件数が少なくならないどころか、増えている。毎年、方針を出しても改善されないのだから、都教委の働かせ方に原因があるとまず都教委は認識すべきなのだ。

■「学校設置条例の一部を改正する条例の立案依頼外1件について」

 赤羽商業高校を閉校にし、家庭・福祉高校として改編・開校する。城北特別支援学校及び南花畑特別支援学校を閉校し花畑学園として開校する。八王子特別支援学校を移転させ八王子西特別支援学校として開校する、ことでの条例改正。
 教育委員の一人は、「八王子特別支援学校の子どもたちは移転に伴い、通学に支障を来たす心配がある。安全に配慮を」と発言した。
 来年夏のオリンピック・パラリンピック競技観戦を子どもたちが強要されることについて、【会場までは公的交通機関を使用、炎天下での観戦、持ち込みは水1本のみ】指示を組織員会、都・各県教委が出す中、12月8日付け東京新聞、同月10日付け朝日新聞が炎天下での観戦による命の危険について報じたが、都教委定例会ではそうした発言はこれまで皆無だ。教育委員は炎天下での事故はないと考えるのか、理解しがたい。学校移転に伴う安全に対する心配だけでなく、オリ・パラ観戦での安全を考え論じるべきだ。論議し、「全校全学年が観戦」(八王子市教委)などの方針を撤廃すべきだ。

■都教委に忠実な教員育成を目的とした職員表彰?

 都教委職員表彰について。「教育の発展、学術、文化の振興に貢献し、その功績が顕著で、かつ勤務成績の優秀な職員及び優れた教育実践活動・研究活動を行っている学校・グループの功労をたたえ、これを表彰する」ことを目的とし、1952年から始まったという。今年度の表彰は個人が108名、団体が12団体。個人のうち校長が55名、副校長が2名。2月13日に表彰式を行うという。
 各教育委員は、「いつも教育委員は問題ある教員のことばかりを見るので、表彰式後の懇談会で『こんなに頑張っている先生がいる』とうれしくなる」「表彰式で感銘を受けた」「表彰を受けた先生方を地域紙等で紹介してほしい」「取り組み事例を見て、若い先生が訊いてみたい、相談してみたいと思った時にアクセスする方法を研究したい」と絶賛した。部長は「素晴らしい先生の取り組みを採用希望パンフに取り入れ、教育の底上げをしていきたい」と応答した。
 表彰理由である「主たる功績」には「防災教育の推進」はあるが、「平和教育の推進」はない。筆者が定例会を傍聴するようになって9年になるが、毎回そうである。団体表彰・小学校の部の「主たる功績」は6校中、3校が「プログラミング教育の推進」だ。あくまでも都教委方針に合致していることが表彰対象なのだ。ご褒美を餌に、都教委に忠実な教員を育成しようということだ。

 12月4週の定例会は「議題がないから開催しない」とのこと。炎天下でのオリ・パラ競技観戦について再考する定例会にすべきではないのか。


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