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「れいわ」と社民の議席が見えてきた〜参院選最終日の新宿を歩く

    牧子嘉丸

 7月20日(土)2019参院選挙最終日の様子を見に新宿に出た。4時過ぎに新宿東南口にちょうど来た共産党の吉良よし子・小池晃候補の演説を聞く。吉良さんは小柄な体に闘志をこめてブラック企業告発の闘いの成果を強調。小池さんは6月10日の参院予算委員会で富裕層優遇税制を首相に正すツイッター動画の再生回数がついに700万回以上を超えたと訴えた。これがそのまま票につながれば、全国区の前進につながるだろう。

 共産党はよく自分たちの議席を「宝の議席」という言葉を使うが、これは自画自賛の宣伝ではない。今、資本主義国で「共産党」という看板を背負って、議席を得るのは至難の業である。かつてのソ連・東欧、そして現代の中国のマイナス・イメージは払拭されていない。まして、反共意識の強い日本で、それらを跳ね返して議席を勝ち取るには、候補者の並々ならぬ見識・努力と人間的魅力があるからだろう。そこらのぼんくら二世議員とはわけが違う。まさに十人二十人ぶんの働きをしているからこそ「宝の議席」と自負できるのだ。

 そこから新宿駅南口に出ると、駅前に社民党の宣伝カーが2台止まっていた。演説を聞きたかったのだが、準備中であった。議席獲得の可能性が見えてきたという報道があり、どうか複数議席を獲得してほしいと願いながら通りすぎて、西口にむかう。

 まず西口の地下に降りると菅直人さんの力強い演説が聞こえてきた。立憲のおしどりマコさんの応援である。おしどりマコさんはいろいろな人から、原発問題だけのワン・イッシューでなく、もっと消費税やら最低賃金やら今受けするような様々な問題についても演説するようにとアドバイスも受けるが、自分はやはりあの3・11の被災の事実とむかいあいたいと訴えて聴衆の声援を受けた。「フクシマ原発事故はアンダー・コントロールされた」というアベの虚偽とおしどりマコさんの国会対決が見たいと思った。

 さて、地下から上がると、西口は「れいわ新選組」に占拠されていた。「いつまで拉致問題をアベ政権は利用しているんだよ!」と怒るはすいけ透さん。ふなごやすひこ・木村英子「特定枠」候補の懸命な訴え、大西つねき・渡辺てる子の「目からうろこ」の経済的発言。そして、東京都選出「野原ヨシマサ」候補のガチンコ戦闘宣言は何度聞いてもしびれる。

 そのなかでも今日最高に盛り上がったのは、前川喜平さんの応援演説で、「偽造・捏造・アベシンゾウ」と枕にふって、モリカケ問題でいかに首相夫妻が嘘をついて逃げ回っているかを弾劾した。そして、こんな自公と維新が議席の3分の2をとればすぐさま戦争可能な改憲の発議をするだろうと警鐘を鳴らした。それを阻止するのが山本さんだ、と前川さんならではの重みと説得力のある応援演説であった。

 最後に登場した山本太郎は、今「れいわ新選組」という党名では全国1パーセントで1か2議席しかないが、それが3パーセントの支持率になってきたという。そこに個人名「山本太郎」が加われば、さらに躍進が可能であると檄(げき)を飛ばした。いずれも皮算用ながら、選挙は21日午後8時まで続くのだ。

 老舗野党はそれぞれの組織力を生かして闘い、「れいわ新選組」のような組織は無党派市民層が支えるしかない。明治の昔、「竹槍でどんと突き出す二分五厘」という増税反対の句があったが、今は「一票でどんと押し出す山本太郎」といったころか。とにかく、山本太郎のいない国会なんて、考えられない。まだ闘いの時間はあるのだ。


Created by staff01. Last modified on 2019-07-21 10:59:49 Copyright: Default

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