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声明 : 安倍政権は韓国への輸出規制を撤回し、強制動員問題を話し合いで解決すべきです!


*「徴用工問題」解決を訴える韓国の市民団体(2019年2月・東京)

 「徴用工問題」−大法院判決への報復として、安倍政権は韓国に対するフッ化水素など半導体材料の輸出の規制強化に踏み切りました。強制動員問題に向き合わず、韓国経済に打撃を与えることで屈服させようというやり口です。卑劣です。これについて、「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」として「声明」を出しました。ご一読ください。共感していただけたのであれば、これを拡散してください。お願いいたします。(矢野秀喜)

<声 明>
安倍政権は韓国への輸出規制を撤回し、強制動員問題を話し合いで解決すべきです!

 安倍政権は7月 1 日、半導体製造に必要なフッ化水素等3品目の韓国への輸出の規制強化を発表しました。軍事転用の恐れのある物品・技術に対して実施している輸出管理について、安全保障上の友好国として規制を緩和する「ホワイト国」から韓国を除外することも明らかにしました。その理由として、安倍政権は表向きには、「日韓間の信頼関係が著しく損なわれた」ことをあげています。しかし、これは、「元徴用工問題」に関する韓国への「対抗措置」、報復であることは明白です。経済産業省は、「旧朝鮮半島出身労働者問題については、G20までに満足する解決策が全く示されなかった」ことが背景にあると認めているのです。

 これは、強制動員問題に真摯に向きあうことなく、貿易上の措置を強行することによって、屈服を強いる振るまいです。それによって、強制動員被害者の慰謝料請求権を認め日本企業に賠償を命じた韓国大法院判決を「なかったこと」にし、過去を封印する所業です。私たちは、このような安倍政権の行動を強く非難します。

 今回の安倍政権の対応については、メディアの多くも批判しています。「韓国への輸出規制 通商国家の利益を損ねる」(7.4 付「毎日」)、「対韓輸出規制 『報復』を即時撤回せよ」(7.3 付「朝日」)、「元徴用工巡る対抗措置の応酬を自制せよ」(7.2 付「日経」)、等。「政治的な目的に貿易を使」い、「国際政治の道具として通商政策を利用する」今回の措置は、国際ルールに反し、許されることではありません。

 安倍首相は、「徴用工問題というのは、歴史問題ではなく、国際法上、国と国の約束を守るかということ」と言って、今回の措置を合理化しています。しかし、国と国がどのような「約束」、条約を交わしても、強制動員の歴史的事実を消し去ることはできず、その被害者の「個人請求権」を消滅させることもできません。大法院は、戦時中に日本製鉄、三菱重工が行った不法な強制動員の事実を認定し、両企業に不法行為の被害者への賠償を命じたのです。この民事訴訟判決を行政権力がねじ曲げることも、「なかったこと」にもできません。

 韓国政府は、「司法判断の尊重」、「被害者中心主義」という立場を表明してきました。そして、6月 19 日、「強制徴用判決の問題、韓国政府の立場」を公表し、「訴訟当事者である日本企業を含む日韓両国の企業が自発的な出捐金で財源を作り、確定判決の被害者らに慰謝料該当額を支払う」ことで、当事者間の和解を進めるという案を示したのです。この案は、事実認定、加害企業側の謝罪に言及せず、強制動員問題の包括的解決を図るためのものではないという問題点を含むものです。それでも、韓国政府はこの案を示すことによって、日韓両政府間の協議に入ることを目ざしたのです。しかし、日本政府はこの案を拒絶しました。G20では、日韓首脳会談も行いませんでした。そして、「自由貿易」「開かれた市場」を謳ったG20首脳宣言を発表した2日後に、対韓輸出規制を発動したのです。このような不誠実な対応は即時撤回されるべきです。

 年老いた被害者は、自らの問題が日韓関係の険悪化を招いたのではないかと心を痛めています。しかし、その責任は被害者に帰せられるべきものではなく、あくまで日韓の政治指導者が負うべきものです。安倍政権は、日 韓間の緊張を高めるのではなく、過去に誠実に向き合い、今こそ未解決のままにしてきた強制動員問題の解決を図るべきです。それが日韓、日本と朝鮮半島との信頼、友好関係を発展させ、東アジアの平和体制構築に結びつ いていきます。

 今こそ、安倍政権が、韓国政府と「無条件」に話し合いに入るよう強く求めます。

2019年7月8日
強制動員問題解決と過去清算のための共同行動

連絡先:朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動
住所=〒230-0062 横浜市鶴見区豊岡町 20−9 全造船関東地協気付
電話=090-2466−5184(矢野)
ladybird12@i.softbank.jp


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