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冤罪訴え56年 新証拠も提出〜「狭山事件の再審を求める市民集会」に3000人

 5月23日、東京の日比谷野外音楽堂で、狭山事件の再審を求める市民集会「つぎつぎと無実の新証拠!東京高裁は鑑定人の尋問を!」が開かれ、約3000人が参加しました。

 埼玉県狭山市で女子高生が殺害された狭山事件が起こったのは1963年5月1日。被差別部落に住む石川一雄さんが逮捕され、嘘の自白を強要され、冤罪を叫び続けて56年になります。石川さんは「今年こそ冤罪をはらす立場で、鑑定を証人調べを実現するべく、命を懸けて訴えをしていきたい」と話しました。今年80歳になるという石川さん。1審で死刑判決。2審で無期懲役判決を受け、32年の獄中生活を余儀なくされ、仮出獄後も無実を叫び続けています。2006年5月、東京高裁に第3次再審請求を申し立て、再審開始―無罪判決を求めて闘っています。

 狭山弁護団事務局長の中北龍太郎さん(写真)は「狭山事件は部落差別に基づく冤罪事件だ。被差別部落に対し集中的な見込み捜査が行われた。そのきっかけとなったのは、63年5月11日に発見されたスコップだ。このスコップに油脂・油分が付いていたことで被差別部落のI養豚場が狙われた。だがI養豚場の飼料の成分とスコップ付着の成分とを比べなければ何の証拠にもならない。にもかかわらず、これを利用して被差別部落に対し集中的な捜査を行った。そして石川さんを狙い撃ち逮捕した」と話しました。

 第3次再審請求で弁護団が提出した元科学捜査研究所技官の鑑定によって、このスコップが死体を埋めるために使われたものとも、I養豚場のものとも特定できないことが明らかになっています。

 狭山弁護団は次々と新証拠を提出しています。コンピューターによる脅迫状の筆跡鑑定では、客観的な筆跡のズレを計測し、犯人と石川さんは99.9%別人と指摘しています。集会アピールでは「狭山事件では40年以上におよぶ再審請求で一度も事実調べがおこなわれていない。証拠開示によって新事実が発見され、科学的な新証拠が多数出されており、鑑定人尋問をおこなうべきである。一日も早く石川さんの『みえない手錠』をはずすために狭山事件の再審を実現しよう!」と訴えました。

 捜査がデタラメであり、石川さんが無実である証拠が次々と出ているにもかかわらず、いまだに再審がおこなわれないのは差別だと強く思いました。石川さんは「第2の人生に向かって」と話していましたが、一日も早く再審を開始してほしいと思います。(尾澤邦子)


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