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双竜自動車などのすさまじい闘いを知る〜5.14日韓労働者国際連帯の集い

 5月14日、東京・中野において「日韓労働者交流集会」が開催されました。「双竜自動車における損害賠償・仮差押えの実態とそれに対する闘いの現状」を来日した韓国民主労総金属労組双竜自動車支部のキムドクチュン支部長が報告しました。

 2009年、韓国双竜自動車での3,000人解雇に対し、労組がストライキで工場を占拠し、ヘリコプターや放水車などで催涙液を浴び、暴力的に工場から排除されたことがありました。その後会社と国から損害賠償を請求され、仮差押えなどの弾圧を受け、9年間で30名もの組合員・家族が自死に追いやられました。労組の闘いで会社からの損害賠償請求は撤回させましたが、現在もまだ国から約8億円の請求があります。しかしその内容は、ヘリコプターやクレーンの修理費が96%とのこと。労組の投げたパチンコの玉があたってヘリ機が壊れたとか。労組は裁判で闘いながら、会社との交渉で解雇を撤回させ、原職復帰を勝ち取ってきています。

 また双竜自動車支部や鉄道労組、韓進重工業、現代車非正規職労組など数憶、数十億円の損害賠償や仮差押え攻撃の深刻さに触れ、募金活動やイベントなどの支援を行っている市民グループ「ソンチャッコ(手を取り合って)」のユンジソンさんが支援活動について報告しました。

 主催したのは争議団連絡会議と、間接強制・損害賠償攻撃に反対する署名運動の方々。日韓民衆連帯委員会の協賛。日韓労働運動にかけられている民事弾圧攻撃に対して連帯して共に打ち破りたいと今回の企画が立てられたとのこと。関西生コン支部への刑事弾圧など争議・労働運動つぶしの弾圧が強まっていますが、近年エスカレートしているのが、争議行為に対する経営側からの仮処分・間接強制・損害賠償請求などの民事弾圧。自らも自宅を差し押さえられながら、41年間学研と闘っている東京ふじせ企画労組の國分さんから基調報告がありました。

 双竜支部のキムドクチュンさんは、ソウルの徳寿宮・大漢門の前に、亡くなった仲間たちの焼香所を設置したり、ハンガーストライキや高空籠城を行ってきたことなどを報告しました。2014年初頭には「愛ののり巻き」と称して長〜いのり巻きをみんなで作って工場の前で販売したり、家族と共にコンサートを行ったりしたこと、また市民との連帯についてなど話してくれました。また、2018年には警察庁人権侵害真相調査により、警察の強制鎮圧作戦を最終承認したのは当時の李明博大統領だったことが明らかになりました。キム支部長は「当時の警察・検察国家権力と会社側が共同で行った労組破壊だった」と話しました。現在被解雇者は48人ですが、今年7月には復職する予定とのことです。しかし国(警察)からの損害賠償請求についての問題は残っており、社会的連帯は今も続いていると話していました。

 ソンチャッコのユンジソンさんは「韓国のスラップ訴訟」の現況として、双竜自動車、民主労総のメーデー集会、セウォル号の汎国民徹夜行動、キャンドル集会などについて話しました。そしてスラップ訴訟が労組破壊戦略として繰り返され、弾圧の手口となったことを報告しました。双竜自動車支部の「愛ののり巻き」が雑誌で紹介され、「損賠に苦しむ労働者にも家族がある。市民として何か支援できることはないか」と「黄色い封筒キャンペーン」運動がおこり、「ソンチャッコ」が発足したことを紹介しました。賃金が以前は黄色い封筒で渡されることが多かったことからで、スラップ訴訟問題を解決すべく共感する市民が中心となって募金活動をしたと話していました。また国会にスラップ訴訟防止法案を提起したり、国際労働機関(ILO)に働きかけたりもしているとのことです。

 今回共に行動に参加した民主労総仁川地域本部の前本部長キムチャンゴンさんは、「日本の市民は萎縮していると感じた。そしてそのような事態を打開するためにも日韓連帯が必要だ」と話していました。確かにそうだと感じます。しっかりと受け止めていきたいと思います。(尾澤邦子)


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