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「仲間がいじめられたらコワイ顔もしますよ」〜関西生コン弾圧に反撃する東京集会


↑主催者挨拶=花輪伸一さん

 「インターネットの動画を見た人も多いでしょう。仲間がいじめられたら大きな声を出しますし、コワイ顔もしますよ。そればかり切り取って流しています。でもウラで何が起こっているのかが無視されているのです」。今回弾圧にあった連帯労組関西生コン支部の青木健太郎さん(写真左)は、10日の集会でこう切り出した。右翼系の動画は「生コン=犯罪者集団」のレッテルを貼り世論を煽る。生コン業界と警察は一体となって世紀の労働組合大弾圧をしかけている。昨年以来、逮捕者数のべ58人、起訴数のべ43人、8人が勾留中、家宅捜査は120か所以上に及ぶ。ストライキができる力のある組合を生コン業界から一掃しようと、経営者団体が仕掛けたこの「組合つぶし」攻撃に、業界は10億円の資金を用意したという。5月10日、スペースたんぽぽで開かれた「大弾圧に反撃する東京集会」には会場あふれる約100人が集まり、終始、怒りの熱気に包まれた。

 今回ストライキを理由に「威力業務妨害」で逮捕された青木健太郎さんが、最初に現地報告を行った。「みなさん、連帯労組関西生コン支部のモットーは『人の痛みはおのれの痛み』。企業をこえて一人のために立ち向かい強い抗議をする組合です。今回の弾圧は2017年12月12日のゼネストに端を発しています」。青木さんはどうしてストライキに至ったのか、わかりやすく経緯を説明した。

 「以前、生コン業界は中小零細が多くゼネコンに買いたたかれていた。値下げ合戦が続いたが、これでは業者も労働者も共倒れになる。そこで組合が後押しして業界をまとめあげた。2015年にはほとんどの関西生コン業者が協同組合に参加した。それから生コン価格は安定し、業者は巨額の利益をあげるようになった。そうした仕組みづくりに関西生コン支部が協力したわけだが、当初は『うまくいったら労働者側に還元』の約束があった。しかし、業者は儲かっているのに組合が要求している『運賃値上げ』に応じなかった。そこで2017年12月にストライキに立ち上がった」

 それに対して経営団体側(大阪広域生コン協組)は、組合つぶしの道を選んだのである。ときは安倍政権下、右翼・警察も一体となってこの機会に「戦闘的労働組合」を一気につぶそうと大包囲網がつくられたのだった。

 次に生コン運転手の青木邦子さん(関西生コン支部青年婦人部・健太郎さんの妻/写真)が発言した。「生コン支部には女性も20人くらいいます。でも建設現場なので女性は働きづらい。組合で取り組んだのは生理休暇の有給化です。現在、59社中45社で月2日の生理休暇をかちとっています。また建設現場に女性専用トイレがないので、つくらせました。夫が逮捕された朝、午前5時に突然10人くらいの警察官が押しかけてきて、ケータイやメモ帳などいろんなものを持っていきました。すごくショックで、そのあと毎日飲み歩いていました。でもいまは拘置所に行って激励活動をしています。私たちは悪いことはなにもしていないので、絶対に無罪を勝ち取りたいです」。会場から大きな拍手が起きた。

 マスコミも「産経」など右派メディアを中心に、反関西生コン支部キャンペーンを展開しているが、もっとも悪質だったがの今年2月〜3月の『週刊実話』の「ブラックマネー 関西生コン事件」の連載だった。筆者はライターの一ノ宮美成氏。この記事に対しての反撃が始まった。

 「週刊実話・名誉毀損裁判」である。原告は、関西生コン支部の武健一氏。原告代理人の大口昭彦弁護士(写真上)が、詳しく報告をした。1987年の国鉄分割民営化における国労つぶし攻撃も、マスコミが総動員されたが、関西生コン事件はメディアのたたかいでもある。

 集会では、ほかに連帯発言として中島由美子氏(全国一般なんぶ委員長/写真上)、仲村実氏(労働組合つぶしの大弾圧を許さない関西実行委員会/写真下)が登壇した。中島氏は、市民運動と労働組合の違いを話した。「市民運動も労働組合も集会やデモができます。でも決定的に違うのは労働組合はストライキができることです。これは法律で保障された権利です。でもこれが権力者にとって一番いやなのです。“ストライキのない要求はたんなる物乞いである”という言葉もあります。あたりまえの労働運動を取り戻していきましょう」。

 仲村氏からは関西で取り組まれている裁判支援や拘留者激励行動の報告があった。一人あたり200万円をこえる保釈金も大問題でカンパ活動の重要性が強調された。本集会の盛り上がりに主催者も驚いていた。やられ放しだった「関西生コン支部弾圧事件」だったが、「これからが勝負だ!」の集会タイトルとおり、反撃の流れが確実に生まれてきた。(M)


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