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誇りをもって働ける職場めざして〜練馬図書館労組「指定管理者拡大に抗する闘い」の報告集会

    染 裕之(東京清掃労組委員長)

 2月12日、東京・練馬区立図書館専門員労組のたたかいの経過報告集会「“図書館司書のストライキ”を掲げて」に参加しました。区内に12館ある区立図書館は、既に9館が指定管理下に置かれています。昨年7月、区は残る3館のうち2館も指定管理に拡大することを提案。反発した専門員労組は、労使交渉を重ねながら、12月19日と26日の二波のストライキを構え、指定管理者拡大を撤回するよう求めました。

 越年したたたかいは、区が「直営として残る1館での専門員全員の雇用を確保し、その1館を基幹図書館と位置づけ、区内図書館の統括的な運営を担わせる」ことを再提案しました。残念ながら指定管理者の拡大撤回には至りませんでしたが、雇用確保と図書館機能のサービスが維持できると判断して妥結しました。

 人目を引くチラシの作成やSNSでの拡散は、全国的な注目を集めました。不安を抱えながらも臆することなくストライキを構え、提案の撤回を求めた彼女たちのたたかいは、マスコミも注目し、多くの共感と支持を得ました。1999年にPFIが導入され、2003年に指定管理者制度が導入され、構造改革の名の下にあらゆる公務職場が営利企業に開放され、公共サービスの劣化が止まりません。全国的な支持を集めた彼女たちのたたかいは、これからの運動を展望する大きな教訓を含んでいました。12日の集会も熱気に包まれ、大きな感動を呼ぶ集会となりました。

 以下に彼女たちの宣言を紹介させていただきます。

【宣言】

 私たちが非常勤雇用の待遇改善と、健康で安心して働きつづけられる職場を目指し、練馬区立図書館専門員労働組合を結成して、21年が経ちました。しかし、図書館をとりまく労働環境が改善される兆しは見えません。図書館は、地域に根ざし、誰もが平等に情報にアクセスできる、市民生活を支える基盤です。にもかかわらず、その現場の多くは、不安定な雇用条件のもと、低賃金で働く非正規の司書によって支えられています。その熱意と努力に、民間・直営の区別はありません。

 この状況を変え、図書館で働くすべての人が、専門職としての誇りを持って、安定した待遇のもと力を尽くせる環境を作っていかなければ、図書館を守り、次の世代に引き継いでいくことはできません。社会に広く問題を投げかけるきっかけになった、このたびの労使交渉を経て、私たちは総ての図書館員が力を合わせて行動していく必要性を感じています。それぞれの現場が起こす小さな風が、全国の図書館員をつなぎ、やがて大きな力となって図書館の未来を変えていくことを信じて、私たち練馬区立図書館専門員は、以下のことを宣言します。

1 私たちは誰もが安心して暮らせる地域の拠点としての図書館づくりを目指し、図書館を必要とするすべての利用者のために働きます。

2 私たちは司書の専門性に敬意を払わず、働く者を幸せにしない指定管理者制度には反対します。

3 私たちは日本全国、総ての図書館員が誇りを持って働けるよう、その地位向上と待遇改善のために活動します。そのためにあらゆる努力を惜しみません。

2019年2月12日
練馬区立図書館専門員労働組合一同

動画「図書館の民営化・使い捨てはゴメン!〜司書たちのたたかい」


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