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「因果関係ない!下請けは関係ない」〜一本気の男に怒りの火をつけた東電コメント

「あるくラジオ」原発労働のいま/アーカイブ(67分)

 1月22日のネットラジオ「あるくラジオ」で原発労働者のあらかぶさん(44歳・鍛冶職人・北九州市/写真)さんは、縦横無尽に現場の実態と思いを語った。180センチでがっちりした体格のあらかぶさん。いまは治療がうまくいき落ちついている状態だ。だが、かれは福島第一の収束作業で被ばくし「急性白血病」を発症し、生死を彷徨う闘病生活を送ってきたのだ。ラジオでの話では「4クールの抗ガン剤、骨髄移植、治療のために歯を10本抜かれたり、輸血も60回はした」という。90キロあった体重も当時は60キロまでになった。

 なぜフクイチに行ったのか? あらかぶさんはまさに一本気な「九州の男」。福島の津波の大被害をみて「東北のために福島のためになにかしたい」と思い、家族の反対を押し切って15人の仲間と一緒に収束作業に応募したという。「仕事はやりがいがあったが被ばく対策がずさんで、鉛ベストをつけずに作業をさせられたこともあった」。大病になったものの、仲間の助けもあり2015年10月20日にフクイチで初めて労災認定を勝ち取ることができた。しかし、なぜあらかぶさんはそれに満足することになく、東電らを相手に「損害賠償」の訴訟を起こしたのか? あらかぶさんはこう語る。

 労災認定の新聞報道が翌日の10月21日にあったが、そのときの東電のコメントは『ただちに因果関係が証明されたものではない。一下請け作業員についてコメントできない』というものだった。「この言い方はひどい。お金のためではなく福島のためにと思い行ったのに。水素爆発で崩れた大変な現場で働いた人への言い草かと思った」と。そして決定的だったのは、数ヶ月後、東電がフクイチ作業員へのアンケート調査があったとき、作業員が被ばくの不安を表明した内容に対して東電は、『10月20日に労災認定された人がいたが、ただちに因果関係が証明されたわけではないので、皆さん安心して働いてください』とコメントしていたことだった。これを読んだあらかぶさんは頭に血が上った。「絶対に許さん! 自分だけの問題ではない。これからの人のためにも礎になりたいと思った。それで裁判を起こすことにした」と。


*ラジオ収録後の雑談(右手前があらかぶさん)

 訥々とずっしりした重みのある声で語るあらかぶさん。パーソナリティの「しまひでひろ」さんも「ひどいね、まったくだ」と相づちをうった。ニックネーム・あらかぶさんの由来は、強い流れに負けずに頑張るカサゴ(魚)のこと。以前は原発賛成だったがいまは原発大反対のあらかぶさん。まっすぐな気性のあらかぶさんがいま巨大企業「東電・九電」に立ち向かっている。東京地裁で進行している裁判も、1月23日には11回目を迎えている。〔松原明〕

 *ラジオのパーソナリティは「しまひでひろ」さんと「ささきゆみ」さん。ゲストはほかにあらかぶさんのお連れ合いと「被ばく労働を考えるネットワーク」のなすびさんだった。アーカイブで全編(67分)をお聴きください。なお第三回目の「あるくラジオ」は2月23日(土)15時から、高校生を招いて「五輪ボランティアはおかしい(仮)」をお送りします。

あるくラジオHP


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