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LNJ Logo 日本の過労死社会を警告した故アンドレ・レノレ神父の追悼集完成
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アンドレさん

アンドレさん:本書執筆時(2014年6月)

ユニオンヨコスカ執行委員長 小嶋 武志

 今から24年前に日本語版として発刊した、かつて川崎で労働司祭として長年働いていた時の現場体験記『出る杭はうたれる』(岩波現代文庫)の著者であるアンドレ神父さんが去る4月20日享年83歳で逝去された。この本では、アンドレさんは日本人の働き過ぎ(特に残業)に対して厳しく警鐘を鳴らし続け、自らは信仰の証として非人間的である残業を一切拒否して、日本の過労死社会の到来を警告していた。

  今日本の国会では『働き方改革関連法案』が一括審議され、強行採決の危機にある。政府が目指す「働き方改革」とは、経済政策としての成長戦略を目論む労働者への「働かせ方改革」であり、本末転倒も甚だしく、本来の人間の有り得るべき労働=人間らしい労働と生活(ディーセントワーク&ライフ)からは遙かにかけ離れたタダ働き残業強制・過労死促進法案となっている。

アンドレさんは2014年にフランスで最後の本となる「日常の記」を発刊し、この度日本語版(抜粋編)も追悼集として完成した。この本でもアンドレさんは8時間労働厳守を強調し、残業を厳しく戒め、私たちの行動の奮起を促している。

アンドレさんの最後の著書

この本の希望者はユニオンヨコスカ宛に連絡を。   (E-mail;uniyokosuka@yahoo.co.jp)

鎌田慧氏のことば

アンドレさん。

アンドレさんとお会いしたのは、おたがいにまだ30代半ばのころでした。わたしが書いた『自動車絶望工場』が、日本にきて日本語を勉強中のアンドレさんの目に留まって、翻訳してフランスで出版して下さったのでした。大変なご努力だったと思います。仏訳のタイトルは『トヨタ絶望工場』と、テーマをさらに明確にしていただきました。

それから川崎の浅田教会のエドワード神父、マキシム神父とともに、家族ぐるみのお付き合いとなりました。帰国されてからも、わたしもパリやブルターニュをなんどか訪問して、お母さんをはじめとして、お兄さん、弟さんや姪御さんなどと、お会いしてきました。

アンドレさんの無欲かつ献身的な存在は、いまなお、フランスばかりか、川崎のひとびとのなかに鮮やかな記憶として、遺されています。

アンドレさん。これからも天国から、この日本に住むわたしたちをも、どうか見守って下さい。

アンドレさん。またお会いしましょう。

鎌田 慧


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