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LNJ Logo 「泊原発が動いていれば北海道大停電はなかった」論を主張する者たちは恥を知れ!〜9.21反原発道庁前行動
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9月21日(金)も、通算307回目となる道庁前行動が行われた。

この日の行動には初顔参加者のほか、2年ぶりなど久しぶりの参加という人も目立った。関西からイベント参加のために来道していたミュージシャン(?)風の方なども参加していて、いつもより多く、また個性的な人が目立つ。そういえば3.11直後の経産省前テントひろばも一時、こんな雰囲気だったと思い出す。北海道胆振東部地震を経て、時ならぬ「災害ユートピア」が出現したかのようだ。

そうかと思えば、道庁前を若い女性が「停電になりますよ〜」と揶揄しながら通り過ぎようとするので、私は思わずにらみつけた。再稼働推進派、反対派の対立が、3.11直後のように再び先鋭化する気配も感じる。停電? だから何だというのだ。福島では、いまだに故郷に帰れない人が何万人もいる。家族がバラバラになり、帰還困難区域の人たちは一時帰宅すら許されていない。お彼岸なのに7年間、お墓参りもできない。子どものころに遊んだ野山、学んだ学校、成長を見守ってくれた「故郷」――帰還困難区域の人はこれらすべてを奪われた。軽々しく停電を揶揄する人たちは、福島のこの悲しみ、苦しみを理解しているのか?

7年間、思い出残る故郷に一度も帰還できない、筆舌に尽くしがたい苦しみ。こんな悲劇に比べれば、たかが2〜3日の停電程度で文句を言う人たちは根性が足りない。1〜2カ月の停電くらい、歯を食いしばって耐え抜く覚悟で死ぬ気でやらなければ自民党・経団連は倒せないと思う。

黒鉄のスピーチ全文は以下の通り。世論の支持を得ることはまずないと思われるが、品性下劣な「文化人」を動員した低劣な泊原発再稼働キャンペーンがネットで始まっている。今日はこれに対する反撃だ。私自身、原発推進派を名指しで吊し上げるのはかなり久しぶりのことである。

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 みなさんお疲れ様です。

 さて、北海道胆振東部地震では史上初の全北海道ブラックアウトという事態が現実のものとなりました。この原因が、自然災害リスクに備えて電力分散をせず、大規模発電所の集中配置という災害に脆弱な体制を放置していたこと、動く当てのない泊原発の「安全対策」に多額の資金を投じながら、原発以外の発電所は老朽化したまま改修もせず放置していたこと――この2つの北電による不手際が招いた結果です。経産省が、この事態を事前にまったく正確に予測していたことは、先週のこの時間でお話ししました。電力業界内部にも、大きな発電所を集中配置している北電に対し「大丈夫か」と心配する声があったと言います。あらゆる専門家が北電の運営体制にリスクを感じていたのです。

 ところが、北海道がブラックアウトになったこの機会に乗じて、「泊原発が稼働していれば大停電は起こらなかった」と主張する連中がネットを中心に現れました。その主張する内容は根拠がまったくないばかりか、主張している人物を見ても品性下劣な連中ばかりです。今日は「泊が動いていれば大停電はなかった」論を主張している人物がどれだけでたらめか、お話ししたいと思います。

 まず、経済学者を自称する池田信夫という人物です。この男は元NHK職員で、早期退職後はテレビ局の独占に反対し、電波オークションの実施などを主張していましたが、福島原発事故後は反原発派をさんざん誹謗、中傷するばかりでなく、子ども騙しにすらならないような低劣な原発推進論を主張。それまで人類がどんなに科学的英知を結集しても到達できなかった数々の「珍学説」を恥ずかしげもなく発表してきました。あまりに馬鹿げていて口にするのも恥ずかしいですが、池田信夫が発表した「珍学説」で最も斬新なのは、「放射性セシウムは燃やせば分解する」(注1)と「核廃棄物は1万メートルの海底に投棄すればマントルに飲み込まれて消滅する」(注2)です。この他「内部被ばくは都市伝説」(注3)だとも主張しています。あまりにも斬新すぎて私のような凡人の理解をはるかに超えています。めまい、吐き気を催さずにはいられません。最近では原発の電気が最もコストが安いと主張し、再稼働を執拗に主張しています。福島原発事故の後始末に21兆円が必要と試算されており、民間シンクタンクの試算では70兆と見積もっているところもある(注4)にもかかわらずです。計算もろくにできない、こんなレベルの男が経済学者を名乗って平気でいられるのですから、日本がノーベル賞の中で経済学賞だけ受賞できていないのもなるほどと思います。

 次に、石井孝明という自称「経済・環境ジャーナリスト」です。この男も福島原発事故以降、私たち反原発派を「放射脳」などとののしり続けています。「夕刊フジ」紙上でも「今回の大規模停電も、電力会社が危機に対応する経費を削減したことが一因かもしれない。脱原発の声が強いため、原発の稼働が遅れ、それの生み出せる巨大な電気を、北海道では活用できないままだ」などと、あたかも私たち反原発派のせいで停電が起きたかのように主張しています。

 しかし、この男ははっきり言うとその発言の内容以前に犯罪者です。なぜならこの男は2014年5月にグルメ漫画「美味しんぼ」が福島の鼻血の問題を取り上げた際、作者である雁屋哲さんへのリンチをツイッター上で呼びかけた前科があるからです(注5)。このような呼びかけをすることは、暴行教唆罪という立派な犯罪要件に該当します。私は一時、真剣にこの男の刑事告発を考えたほどです。今も時々、刑事告発をすべきではないかと思うことがあります。辛淑玉さんを根拠なく「北の工作員」認定して訴えられ敗訴するなど、言動は醜いネトウヨそのものです。

 このほか、ホリエモンこと堀江貴文氏も泊再稼働を主張しています。ロケットと一緒に宇宙に飛んでいき、そのまま二度と地球に戻ってくるなと言いたいです。宇佐美典也氏は、元経産省の官僚で、現役時代から自分の給与明細をネット上で公表するなど型破りな行動で知られましたが、一方、朝日新聞紙上で「民主党政権になってから、同期が十何人も辞めていった」と主張するなど、経産省が自民党べったりであることをみずから暴露しています(注6)。経産省が官邸に送り込んでいる今井尚哉秘書官と安倍首相の「蜜月」ぶりを見ると、改めて安倍首相と経産省のべったりぶりに怒りがわきます。

 「泊原発が動いていれば大停電はなかった」論を主張している連中は、このような品性下劣で人間の風上にも置けない奴らばかりです。さすがに原発推進派の中でも、東大原子力工学科を卒業しているようなエリートはこのような発言はしません。彼らは沈黙を維持しており、「プルトニウムは飲んでも安全」と主張した大橋弘忠元東大教授、原発メーカーからの献金額が1位だった関村直人東大教授をはじめ、かつてのような権力中枢への復帰はできないままです。原発再稼働を主張するのに池田信夫や石井孝明のような下劣な人物を使わざるを得ないところに、原発推進派の焦りも感じます。そもそも北海道民でもなく、東京でぬくぬくといい生活を送っていて、北海道の冬の厳しさも知らない連中に外からとやかく言われる筋合いなどありません。北海道民には自分たちの生活のありようを自分たちで決める権利があります。その道民である私たちが泊はいらない、原発はいらないと言っている以上、誰が何と言おうといらないのです。

 こんな下劣な連中、相手にする価値もないと思っている皆さんも多いかもしれません。しかし彼らにはネットでの発信力があります。在特会のような怪物に膨れ上がる前に、徹底的に批判する必要があると考え、今日はこのような激しい批判をあえてしました。

 ご通行中の皆さん! 子どもたち、孫たちに放射能汚染も健康被害もない地球を残してやりたいという私たちには1点の曇りもありません。正義は私たちの側にあります。頑張りましょう。

注1)証拠→http://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-604.html
注2)証拠→http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51804705.html
注3)証拠→http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51766494.html
注4)「エネルギー・環境選択の未来・番外編 福島第一原発事故の国民負担〜事故処理費用は50兆〜70兆円になる恐れ」(公益財団法人日本経済研究センター、2017年3月7日)
注5)ジャーナリストが「美味しんぼ」原作者の「リンチ」呼びかけ? 石井孝明氏、批判されツイートを削除 http://news.livedoor.com/article/detail/8813493/
注6)「官僚の肩書き捨てたら地獄だった」 貯金千円から這い上がった男 https://withnews.jp/article/f0150730001qq000000000000000W00h0201qq000012312A

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