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たんぽぽ舎です。【TMM:No3269】
2018年1月20日(土)地震と原発事故情報−
              5つの情報をお知らせします
                     転送歓迎    
━━━━━━━ 
★1. 研究費打ち切りの恐怖  2018年1月1日 長周新聞より 
          島村 英紀  (地震学者)
★2.メルマガ読者からの原発等情報3つ(抜粋)
     コラム凡語:吉岡斉さん…ほか    黒木和也 (宮崎県在住)
★3.行き詰まるプルトニウム問題! 完全に破綻した再処理プログラム
    岩波「科学1月号」の特集「プルトニウムと再処理 日米の40年」から
     経産省○エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!その56
               木村雅英(経産省前テントひろば)
★4.メルマガ読者からのイベント案内(お問い合わせは主催者へ)
 ◆ 1/31(水)<柏・松戸で沖縄学習会>
     ☆柏 [沖縄勉強会] 土木技師 奥間政則さんを囲んで
                   (午後4時より6時)
     ☆松戸「沖縄学習会] 奥間政則さん(土木技術者)を迎えて
                   (午後7時より9時)
 ◆2/11(日)シンポジウム
  「検証!原発のゴミ最終処分地選定の前にすべきこと
   −動員されない若者が考える「現世代の責任」−
★5.新聞より1つ
  ◆デブリか 下部に堆積物 福島2号機の格納容器内
      (1月20日東京新聞2面より)
━━━━━━━ 
※1/24(水)学習会にご参加を!
 『国民主権が隠す植民地主義…在日朝鮮人が見る・日本国憲法』
 お 話:宋 連玉(ソン ヨノク)さん
      (青山学院大名誉教授・文化センターアリラン館長)
 日 時:1月24日(水)19時より21時(開場18:30)
 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
 参加費:800円
━━━━━━━ 

┏┓ 
┗■1.研究費打ち切りの恐怖   
  |      2018年1月1日 長周新聞より
 └──── 島村 英紀  (地震学者)
	         
○砂糖の取りすぎの有害性について指摘しようとした研究を米国の砂糖業界
(糖類研究財団。現在の砂糖教会)が打ち切ってしまったために結果を公表
できなかったことが分かった。研究を打ち切らせたのは50年前だが、明
らかになったのは2017年11月になってからだった。
それは「砂糖の取りすぎの有害性についての研究」だった。1960年代当時、
でんぷんの炭水化物に比べると砂糖は心臓に有害だとする研究発表が出始
めていた。心配した財団幹部が1968年、英バーミンガム大の研究者に資金
提供して始まった研究だ。
 この研究でラット(実験動物のネズミ)で影響を調べたところ、砂糖の主
成分のショ糖(スクロース)を与えると、動脈硬化と膀胱(ぼうこう)がんに
かかわる酵素が多く作られることが分かった。腸内細菌の代謝によってコ
レストロールや中性脂肪ができることも確認できそうだった。ショ糖は主
要な甘味料で、砂糖の主成分である。
 研究は順調に進んだが、最終的な結論まではいかなかった。このため研
究者は確証を得るため、研究の延長を求めたが、財団は資金を打ち切って
しまった。それゆえ研究は詰めができず、成果は発表されなかった。
○バーミンガム大の研究者は研究費を打ち切られて、途方に暮れたに違い
ない。
 他方、研究費をそれまで支給していた業界団体は「研究は業界にとって
有益な情報を引き出すべきだ」と述べ、有害性を示唆した研究を続ける価
値はないとした。業界団体の目的は砂糖の消費拡大だろうから、そのため
には役立たないことが分かった段階で支出を抑えてしまったのだ。これは
「狭い」意味での業界の目的のためだったろう。
 このことは、この砂糖の研究には限らない。紙と鉛筆だけでできる学問
は限られている。研究者にとって、研究費は米の飯だ。研究費がなければ、
なんの研究もできない。どの研究でもそうだが、近年は多額の研究費を使
って「力業」で行う研究が増えている。一昔前よりも格段に多額の研究費
が必要になっている。
 逆に言えば、会社や業界、そして政府は、研究費の打ち切りをちらつか
せることによって、研究を自在に制御できるのだ。
○国立大学が「狭い」研究目的に縛られずに使える運営費交付金という国
からの研究費は、2004年に大学が独立法人化されてから年々減らされてい
る。企業からの研究費は、もともと縛りがきつい。テーマによってはトヨ
タやソニーが研究費を出してくれるわけではないから、国からの研究費し
かあてにならない学問が実は多い。
 近年は研究者は自分で研究費を集めなければならなくなった。つまり縛
りがきつい企業関連の研究費だけを集めることにならざるを得ない。
 そして、その先には「御用学問」がある。スポンサーである研究費の支
給元の意向に沿わない研究はやりにくい。研究の結論もスポンサーに尻尾
を振るものになりやすい。
 原子力科学者も、事情は同じである。地震や火山の研究についても似た
事情だ。スポンサーである研究費の支給元が「生殺与奪」の権力を持つこ
とも、研究の結論がスポンサーに逆らわずに尻尾を振るものになることも
同じだ。スポンサーには、もちろん国や時の政府も含まれる。
○だが、砂糖の研究の例のように、研究費の支給元の意向だけに応じた研
究は、結局は人類全体にとってはけして益にならないことが多い。原子力
研究も、会社や推進勢力だけを利するものになる。構図はまさに砂糖と同
じなのである。昨年からクローズアップされた防衛省による軍事研究のた
めの科学研究費にもまったく同じ問題がある。
 ここには、科学研究にとって重い課題がある。昔から、科学は広い意味
の文化のひとつだった。社会に生かされてきた「金魚鉢の中の金魚」のよ
うなものだと言ってもいい。社会の余裕ゆえに生かされてきたものなので
ある。
 文化が、社会から広く支持されなければ、スポンサーである研究費の
支給元の「狭い」意向だけで左右されてしまう。
 社会に余裕がなくなって、株主の顔色をうかがう会社の狭い意向だけが
文化や科学を左右する傾向が、近来ますます強まっているのを憂えざるを
得ない。
                       

┏┓ 
┗■2.メルマガ読者からの原発等情報3つ(抜粋)
 |    コラム凡語:吉岡斉さん…ほか
 └──── 黒木和也 (宮崎県在住)

1.コラム凡語:吉岡斉さん
  京都新聞 1/19(金) 14:25配信 
  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180119-00000022-kyt-sctch

2.プルサーマル推進変わらず=再処理工場の完成延期で―電事連会長
  時事通信 1/19(金) 19:00配信 
  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180119-00000126-jij-bus_all

3.原発避難者、苦境や怒り記す 京都原告団が手記出版
  京都新聞 1/19(金) 17:56配信 
  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180119-00000025-kyt-soci


┏┓ 
┗■3.行き詰まるプルトニウム問題! 完全に破綻した再処理プログラム
 |    岩波「科学1月号」の特集「プルトニウムと再処理 日米の40年」から
 |    経産省○エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!その56
 └──── 木村雅英(経産省前テントひろば)
    
 岩波「科学1月号」の特集「プルトニウムと再処理 日米の40年」の5
つの論文が再処理を続ける日本政府の愚かさを示している。以下はその一つ。
「行き詰まるプルトニウム問題:米国と日本の40年」
田窪雅文(「核情報」主宰)、フランク・フォンヒッペル(プリンストン
大学名誉教授)著
★ カーター政権(1977〜81年)以来、日本のプルトニウム分離プログラ
ムに対する経済、環境、核不拡散の面で反対論の説得力が強まっている
★ プルトニウムを分離してこれを燃料として利用する方法は、経済的競
争力を持ちえない
★ MOX燃料は、同等量の低濃縮ウラン燃料の12倍の費用がかかる
★ 日本は経済性の悪さにもかかわらず再処理を放棄するに至っていない
唯一の非核兵器国
★ 日本の増殖炉計画―元々の再処理計画の正当化に使われた―は息絶え
ている
★ 日本が参加するというフランスのアストリッド(工業的実証用改良型
ナトリウム技術炉)は、予定が10年間で13年延び、責任者は運転開始が2033
年以降と語っている
◆ 日本政府が電力会社に膨大な再処理費用を受け入れさせる理由は、第
一に地元自治体と交渉することの政治的難しさ、第二に官僚機構が政策に
ついて大きな力をもっている、第三に電力供給が規制の強い地域独占の形
をとってきたゆえ再処理の余分な費用を消費者に回せる、の三点
★ フランスの政府所有の電力会社は、選択の権利があるところでは、再
処理から抜け出すことを明確にしている
★ 年間8トンのプルトニウム(核弾頭千発分)を分離するという六ヶ所
再処理工場の設計能力は、核兵器オプションのために必要なレベルをはる
かに上回っている
★ 日本が核兵器オプションを維持しているという話自体が日本の安全保
障にとって悪影響をもたらす(周辺国に疑念を抱かせ、韓国でも核兵器オ
プションを取得すべきだと言う議論を正当化し、核軍縮にとって障害になる)
★ 完全に破綻した再処理プログラムを政府の提供する高額の救命措置か
ら外すという決定をフランスと日本が行えば、中国にその政策を再考する
よう説得できることになるかもしれない

 河野外務大臣が、7月に30年の期限を迎える日米原子力協定について、
自動延長は通告で6カ月後に協定を終了させられるため「不安定だ」と慎
重な姿勢を示した。が、まずは、上記「政府が電力会社に膨大な再処理費
用を受け入れさせる理由3つ」を取り除き、再処理も原発稼働も断念して
日米原子力協定を破棄するべきではないか。


┏┓ 
┗■4.メルマガ読者からのイベント案内(お問い合わせは主催者へ)
 └──── 
 
 ◆ 1/31(水)<柏・松戸で沖縄学習会>
        https://henoko.jimdo.com/

 ☆柏 [沖縄勉強会] 土木技師 奥間政則さんを囲んで

 日 時:1月31日(水)開場15:30 開会16:00より閉会18:00
 場 所:パレット柏会議室D(定員30人) JR柏駅南口徒歩3分
 講 師:奥間政則さん(土木技術者)
 主 催:柏市民憲法連絡会  小菅敏夫
 受 付:参加には事前登録をお願いします(中村 090-1609-1851)
 資料代:300円


☆松戸「沖縄学習会] 奥間政則さん(土木技術者)を迎えて

 日 時:1月31日(水)午後7時より9時
 会 場:ほくとビル4F会議室  JR松戸駅西口徒歩6分
           松戸市松戸1879-24
 講 師:奥間政則さん(土木技術者)
 主 催:松戸「沖縄とつながろう!」実行委員会(吉野 090-4606-9634)
 参加費:300円

◆2/11(日)シンポジウム
 「検証!原発のゴミ最終処分地選定の前にすべきこと
   −動員されない若者が考える「現世代の責任」−

 日時:2018年2月11日(日)13:00〜16:30
 場所:SHIBAURA HOUSE 5階(JR田町駅)
 申込・詳細:https://asjkakugomi.amebaownd.com/posts/3474105
 主催・問合せ:(特非)A SEED JAPAN(info@aseed.org)
                                TEL:03-5826-8737
【プログラム】
○Part1.地域間・世代間の不公正問題
最終処分地決定プロセスにおける問題
高レベル放射性廃棄物処分事業はなぜ進まないか(水藤周三/高木仁三郎
市民科学基金)
電源三法交付金制度の問題と立地地域の社会変容(藤原遥/一橋大学大学院)
 すべての自治体から核ごみ拒否の回答を得た37年間の記録(石丸裕介/岡
山県自治労本部)
○Part2.公論形成を目指す取り組み、現状と課題
「立地問題」化から新たな公論形成へ(寿楽浩太/東京電機大学准教授)
韓国における最終処分場をめぐる公論形成の努力と示唆点(高野聡/韓国・
慶北大学行政学科修士)
○Part3.パネルディスカッション−あるべきプロセスとは何か

┏┓ 
┗■5.新聞より1つ
 └──── 

 ◆デブリか 下部に堆積物 福島2号機の格納容器内

 東京電力は19日、福島第一原発2号機の格納容器内を調査し、容器下部
に溶け落ちた核燃料(デブリ)の可能性が高い堆積物が見つかったと発表
した。
 この日は早朝から、長さ約13メートルのカメラ付きパイプを格納容器の
横側から差し込み、圧力容器直下にある格子状の作業用足場の脱落部分か
ら、カメラや線量計、温度計を備えた機器をケーブルでつり下ろした。
 その結果、格納容器の下部に広く小石状の物体が積もっていることが確
認された。核燃料の取っ手らしきL字形の金属片も見つかった。
 デブリの高熱で圧力容器の底に大きな穴があいて落下したとみられる。
 昨年一月の前回調査では圧力容器直下を撮影し、過熱したデブリが流れ
落ちたような痕跡や、黒っぽい堆積物を多数確認した。
 今回はパイプの長さを、前回より約1、3メートル延長し、カメラなどの機
器もつり下げ式にし、広範囲に調査できるよう改良した。
 3号機では、昨年7月に水中ロボットを使った炉内調査で、格納容器下
部の各所にデブリらしき物体がたまっているのを確認した。
○一歩前進でも廃炉は遠く

<解説> 福島第一原発2号機の原子炉内の状況がまた少し解明されたこ
とは、廃炉作業が一歩前進したことを意味する。ただし炉内は人間が近寄
れば数分で死亡するおびただしい放射線に満たされている。貴重な一歩で
あることは確かだが、廃炉への道はまだ遠くかすむ。
 政府・東電は、無理に格納容器に遮蔽(しゃへい)用の水を張らず、今
回カメラを入れたように、炉の横側から機器を入れて溶け落ちた核燃料
(デブリ)を取り出す方向で検討を進めている。
 ただしデブリは、損傷しているとはいえ一定の遮蔽力、密閉力が残る炉
内にとどまっている。
 作業員の大量被ばくや放射性物質の漏れといったリスクを冒してまで、
デブリを取り出すのが良いのか。当面は厳重に管理する方が得策ではない
のか。そもそも取り出す方法を見いだせるのか−。
 現時点では答えは見つかっておらず、廃炉に関わる当事者間でも議論が
分かれている。
 デブリ取り出しは、米スリーマイル島原発事故(1979年)の経験がある
とはいえ、事故の深刻度は福島事故とは比べものにならないほど小さい。
福島では一つ一つ、正しい判断材料を集めていくしかない。 
            (1月20日東京新聞2面より)
写真は
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201801/CK2018012002000158.html


──────────
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