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辺野古土砂投入に反対するNGOが共同で記者会見

12月20日14:30〜15:40、参議院議員会館において辺野古土砂投入に反対するNGO共同記 者会見が行われた。本土で活動する国際環境、国際協力、国際人権、平和問題に取り組む NGOが共通で企画。沖縄の民意やプロセスを完全に無視した建設強行は極めて問題であり 、現在進行していることは、人権、平和、環境、法の支配、民主主義による民意の尊重の いずれの観点から見ても著しい問題があるとして行った。司会・進行は国際環境NGOFoEJa pan事務局長の満田夏花さん。

主な発言は次の通り
*井筒高雄さん(元自衛隊自衛官、ベテランズ・フォー・ピースジャパン共同代表)

「なぜ今辺野古の工事を強行しなければならないのか。在日米軍は沖縄に26,000人いる。 その中で海兵隊は16,000人。今後グアムに6,000人が移動し、沖縄には1万人しか残らない 。そのうち実働部隊は2,000人。東南アジアを巡回するのが任務なので沖縄に常駐するわ けではなく半年以上は沖縄を離れる。中国・北朝鮮脅威論が言われるが、物理的な距離と 実態の戦力として、沖縄でなければならないというのは軍事的にはありえない。さらには 建設資金をなぜ日本が負担しなければならないのかなども含め、まだまだアメリカと交渉 する余地がある」

*伊藤和子さん(国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長)

「政府が強権的に工事を強行して環境を破壊し、人々の民意を踏みにじっていることに対 し、本土の市民も声を上げていかなくてはと、このような機会を持つことができた。沖縄 の方々は国連の人権機関から先住民として認定されている。先住民の土地を勝手に軍事利 用してはならないことが明確にされている。自己決定権を侵害している。日常的に人権侵 害があまりに大きい。基地の再編強化でさらなる人権侵害につながろうとしていることに 対し声を上げていきたい」

*今井高樹さん(日本国際ボランティアセンター代表理事)

「辺野古の問題は海外の開発や人権侵害の問題と同じ構図を持っている。農民の土地を収 奪して大規模な農場にして日本の商社の営利になるような商品作物の生産等をやっている 。小規模農民の人権侵害が行われている。朝鮮半島では南北首脳会談や米朝首脳会談で、 沖縄に軍事基地を置く必要はなくなってきている。基地工事を強行していること、基地を 固定化するために緊張関係があったほうがいいというような日本政府の態度は問題だ」

*小松豊明さん(NGO非戦ネット呼びかけ人)

「南アジアの貧困問題に取り組んでいる。沖縄で今進んでいる現状は人権が著しく損なわ れている。社会正義が脅かされている。沖縄だけの問題ではない。日本人の問題だ。声を 上げていきたい。メディアで取り上げられている問題点も政府は全く無視しているが、メ ディアはしっかり取り上げてほしい」

*高橋真理さん(NPO法人アジア太平洋資料センター事務局スタッフ)

「ツアーを組んで沖縄を何度も訪問してきた。辺野古は普天間の代替基地ではなく、水陸 両用の新しい総合軍事基地。軍隊がいるから攻撃されるということを沖縄戦を体験された 方は知っている。軍隊は市民を守らないということも実体験から知っている。これは日本 の基地の問題、私たち自身の問題だ。命や人々の普通の暮らしが大切にされる社会であり たいと思う」

*谷山博史さん(NGO非戦ネット呼びかけ人・運営委員)

「国際協力を通してグローバルな課題の解決に取り組むNGO関係者635名、および組織77団 体で構成されるNGO非戦ネットを代表して政府の土砂投入強行に抗議の意を表明する。今 政府が辺野古で進めていることは、歴史の教訓に背を向け、米軍と一体となって再び戦争 の惨禍を沖縄にもたらすもの。市民の普遍的な権利を圧迫するもの。土砂投入は始まった が、後戻りできないわけではない。原状回復は政府の責任。その責任を税金という形で私 たちに転嫁されることを許すわけにはいかない」

*野平晋作さん(ピースボート共同代表)

「大浦湾の地盤は軟弱地盤でとても基地など建設できるものではないことが専門家の調査 で明らかになっている。日本政府は基地を造るために計画変更を知事に出さなければいけ ない。知事が許可しなければ建設計画の変更はできない。2015年の国連サミットでSDGs (持続可能な開発目標)が採択された。17の目標のうち、14番目は『海の豊かさを守ろう 』というもの。日本のSDGs推進本部の本部長は安倍首相で全ての閣僚がメンバーになっ ている。この中で政府は『生物多様性、森林、海洋等の環境の保全』を国際社会に約束し ている。辺野古の海を土砂で埋めるなどありえないこと。日本政府の矛盾をついて政策変 更を要求していきたい」

*花輪伸一さん(辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク)

「沖縄で自然や野生動物を守る活動をすると、必ず米軍基地とぶつかってしまう。環境、 人権、平和そして地方自治、これは切り離せない密接に関連した問題になっている。やん ばるの森、国頭村、東村の高江地区では、オスプレイ用のヘリパットの再工事が始まる。 南西諸島は、自衛隊配備が進みつつある。辺野古新基地建設は暴力的に工事をやっている 。安倍政権は全く法律を無視して自然を壊す、地域の人権をないがしろにする、平和を破 壊する、地方自治をないがしろにする、こういう強権的な手法で行われている。公有水面 埋立法に書かれている‘国土保全上合理的でなければいけない’‘環境保全をしなければ いけない’‘災害防止に役立たなければいけない’これらを一切無視している。沖縄県知 事の 撤回理由に上げられているのに一切無視して埋め立てを強行した。全く法律を守らない『 ならず者国家』と言われてもやむを得ないことを安倍政権はやっている。いろんな人が声 を上げ、つながっていくことが重要」

*満田夏花さん(国際環境NGOFoEJapan事務局長)

「FoEは世界74か国に団体を持つ国際的な環境問題のネットワーク。とてもひどいことが この国で進行している。民意を示しても法的手続きをとっても、政府はどんどん進めてい く。沖縄の問題ではなく、本土の問題。人々の暮らし、人権、未来を選択する権利が守ら れるべき。根本的な権利が今侵害されている。沖縄で反対運動をしている人たちへの弾圧 がこれ以上強まってはならないと思う。総事業費がわからないようなそして国民の6割く らいが反対しているような事業がこのまま一方的に進められていいのか。辺野古新基地建 設の即時停止を求めていきたい」

会場からは、きちんと伝えないマスメディアの報道についてや、岩屋防衛大臣の「基地は 日本のため」発言についてや、今後のアクションについてなどの質問が出され議論された 。司会者は、今後も共同して声を上げていきたいとまとめた。〔尾澤邦子〕


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