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レイバーネットTV「一押し本・映画アンケート」全紹介


 2018年12月12日のレイバーネットTV「ことし私のベストワン〜本と映画で振り返る」のアンケートには29人の方が参加していただきました。以下、コメントの全文を紹介します。到着順です。

01 ジョニーH

一押し本「酔(ゑ)いもせず其角と一蝶」田牧大和
元禄時代、将軍綱吉の母である桂昌院の思いつきで翻弄される人々。絵師の暁雲(多賀朝湖)と俳諧師の宝井其角が吉原遊郭で起きた難事件を解決していく。二人は松尾芭蕉の直弟子で幇間でもある。生類憐みの令に翻弄され赤穂浪士討ち入り事件も起こる。紀伊国屋文左衛門・水戸黄門も登場。英一蝶の命名秘話も。明治時代に比べ生き生きとしている粋人たちに現代の生き方を示唆している。
一押し映画 「判決・二つの希望」ジアド・ドゥエイリ レバノン・フランス合作
レバノンの街中で、キリスト教徒であるレバノン人男性とパレスチナ難民の男性との口論が裁判沙汰となり、やがて全国的な事件へと発展。裁判劇だが、徐々に、優遇される移民難民に敵意を抱くレバノン内戦難民の存在を知る。低レベル化してる日本の報道メディアでは絶対に伝えない中東アラブ社会の人々の心情と望みを知る。

02 土屋トカチ

一押し本 「過労死ゼロの社会を―高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか」 高橋幸美・川人 博(連合出版)
冒頭16ページにわたる、在りし日のまつりさんを収めた写真の数々。異常な就労実態で死に追いやられる過程を追う第1章。そして、母・幸美さんの想いをつづった第2章。涙なしでは読めない。過労死---。こんな結末は、もうこれ以上、やめにしなければならない。しかし、高プロを含めた働き方改革関連法は、2019年4月に施行される。どうかしているぞ、この国は。
一押し映画「アルジェの戦い」監督:ジッロ・ポンテコルヴォ
20世紀の大傑作。半年前に初めて見ましたが、未だに脳裡に焼き付いています。

03 フクシマ陽太郎

一押し本「真文学の夜明け」(丸山健二、柏櫓舎)
文学とは芸術の中で最も人間らしい分野で他を圧倒する潜在力を秘めた無限の感動をもたらす知的な世界だ。筆者の確信は50年間の真摯な取り組みから生まれた。屹立する圧倒的な小説を書き続け、丸山健二文学賞を創設し丸山塾で実践的な小説作法を授け、真文学のために邁進する。惨憺たる日本文学界、読み手と編み手を徹底的に完膚なきまでに批判する。真文学に至る道筋を描く震撼せしむる新刊だ。
一押し映画なし

04 依 草太

一押し本:「死地を越え帰郷まで 日帝強制徴用の手記」勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会企画 李相業(イー・サンオプ)著 李洋秀(イー・ヤンス)翻訳
今年の10月30日、韓国の大法院で元徴用工が新日鉄住金に起こした裁判の原告勝訴の判決が出た。この判決をほとんどの日本のメディアは批判的に報じた。本書は1943年に福岡の上山田炭鉱に徴用された李相業さんの手記である。当時の強制労働の実態が当事者の経験から生々しく描かれている。強制徴用とは、植民地支配とは何だったのか。被害者の声を無視した解決など無いことを改めて強く感じさせてくれた一冊だった。
一押し映画なし

05 遠藤竜太

一押し本 栗原康「アナキズム一丸となってバラバラに生きろ」岩波新書“黒”版
“人生は爆弾である。正しさをぶちこわせ!”これまで以上に饒舌な口語体に驚くが、運動論、フェミニズム、エコロジー、経済、社会、労働など現代の各問題への最新のパースペクティブを実に具体的かつ平易に示している。読むと、これまでの断片的な知識や体験がパズルのように嵌って行って1枚の絵となり“ああ、こう言うことだったのか”となる1冊だ。
一押し映画 何か見たんでしょうけど、何も思い出せません

06 河添 誠

一押し本 絞れませんでした。
一押し映画
ジアド・ドゥエイリ監督「判決、ふたつの希望」を遅ればせながら観たのですが、これがすごかったです。レバノンの首都ベイルートで、パレスチナ人男性とキリスト教徒のレバノン人とのちょっとしたいさかいが起こるのですが、そのことをきっかけに、両者の背景にレバノン内戦の重い事実があることがわかってくるという映画。ヘイトクライムと和解などを深く考えさせられます。劇「映画の1本」でしたら、これ。「ドキュメンタリーの1本」でしたら、フレデリック・ワイズマン監督「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ」ですね。

07 笠原眞弓

一押し本「今年の1冊」なら、2017年初版だが、米本浩二著の石牟礼道子さんを書いた「評伝 石牟礼道子 渚に立つひと」(新潮社)。目の前に石牟礼さんが現れた感じがした。
一押し映画
今年見た良い映画というと、社会問題を主題にした韓国作品があげられる。シネクラブでの「地の塩」や「戦場でワルツを」も、印象に残っている。
そんな中でも1本なら、サモアの生活を描いた「モアナ 南海の歓喜」(監督:ロバート・フラハディ)だろう。一度見たら忘れられない。ドキュメンタリーという言葉が初めて使われた作品だ。1926年に撮影され、1980年に当時の習慣が残っていた現地に出向き音声を収録。さらに2014年に痛んだフィルムを入れ替えたうえ、デジタル化されたもの。映画史的にも価値があるといえる。90年前の人々の衣食住が、まるでいま生きているようによみがえり、私もそこにいるようだった。「人間って、こうやって生きてきたのだ」と永田町あたりで起きていることを忘れさせ、希望が湧いてきた。上映した岩波ホールに感謝である。

08 佐々木有美

一押し本 石牟礼道子「苦海浄土」
石牟礼さんが2月に亡くなり、追悼の気持ちも込めて読みました。他者の苦しみをどうわたしたちは受け止めるか、その原点を教えられました。
一押し映画 「愛と法」(戸田ひかる監督)
ゲイの弁護士カップルの話です。彼らの自然体の日常がすがすがしかったです。特別視されがちな人たちですが、この映画を見ればそんな偏見は吹き飛びます。

09 山口正紀

一押し本「地図から消される街――3.11後の『言ってはいけない真実』」(青木美希著/講談社現代新書)
著者は朝日新聞記者。2013年、「手抜き除染報道」で新聞協会賞を受賞した。この「手抜き除染」への怒りとともに心を打つのが、「捨てられた避難者たち」に向けられた筆者の眼差しだ。大手メディアが関心を失っていく中、著者は部署が変わってもフクシマに寄り添い、「伝えるべき事実を伝えるという新聞記者の果たすべき役割」にこだわる。その姿は、かつて北海道新聞記者時代、警察の裏金を追及し続けた彼女のジャーナリスト魂の稀有な輝きを伝えている。
一押し映画「華氏119」(マイケル・ムーア監督)
この映画を見るまでは、2018年の「一押し」は、「タクシー運転手」と思っていた。映画を見た後の感動という点では今もそう思う。だが、一人でも多くの人に見てほしい、ということになると、「華氏911」以上の深刻なメッセージを放ちながら、今一つ注目されなかった本作を勧めたい。アメリカはなぜトランプ大統領を選んだのか。その秘密を探る本作の中に、史上最悪の安倍政権が続いている理由も見えてくる。

10 志真秀弘

一押し本「線量計と奥の細道」(ドリアン助川、幻戯書房)
今を生きることを考えさせるルポルタージュの傑作。
一押し映画「万引き家族」(是枝裕和)
ドキュメンタリの手法を駆使して捉えた日本の今。

11 松原明

一押し本「日本軍兵士」(吉田裕)
等身大の姿で兵士が描かれている。もし50年前に生まれていたら自分もこうした国家のシステムの中で、殺されていったのだと思う。反戦平和への思いを新たにした。
一押し映画「華氏119」。この作品でマイケル・ムーアは笑っていない。怒っているし真剣だった。アメリカはファシズムになっている、という危機感が伝わってくる。また民衆側の運動の希望も。

12 正木俊行

一押し本「さなぎたち」大早直美著 創風者出版 2018.9
短編小説集である。主人公たちは、どこにでもありそうな普通の家庭の、どこにでもいそうな少年少女。誰もが経験しそうな小さな事件、ちょっとしたトラブル。しかしそれらは、人間としての「初心者」である、子どもではないが大人にもなりきれていない「さなぎたち」にとって、人生の試練そのもの。大人の目から見れば痛々しく、可哀想な、いたたまれない境遇にいる彼らは、しかし自らその境遇を不幸とすら自覚していない。ただその環境を生き抜いているに過ぎない。作者はそういった少年少女を、大人の視点からではなく、本人たちに成り代わるようにして彼らから見える世界を描いている。少年少女の胸の中に入り込んで、「実存」としての彼らの姿を見事に捉えているのだ。本書の宣伝文句は「読後、さわやかさがひろがる一冊」である。そのとおりだが、さらに付け加えれば、そこにあるのは誰にも見えなかったさなぎたちの心の奥にまでメスを入れた、相当に「怖い」物語なのだとも言っておきたい。
一押し映画「タクシー運転手」(チャン・フン監督)
同じソン・ガンホ主演の「弁護人」を見ていないので比較できないが、それを除くとすればまずこの映画がピカイチだと思う。韓国映画の政治を描く姿勢にいつも感心する。

13 長倉徳生

一押し本 絵本「花ばぁば」(クォン・ユンドク著)
ある日突然あらわれた兵士にトラックに乗せられ、南の島で日本軍の「慰安婦」にされた女性の話。あまりの出来事に、20年間の記憶をなくしてしまう。実話であり、出版するまで様々な障害があったという。重いテーマだが、子供たちにも読みやすい形になっていて、多くの人に勧めたいと思っています。
一押し映画 ドキュメンタリー映画「愛と法」(戸田ひかる監督)
大阪在住のゲイの弁護士カップルを主人公に、彼らの取り組みを通じて司法のばかばかしさがよく分かる。ほとんど「喜劇」。彼らの日常も、互いに支え合い尊重し合い、観ていても気持ちがいい。異性のカップルでも、こうあれるといいな〜と感じさせてくれる。

14 長谷川澄

一押し本「空が青いから白を選んだのです」奈良少年刑務所詩集(受刑者著、寮美千子編)
もう、何回も繰り返し読みましたが、今も手の届くところに置いて、開いたページから、時間のあるだけ読んだりしています。この人たちが、犯罪に至る前に救うことの出来なかった社会を構成していた大人の一人として、申し訳なく思っています。少年犯罪として扱う年齢を下げることに賛成する人たちにこれを読ませたい。このようなクラスのあることで、変わる子どもたちがいることを多くの人に知らせたい。
一押し映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」(ケン・ローチ監督)
この映画を見たのが、今年だったか、去年だったか確かではないのですが、その後に見たどの映画よりも、強く印象に残っている映画です。それでも英国は、今、コ―ビン氏率いる労働党がかなり伸びているそうで、この映画で取り上げた問題も可視化されていると思います。生活保護を切り下げても(!!!)当事者以外ほとんど騒がない日本が一番問題が多いように見えます。

15 柏原康晴

一押し本「その後の福島 〜原発事故後を生きる人々」吉田千亜 著 人文書院
ホームセンターで除染グッズに見積もりに「もう安全です」シールプレゼント、放射能が濃縮した灰も家庭用ごみに混ぜて出せますよと勝手なルールを語る役人、自宅から出た除染土壌の行き先を担当者に尋ねたら「風評被害を招く」と怒られたり、怒り悩みながら地元で暮らす人々の中に、記憶の風化に加害の漂白に抗う人たちを著者は見出し記録する。大人の作り出したこんなクールジャパンで暮らしていく子供たちに詫びる様に。
一押し映画 証言ドキュメンタリー「福島は語る」土井敏邦 監督
気概があるお店の自主上映会で観た。長年パレスチナに通う土井監督は、福島でも理不尽に故郷を追われた家族を訪ねて、旧知の仲みたいに懐深く入る。大人たちは長年地元でやってきた仕事の話をゆったりと誇らしげに話してくれる。転任先の会津で快活に話す女の先生、でも津波で教え子を2人亡くして以来、毎年311の日は学校へは行けない。同じ浜通り出身の子3人と学校を抜けてドライブへ……もっと聴きたい短縮版2時間51分、完全版は5時間半。

16 白石孝

一押し本「ソウルの市民民主主義〜日本の政治を変えるために」2018年3月コモンズ発行(朴元淳、白石孝ほか著)
韓国に関する本は大半が戦後~1980年代民主化〜1997年金大中までで、2011年以降のソウル市政、そして2016〜7年キャンドル革命とムン・ジェイン政権を日本に引き寄せて書かれた本が皆無な中で、貴重な1冊。
一押し映画「タクシー運転手」
1987、グレイテスト・ショーマン、万引き家族も甲乙つけがたいが、ソン・ガンホが大好きなので、プラスワンにした。日本の左派運動圏の私たちが「ネトウヨ」と闘うことに加え、「今の韓国」を謙虚に知る、学ぶことが肝心。ということで選びました。

17 尾澤邦子

一押し本 マンガ「まさかの福澤諭吉」(雁屋哲著シュガー佐藤絵) 一押し映画「アイキャンスピーク」(キム・ヒョンソク監督)
終わっていない日本軍「慰安婦」被害者の物語。区役所ブラックリスト1号のトンデモおばさんと、下っ端公務員のユーモラスなやりとりが、最後に米議会の「慰安婦」謝罪決議に結び付く。日本政府は恥を知れ!

18 浮世花(うきよばな)れい

一押し本「水俣から」「水俣へ」(水俣フォーラム編)
水俣フォーラムが長年続けてこられた講演を2冊の本に編まれたものです。石牟礼道子さんを初め亡くなられた方の講演も多く、それぞれ違った視点からのお話に引き込まれました。地道な活動をされてきた水俣フォーラムに感謝です。
一押し映画「モアナ 南海の歓喜」
1926年に撮影されたサモアの映像を観ながら、ずっと、ああ、このとき世界にはまだ核がなかったんだよなあと感じ続けていました。鏡の表と裏ほど違うこの時代まで時計の針を戻せたらと、どれだけ思ったことか。失ったものの大きさを感じるばかりでした。これは鋭い反核映画でもあります。

19 北穂さゆり

一押し本「夏の葬列」山川方夫
国語の教科書で読まされた読後感が徹底的に鬱な物語というと、わたしの時代は「かわいそうなぞう」でした。最近は圧倒的に、この「夏の葬列」だそうです。終戦直前に端を発するこの物語が、現代の子どもにもわかりやすいのは、戦火に白いワンピースを着ている女の子というイメージが、日本の戦時下の閉塞性からかけ離れており、グローバルで映像的。だから今まさに、地球のどこかで起こっている悲劇のように感じられるのでしょう。
一押し映画「The Last Pig」監督: Allison Argo
主人公は自然を求めて、ニューヨーク州に豚の楽園を築きました。しかし彼は、豚を食糧として育てる酪農家です。光を浴びて神々しく育った豚は「その日」が来ると、天を仰いで怖がります。主人公は不安なまま、とにかく酪農をやめ、人類の営みの安定的な繁栄から、自分ひとり立ち退く決断をするのです。この作品が訴えるものは動物愛護ではなく、自分の心とその動きを客観的に見つめる仏教哲学的な葛藤と、その荘厳な美しさです。

20 堀切さとみ

一押し本「NHKと政治権力」(永田浩三著)
この夏江古田で開催された「言論の不自由展」で本書に出会った。2001年、NHK従軍慰安婦番組が改編されたのはなぜなのか。当事者である永田浩三さんの文章は、ディテールの細やかさもあり、映画をみるようだ。「つらい歴史的な体験をした人の信憑性を最後の土壇場で疑うなんてありえない」。それを通せなかった己の弱さに向き合う姿を、私自身胸に刻み込んだ。
一押し映画「カメラを止めるな」(上田慎一郎監督)
とにかく面白いと口コミで広がり、映画なんて観ない若者の足をも劇場に運ばせた。普段はガラガラな地元の映画館も満席。100回観たという強者もいるとか。夢なんて見てられない、食べていくだけで精一杯な若い世代にも夢を与えたこの映画。「大したことないんじゃない?」という年配世代も、この映画の何が魅力なのか、分析してみるとおもしろいかも知れない。

21 木下昌明

一押し本 なし
一押し映画 ファティ・アキン監督「女は二度決断する」
今年はドキュメンタリー映画の年で、「沖縄スパイ戦史」や「共犯者たち」がありましたが、でも、それによって劇映画を否定するものではありません。「女は二度決断する」には、いまの時代の、女性の苦しみと悲しみの深さが見事に表現されていました。

22 林田英明

一押し本 映画だけにしました
一押し映画 「沖縄スパイ戦史」(三上智恵、大矢英代監督)
少年ゲリラ兵「護郷隊」という存在を初めて知ることができた。戦争の実相は、時の権力者が押しつけるものとは大きく異なるだけに、危うい今の時代に極めて重要なドキュメンタリーだと思う。監督の三上智恵さんの講演を「戦場ぬ止み」で3年前に一度だけ聞いたことがあるが、ジャーナリストとして非常に良い仕事をその後も続けている。パンフレットも、誤植こそ目立つが一読に値する。

23 上野恭一

一押し本「教師のブラック残業」 内田良 学陽書房
教員の過酷な労働状況を告発。学校の働き方改革をまっとうな方向に導く灯の一つ。今まで光が当てられなかった「給特法」の認知に貢献。個人的には島崎弁護士の「教員の長時間労働は“社会悪”」の言葉が印象的。これに対して「イエス」か「ノー」かで立場は決定的に分かれると思います。前者の先生たちを応援します。
一押し映画「タクシー運転手〜約束は海を越えて」2017年 韓国
軍事政権の恐ろしさを身近な国の出来事を通して体感できました。真摯に職務に取り組む警察官や自衛官の人たちにも観てほしいと思いました。個人的には、ドイツ人記者からの再会のよびかけに応じなかった主人公が、変わらぬ日々を今も淡々と送る姿に心から共感を覚えました。

24 見雪恵美

一押し本 「自衛隊の闇組織 秘密情報部隊『別班』の正体」 (講談社現代新書) 著者 石井暁
自衛隊には「別班」というのがある。この班は、総理大臣なども知らない。旧日本軍の現代版と言うものだろうか。それは、公安のように偽名を使い新宿、渋谷などに「○○会社」として拠点を置いているという。監視対象は、「平和をとなえる人」「左派」等の人たちが対象になっているということです。「沖縄スパイ戦史」の中野陸軍を思い出させる現代版スパイといえるような組織です。
一押し映画 「沖縄スパイ戦史」としたかったのですが「宮古島からのSOS」を推薦します。辺野古・高江・伊江島・宮古島・与那国島・石垣島・奄美に襲いかかる軍事化は日米合同の一体化で、再び「沖縄戦」と第2次世界大戦の引き金になる昨今。辺野古だけではなく、宮古島に政府が襲いかかっている暴挙を知ってほしいと思い、この映画をえらびました。(監督は藤本幸久さんと影山あさ子さん)

25 松本昌次

一押し本 福島紀幸著「ぼくの伯父さん 長谷川四郎物語」(河出書房新社刊)
すぐれた精神の軌跡。圧倒的な大著。
一押し映画 是枝裕和監督「万引き家族」
貧しい民衆はどうやって生きるか。その現実を直視。「幻の光」以来のファン。

26 篠木祐子

一押し本「葭の渚−石牟礼道子自伝」(2014年 藤原書店)
一押し映画「タクシー運転手−約束は海を越えて」(チャン・フン監督、2017年、韓国)

27 大西赤人

一押し本・パス
一押し映画 「1987、ある闘いの真実」(チャン・ジュナン監督)
社会的・政治的な題材を、堅苦しくはなく、エンタテインメントとしても十分に観客を惹き付ける形で作り上げています。特にこの種のものに関しては、残念ながら日本の映画は負けている印象があります。

28 渡辺照子

一押し本 「説教したがる男たち」をブックレビューで書き、実に多くの方々から共感をいただきました。ですので、このコーナーではあえて、別の本をご紹介します。「情報生産者になる」(上野千鶴子 ちくま新書)です。単なる文章読本ではなく、それ以前の情報・資料収集や論理構成等の直伝です。上野先生のゼミ生になった気分です。アウトプットには必要だと思います。
一押し映画・映画は見ることができませんでした。

29 黒子千恵

一押し本 「凛とした小国」(伊藤千尋)
コスタリカでなぜ軍隊を廃止できたか。理想ではなく、現実からの軍隊廃止。そして24時間365日の憲法裁判所。教育。などなど。映画だけではわからないところがわかるエピソード。
一押し映画 「タクシー運転手」
今年は例年になく多くの映画を見た。沖縄スパイ戦史、OKINAWA1965、華氏119、コスタリカの奇跡etc。迷ったが、やはり今年は「タクシー運転手」だろう。普通にすごい。頭の中で白竜の「光州city」がぐるぐるした。

以上


Created by staff01. Last modified on 2018-12-12 14:39:26 Copyright: Default

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