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「裁判所が真実から逃げた判決」〜東京朝鮮高校生「無償化」裁判報告集会

 10月30日、東京高等裁判所101号法廷において、東京朝鮮高校生「無償化」裁判控訴審が行われ、当日は毎回同様に朝鮮学校に通う高校生や原告団支援者約900人が傍聴券を求めて集まった。多くの人の注目を集めた判決は、朝鮮高校生には「無償化」を認めないとの判決だった。

 裁判終了後、場所を北とぴあ・さくらホール(王子)に移して、判決集会を開催した。集会会場は満席で、弁護団から当日行われた判決言い渡しの説明があった。弁護団からは悔しさで声を詰まらせながら「今日の東京高裁判決は、最後の最後まで裁判所が真実から逃げた判決だったと思っている。東京高裁は、公判を通じてある程度真実に迫っていた。真実に基づいた判決がなされるはずだった。ところが最後の最後で、国を勝たせる方向で舵をきってしまった。高裁は朝鮮学校が適正に運営されていることを認めず、文部科学省が朝鮮学校を不指定処分したことを行政の裁量内と結論付けた。しかし、高裁は起きた事実を十分に審理しなかった。論理的な矛盾は明らかで上告審では必ず、この点が焦点になる。さらに、この裁判は裁判所内だけで闘われている訳ではない。裁判所の外でもこの問題に関心を持ってもらい、日本国内で朝鮮学校だけが無償化から排除されていることを一刻も早く止めさせる世論を作っていかなければならない」と報告があった。

 続いて、朝鮮学校に通う生徒達からの演劇披露があり、無償化裁判で勝つために諦めない姿勢をアピールした。

 オモニ会からは「なぜ日本政府は朝鮮学校だけを無償化制度から排除するのか。自国の言葉、歴史を学べる所は『ウリハッキョ』しかない。多民族の文化を理解する目的のオリンピックが行われる東京で、このような事が起きている。おかしい。私達の自慢の子どもたちの笑顔のためにこれからも頑張っていきたい」と強い決意表明があった。

 朝鮮学校無償化裁判を行っている大阪、愛知、広島、九州のそれぞれからも連帯アピールがあった。

 韓国からも「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」が「無償化裁判の不当判決は到底受け入れられない。いま朝鮮半島は分断から平和へと流れ、世界の人々はそれに歩調を合わせている。しかし、安倍政権だけは時代に逆行している。日本政府は当然保護されるべき在日同胞を差別している。植民地時代の謝罪はおろか、子どもたちに対してこのような野蛮な行為をするとは恥を知るべきだ」と訴え、力強い連帯アピールを行った。

 朝鮮学校だけが高校無償化制度から排除されている現状は、海外からも懸念の声が上がっている。高裁判決後の11月2日には、支援活動に参加している韓国の市民団体が、東京で記者会見と文科省要請行動を予定している。日本政府は日朝交渉の再開を打診していると伝えられるが、そのためには日朝間で率直な話し合いができるテーブルを用意しなければならない。日本国内でこのような差別がある中で、果たして相手がまともに話し合いをできると考えるだろうか。〔金子 通〕


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