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「伝えたい思いを的確に伝えるために」〜レイバーネット合宿でメディア講座

 レイバーネットの夏期合宿が、8月24〜26日埼玉県毛呂山町のスキャットセミナールーム(写真上)で行われた。周りは緑と田んぼが360度まで広がっている。空気がうまい。関西からの人、非会員の人も含め参加者は28人だった。仕事や運動分野も多彩で「出会い」と「大交流」の場になった。

 プログラムは、バーベキュー、メディア講座、上映会、川柳大会、即興歌、温泉などなど。一緒にご飯をつくり寝床をつくり語り合った。毛呂は埼玉でも最も温度が上がる地域で、午後から夜にかけては「39度の酷暑」が襲ってきた。バテた仲間も出たが知恵を出し合い、「酷暑」をしのいでの合宿だった。

 講座のメインは25日午後に行われた山口正紀さんの「記事の書き方講座」(写真)。「大手メディアの真似をするな。伝えたい思いが一番大事で、その思いを的確に伝える技術を学ぶことである」と刺激的発言から講座は始まった。読売新聞を経てフリージャーナリストとして歩んできた山口さんならではの「実践講座」となった。

 山口さんは、取材で大切なことは「取材を始める前の準備」「全力でメモをとること」「取材中の発見を大事にすること」などを上げた。大手メディアが記者会見で「メモもとらない、質問もしない」などあきれた実態があることも紹介した。記事の書き方では、「締切を守ること」「中学生が読んでもわかる文章を書くこと」を強調し、「一つの文をできるだけ短くする」など具体的テクニックをいくつも教えてくれた。

 またこの間レイバーネット内部でも話題になった「差別用語」についても丁寧にレポートした。「基本は差別をどうなくしていくかという視点をもつこと。差別されている当事者の話を聞いて学ぶこと。安易に差別的に使われてる慣用句で済まさずほかに適当な言葉はないかを探す努力をすること」などを問題提起した。山口報告は1時間、そのあと質疑ディスカッションを1時間したが、大変中身の濃いものとなった。(山口報告はビデオ収録をしたので、今後、動画や活字の形で広めたい)。

 なお一日目の24日午後には、松原明・前田けんじらが講師になって「ビデオ撮影・写真撮影」の実践講座を行った。この日初めてビデオカメラを手にする人もいた。

 レイバーネット川柳班が企画した「川柳句会」は25日の午前に行った(写真上)。お題は「水」と「言葉」で1日弱しか考える時間がなかったが、ほぼ全員が投句した。乱鬼龍選の特選に選ばれたのは「水道水ヒタヒタせまる民営化」(金野正晴)と「戦前に近づいている言葉狩り」(春うらわ)で、金野さんは「川柳は生まれて初めてつくった」とのことだった。他に秀逸10句が選ばれた。(↓選ばれた句)詳報

 合宿の当初の予定は24日〜25日だったが、延泊希望者もあり26日まで持ち込み企画を行った。25日、26日に上映企画を行ったが、メインの『戦争案内』(高岩仁)のほかに、韓国民主労総制作のユニークな若者向け啓発番組『クセジュク』(字幕=安田幸弘)、東映の性教育教材ビデオ(ジョニーH企画指導)、『しえんしゃたちのみなまた』(加藤宣子)、さいたまアスベスト被害を追った『子どものときひかる砂であそんだ』『咳をする男』(北穂さゆり)、『不良少年』(羽仁進)、『真夜中のカーボーイ』(米国作品)など古典から、仲間がつくった作品までのオンパレードだった。

 2泊3日お世話になった「スキャットセミナールーム毛呂分室」だが、セミナーや合宿には最高の環境で、全員大満足だった。ドキュメンタリー映画制作者の高岩仁記念室(写真上)もある。若手の映像制作者にとっても大いに勉強になるところである。ぜひ今後とも活用していきたい。(M)

↓楽しかったバーベキュー


Created by staff01. Last modified on 2018-08-27 13:41:40 Copyright: Default

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