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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(年2月22日)〜 「やってます」のアピールに惑わされてはならない
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●根津公子の都教委傍聴記(2018年2月22日)

「やってます」のアピールに惑わされてはならない

 公開議題は、ヽ惺擦砲ける児童・生徒の自殺対策の取組報告と「都教委から子供たちへのメッセージ」について(案) ◆崔楼茲罰惺擦龍働」を推進する方策についての中間まとめ報告 M菁度教育庁主要施策についての報告 ずG度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果についての報告 ほか。 非公開議案に懲戒処分(停職・懲戒免職)2件。今回の件が何を理由としたものかはわからないが、「性的行為」による懲戒免職が後を絶たない。こうした非行は、自身が管理支配されることによって生じたストレスの「解消」行為なのではないかと思う。

ヽ惺擦砲ける児童・生徒の自殺対策の取組報告と「都教委から子供たちへのメッセージ」について(案)

 すでに都教委HPには、次のようにアップされている。
 「東京都教育委員会は、平成28年4月に改正された自殺対策基本法と、平成29年7月に閣議決定された自殺総合対策大綱を踏まえ、児童・生徒の自殺予防対策を更に強化することを目的として、平成29年度に自殺予防教育推進委員会を設置し、学校における指導の在り方等について検討してきました。/ このたび、学校における自殺予防対策の指針となる「学校における児童・生徒の自殺対策の取組」及び授業で活用できるDVD教材「SOSの出し方に関する教育を推進するための指導資料」を作成し、平成30年3月上旬に都内全公立学校に配布します。/ また、適切な援助希求行動ができるようにすることを目的に、東京都教育委員会から都内全公立学校の児童・生徒に対してメッセージを伝えることとしたのでお知らせします。」
 そのうえで、「自分を大切に 友達を大切に」という題で、「つらい思いをして苦しい時などは、信頼できる大人が身近に必ずいるので相談してほしい。」という子どもたちへのメッセージを掲載。 学校だより等を通じて、全児童・生徒に渡るようにするという。自殺に面と向かっている子どもたちにこのメッセージが届くと本気で思っているのか!真面目にやれよ!傍聴している大人でも腹立たしく感じた。

◆崔楼茲罰惺擦龍働」を推進する方策についての中間まとめ報告

 17年7月に発足し、これまでに6回の審議会を開催、18年度中に「建議」をまとめ都教委に報告するとして、その中間まとめが報告された。
 文科省が社会教育法及び地方教育行政法を一部改正(17年)したことを受け、「地域と学校の協働」を継続的・安定的活動にしていく。すでに始めている、地域の高齢者、保護者、NPO、民間企業等の参画を一層進めることによって、「地域・社会の担い手となる人材育成」「高齢社会における持続可能な地域づくりの促進」をめざす。これら、地域コーディネーターを学校運営のパートナーとしていくために、「統括コーディネーター」「プログラムアドバイザー」を新設する、という。

 すでに2004年から各学校に学校運営協議会(=会員は校長が依頼)が設置され、校長はこの会での意見を反映させた学校運営をすることとされてきたが、これを「支援」から「双方向の『連携』『協働』」に充実させるともいう。「高齢者、PTAのOB・OG等」が協働するというのは美談のように聞こえるが、地域ボスの意向で学校が動かされかねない。
 教育活動の決定・実施に当たり、教職員が職員会議等で論議し決定していくことが奪われて久しい(=東京の場合は、2003年10・23通達=「君が代」不起立処分 以降)が、今後は一層、学校・教育活動から「教職員の総意」や各教員の子ども観・教育観による「創意・工夫」が排斥されていくこと必至。この方策がいう学校教育の目的は、子どもも含め「地域・社会の担い手となる人材育成」であって、「個人の尊厳」に基づく「人格の形成」ではない。戦後否定されたはずの国家主義教育が大手を振るう。

M菁度教育庁主要施策についての報告
   今年度新たに施策に加えたものが「AI時代における教育の推進」「質の高い教育の推進に向けた支援等についての検討」。前者は企業が提供する教育プログラムの活用を推進することであり、後者は外部人材の活用ということだろう。上記「地域と学校の協働」の推進の一環か。

ずG度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果についての報告
  小学5年生と中学2年生の体力・運動能力の結果は、中学生の都道府県別順位が下位であるものの、向上している。体力向上及び健康教育の研究指定校(小学校20校、中学校62校)の平均点は、都の平均を上回る。ここでは、「家庭との連携、地域人材の活用等、外部と連携した取組」をしたとのこと。

■家庭との連携、そして自殺対策??…雑感

 6人に1人の子どもが貧困に置かれている中、都教委は「家庭との連携」をわざわざ掲げる。保護者が2つも3つもの仕事を掛け持ちしなければ子どもが安心して暮らすことができない状況を解決するための働きかけを、教育委員会(や都)はなぜしないのか。それをしなければ、「家庭との連携」は達成できないのに。各教育委員は、貧困は自己責任という認識なのか。憲法が保障する生活環境を子どもたちに提供する責務が教育委員会・各教育委員にはある。「教育委員1人の報酬で2家族が生活できるよね。『報酬をそれに当てて』という教育委員はいないのか」と、傍聴後につぶやいた。
 また、学力テスト、体力・運動能力調査で得点が低い子どもは、「向上」のために休み時間や放課後に努力が課せられる。「平均点を下げるな」といじめられもする。寛容さがなくなった学校に通うことが辛くなった子どもが、SOSを学校や教育委員会に出すだろうか。「やってます」をアピールするためだけの、うわべだけの施策。

 定例会前に根津はトイレで山口香教育委員と出会い、以下の会話をした。
根津:「私はメールを差し出した者です。」――山口:「はい」
根津:「返事をくださいね。」――山口:「はい」
根津:「必ず、ですよ」――山口:「はい」
この「はい」はどういう意味を持っているのだろうか。でも、少なくとも、私の送ったメールを山口教育委員が読んだことは確かだ。
 送ったメールとは、1月25日の定例会での、山口教育委員の発言に関する、以下のメールです。

山口香教育委員様

 私は毎回、都教育委員会定例会を傍聴している者です。以前にも2回、質問や要請のメールを山口委員様にお送りしています。
 この度は、1月25日の定例会の際、山口委員様が発言されたことに関して、賛意をお伝えし、そのご発言に基づき行動されることを心より要請するものです。
 「東京オリンピック・パラリンピック2020に向けてスポーツ過信になってはいないか。オリンピックはいらない、があっていい。皆がスポーツをやらねばということになるのは怖い。」ご発言の主旨はこのようなものだったと存じます。このご発言に、私も全く、同感です。
 では、都教委定例会で山口委員様を含む教育委員の皆さんが承認された、オリンピック・パラリンピック教育は、「オリンピックはいらない、があっていい。」となっているでしょうか。
 都教委作成の「オリンピック・パラリンピック学習読本」は、オリンピック・パラリンピックの「負」の部分は一切示さず、「オリンピック・パラリンピックは素晴らしい」との認識に立ち、そこに子どもたちを誘導するものとはなっていませんか。
 読本の「はじめに」の扉では、「東京2020大会は、開催都市東京で学ぶ中学生(高校用は「高校生」)の皆さんにとって貴重な機会となるとともに、この経験は、生涯にわたるかけがえのない財産となります。・・・理解を深め、」と言い、読本の最後は、中学生用は「自分にできること、やるべきことは何かを考え、2020年の自分のあるべき姿を思い描いてみよう」と締めくくります。高校生用では「ボランティアと社会貢献」を述べた上で、「自分がやるべきことは何かを考える」ことを勧めるだけでなく、都教委は、高校生にはボランティアを必修=義務としています。これでは、「オリンピックはいらない」の選択肢など、子どもたちにないことは歴然としているのではないでしょうか。
 子どもたちや保護者の中にも、東京2020オリンピック・パラリンピック反対の考えを持つ人は一定程度存在します。私も反対です。私の孫に、東京に住むすべての子どもたちに、オリンピック礼賛の意識を植え付けてもらっては迷惑です。
 そうした中、都教委は子どもたちに対し、オリンピック礼賛・「国家事業としてのオリンピック・パラリンピック大賛成」の意識・価値観の刷り込みを、教育委員会定例会の承認のもと行なっているとしか、私には思えません。
 福島復興オリンピックと謳いながら、国も都も避難してきた福島の人たちを高汚染の福島に帰還させています。福島の方々が、オリンピックに使うお金は福島救済(命の危険からの避難保障)に回すべきと思われていることは、山口委員様もご存じのことと思います。補助金支給を打ち切られても、福島に帰還することはできないと、東京に居とどまる家庭やその子どもたちの多くは、オリンピック礼賛のオリンピック・パラリンピック教育に反発を感じているとは思われませんか。
 オリンピック・パラリンピックに関するこれまでの定例会で私の知る限り、山口教育委員様が25日のご発言と同様の発言をされたことはなかったと思います。しかし、現時点でこのように考えられるのでしたら、ぜひとも定例会で問題提起され教育委員で論議され、進行するオリンピック・パラリンピック教育に変更や改善を加えていただきたいです。いや、そうすることが、教育委員としての責務であると存じます。
 一都民の要請ですが、真面目にお考えくださるよう切望します。「読みました」という簡単なものでもいいですから、返信をいただきたく、お願い申し上げます。


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