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LNJ Logo 渡部通信〜河原井・根津08年裁判不当判決、現場教員の怒り
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・「都教委包囲首都圏ネットワーク」、・「新芽ML」、
 ・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並人委員会」
の渡部です。
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本日(5月22日)、河原井さん・根津さんの
08年「君が代」不起立裁判の東京地裁判決がありました。

07年「君が代」不起立裁判は、2015年5月に東京高裁で、
二人(河原井さん停職3か月、根津さん停職6ヶ月)がともに勝訴し、
損害賠償も勝ち取りました。
それは、その後(2016年5月)最高裁が都教委の上告を棄却し、
確定しました。そこでは次のように述べられていました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 戒告から減給、減給から停職へと
 機械的に一律にその処分を加重していくとすると、
 教職員は、2、3年間不起立を繰り返すだけで
 停職処分を受けることになってしまい、
 仮にその後にも不起立を繰り返すと、より長期間の停職処分を受け、
 ついには免職処分を受けることにならざるを得ない事態に至って、
 自己の歴史観や世界観を含む思想等により忠実であろうとする教員にとっては、
 自らの思想や信条を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの
 二者択一の選択を迫られることになり、そのような事態は、
 もともとその者が地方公務員としての教職員という地位を
 自ら選択したものであることを考慮しても、
 日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する
 実質的な侵害につながるもであり、相当ではないというべきである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しかし、本日の判決では、
河原井さんの6ヶ月停職は取り消されましたが、
根津さんの6ヶ月停職は取り消されず、
二人の損害賠償請求は棄却されました。

最高裁が都教委の上告を棄却し確定した
07年高裁裁判を正面から踏みにじるような判決でした。

報告会で弁護士は、
 「非常識・最悪の判決」、
 「2012年最高裁判決の前にもどるような判決」
と述べていました。
2012年最高裁判決では、
 ・思想・良心の自由への<間接的制約>があることを認め
 ・加重処分は原則認めない
と言っていました。

しかし、今回の判決では、
根津さんが勤務中に、08年以前も以後も
「OBJECTION HINOMARU KIMIGAYO」というトレーナーを
着ていたことを問題にし、6ヶ月処分を認めました。

しかし、当時、少なからぬ教員が同じようなトレーナーを
着ていました。また根津さん自身も
08年以前も、以後も、着ていたにも関わらず、
そのことを執拗に問題にしてきました。

判決文には次のような下りがあります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本件職務命令は、憲法19条に反するものではないから、
公立学校の教員として地方公務員であった原告らに対し、
その式典に教員と言う立場で参加するに際して、
式典における慣例上の儀礼的な所作として社会一般に
広く認められている起立及び国歌斉唱(憲法がこれらの行為を
禁止しているとは認められない。)を求めることは、
何ら公務員としての憲法擁護義務に反するものではないというべきである。
(48〜49ページ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本件トレーナー等着用行為を勤務時間中に行うことは、
職務上の注意力のすべてを職務遂行のために用い職務にのみ
従事すべき義務に違反し、職務に専念すべき学校内の
規律秩序を乱すおそれがあるものであったといわなければならない。
(59ページ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
原告らは、学習指導要領に沿って、教育課程の一つである
特別活動たる卒業式を適正に実施するため本件各校長が
発した本件職務命令に対し、地方公務員として職務命令に
従う義務を負い、かつ、生徒の模範となるべき教員と言う立場に
ありながら、公然と職務命令に違反した。
その違反行為は児童・生徒、保護者その他の学校関係者の
面前で行われたものであって、教員の職の信用を傷つける行為に
該当するものというべきである。(60ページ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これでは、教員は「公務員」と「職務専念義務」の名の下、
政権が決めた考え方ややり方に対しては、
一切反対の意思を表明してはならないということである。
(判決文では学校外や休みのときは例外、などとしているが、
根津さんが停職中に抗議活動をしていたことも理由に挙げている。)

報告会である参加者は、「公務員は奴隷か!」と言っていたが
まさにその通りである。

前の方で紹介した07年裁判の高裁判決では、
「公務員」に関しては次のように述べられていた。
 「もともとその者が地方公務員としての教職員という地位を
 自ら選択したものであることを考慮しても、
 日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する
 実質的な侵害につながるもであり、相当ではないというべきである。」

いかに今回の判決が反動判決であるかがわかる。
まさに戦前の「聖職教師(国定教師)」「洗脳教育」の復活である。

私たちは、このような、一回その正体が暴かれているような、
復活を断じて許すわけにはいかない。
そのために、これからも声を上げ続け、闘い続ける。

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「ひのきみ全国ネット」の大阪の仲間から、
以下のような<大阪公立中学教員>の声を
紹介してもらいました。是非お読み下さい。
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 私たちは数じゃない。数字で測られたくない。

 学校の評価が観点別になり、関心意欲態度、知識理解、
 技能、思考判断表現をすべて点数化するようになって久しい。
 関心や意欲や態度をどうやって測るんた!という声もかき消され、
 今や提出物がその根拠になってる。

 何でも数字。子どもたちは数じゃない。
 大阪の教師につけられてる評価も数値目標を示せだと!
 教育は数字じゃない。
 管理職は授業を一度しか見に来ず、
 その教師の授業取り組みの何がわかるのか?
 それでも、五段階で毎年年度末に評価される。
 教師たちは数じゃない。

 最近では生徒会で遅刻ゼロ運動だとか!
 一人ひとりの事情も考えずにやみくもに数字が踊る。
 集合は何秒以内とかいって何度も集合練習。
 そんな練習を呼び掛けた主任が自分のクラスの写真だけ
 何度もポーズを変えて撮ったために電車に
 乗り遅れたことをなんとも思ってない。

 茶番なことが多すぎ。数で人を測るのはやめよう
 人間は数じゃない。

 私は歴史のなかで何万人が死んだとか、
 死者の多さでその悲劇を表すのは嫌だ。
 一人ひとりに大切な命、やりたいこと、愛する人や仲間がいて、
 人生があったことを知らせたい。

 人間は数じゃない。
 安倍政権は自分たちに同調する議員や
 民衆のことを数としか思ってないだろう。
 でも、私たちは数じゃない。
 一人ひとりに尊厳がある。
 一人ひとりがそこにいるだけで尊い。
 
 そのことを声を大にして言いたい。
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   全国から集う!全国で闘う!
   〜洗脳「教育」はゴメンだ!〜
『第7回「日の丸・君が代」問題等全国学習交流集会』

<日時>2017年7月23日(日)
      10:00から16:30 その後、デモ行進

<場所>日比谷図書文化館地下ホール(日比谷野音となり)
  (24日(月)は午前中文科省交渉を計画中)

≪記念講演≫高嶋伸欣さん(琉球大学名誉教授)

 東京・大阪をはじめ全国からの報告もあります。

<主催>上記集会名の実行委員会

<資料代> 500円

<連絡先>090−7015−3344(永井)

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(このメールはご迷惑を承知で多くの方々に発信します。
ご迷惑な方は止めますのでご連絡ください。)
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「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
      http://hinokimitcb.web.fc2.com/
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